shunchi極楽日記


兄の婚約面談会

しゅんちには一つ上の兄がいる。最近、6年間付き合った彼女と結婚することになった。
そして、彼女の家族がしゅんちの実家に挨拶をしに来ることになった。
お互いの家族全員が顔見せをする為、その日しゅんちも実家に呼ばれていたのだった。

当日、しゅんちはアパートでぐうたらしていた為、夕方5時集合という約束の時間を若干過ぎて実家に到着した。
彼女の家族は、父、母、兄の彼女に加え、姉と妹の5人家族。
既に、彼女側家族は到着しており、玄関には見慣れない靴が並べられていた。
リビングからは母のいつもの下品な笑い声ではなく、上品を装った笑い声が聞こえてきた。
その声色だけで母は猫かぶりモード接待モードであると伺えた。
そして、しゅんちは遅らばせながら登場し、皆に挨拶をした後、お茶会に参加するのだった。

しかし・・・
そのお茶会は
終始緊張したムードが続く事になるのだった・・・。



しゅんち「いや〜兄貴の彼女って3姉妹だったんですねぇ〜。」

母「本当、華やかでいいわねぇ〜。おほほ」

彼女父「いやぁ〜 そうでもないですよ〜 わっはは」

彼女母「うふふ」

父「あはは・・・いやいや・・・素敵なお嬢さん達で わはは・・・」

母「ほんと ほんと おほほ・・・




・・・シーン。





父「・・・あっあ、そうそう、実は今長野は田中県知事の話題で盛り上がってましてねぇ〜。」

彼女父「あ、ああ!そうでしたな〜 田中知事は長野で話題でしたなぁ〜 わっはは」

彼女母「あらそうでしたわねぇ〜。」

父「そうなんです、そうなんです。あっはは・・・」

しゅんち「あはは・・・・



・・・シーン。



しゅんち「え、え、えっと、今日はどこを予約してるんだっけ?」

母「あ、そうね。今日は長野っぽい料亭みたいな所を予約してあるのよ〜。」

しゅんち「んと、予約は7時って言ったっけ?」

母「そうそう・・・」

しゅんち「そかそか・・・うんうん・・・・



・・・シーン。



その雰囲気はまるで・・


漕ぐのをやめたら消えてしまう



自転車のランプのごとし。



恐らく、この席にいる全員の頭の中は「話題」の2文字で埋め尽くされていたであろう・・・。

そんな中、当事者の兄・・・

しゅんち「そ、そういえば、あ、兄貴達は何時頃に着いたの?」

兄「5時くらい。」(あっさり)

しゅんち「あっそう・・・・。」

兄「おう。」

しゅんち「・・・。」



・・・シーン。



少し漕げよ兄。

・・・こうして、なんとか緊迫の初顔見せのお茶会は終了し、場所は料理屋へ移動することに。
この席ではお酒が入ったからなのか打ち解けたからなのか、先ほどとは違いかなりリラックスしたムードであった。
しゅんちも酒が入ったおかげでテンションが上がり、皆を盛り上げたのだった。

・・・そして会も後半を迎える頃、兄は彼女となにやら目で合図をすると一枚の紙切れと小さな箱を取り出した。
それは「婚姻届」と「婚約指輪」であった。

しゅんち「おいおい!ここで書くって演出か!?すげーーなすげーーな!」

兄「えっと、お義父さんも保証人ということでこの欄に書いて下さい。」

彼女父「今私も書かなきゃいけないのか!?」

父「ということは俺も書くのか!? 」

母「これはある意味結婚式ね!素敵だわ!」

こうして、酔っぱらった勢い(?)で二人の父は婚姻届にペンを走らせた。

しゅんち「いやいや!おめでとう!お二人さん!」

母「うふふ これでもう二人とも逃げられないわね。」

彼女父「わはは それに二人とも家族も顔合わせしちゃったし、ここで破局したら大変だぞこりゃ。わっはははは!」

しゅんち「いやいや、お義父さん安心して下さいよ〜。破局したら俺が貰いますんで。



それ、笑えない。


・・こうして、兄の家族面談は大成功で幕を閉じるのだった。
我ながら良い仕事をしたなぁ〜・・・と自画自賛のしゅんちであった・・・。


家族面談って妙な緊張感があるよね。
みんなニコニコ笑ってるんだけど、余裕が無いってか。
なんだか妙な雰囲気だしね。

この話は妙に親戚に評判だったんですよね。
緊迫した雰囲気がよく出せてたんじゃないかなぁ〜。

それにしても、兄はマイペースだなぁ。

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