shunchi極楽旅行記


PM 9:30〜

「ニングルテラス」

ホテルに戻った一行はその足でニングルテラスに向かう。
ニングルテラスとは「北の国から」の作者である倉本聰氏がプロデュースしたショッピングモールである。
ログハウスの店舗が立ち並び、手作りのキャンドルや木彫りのオルゴールなどが売っている。
おしゃれにライトアップされており、雪の中で幻想的な雰囲気だった。
ドラマではゆきこおばさん(竹下景子)が働いていた場所で、マサナオ君が「ゆきこおばさ〜ん!」と叫びながらテンションを上げていた。

手作りのキャンドルやオルゴールの他に、北の国からグッズも売られており、「電気が無い?電気がなければ暮らせませんよ」や「僕の体質には北海道は合わないと思われ」などと書かれた純のぼやきTシャツや五郎の虫食いまで見事に再現された五郎ニット帽などが売っていて笑えた。それらを迷いなく購入するマサナオ君に更に笑えた。
彼は相当なファンなのだろう。

しゅんちはここで北の国からオルゴールを購入したのだった。

「暗闇を抜けると」

そして一行はニングルテラスを抜け、暗い雪の中を更に奥へと進む。
この暗闇の先に倉本聰氏がプロデュースした「soh’s bar」(ソーズ バー)があるという。

ヘビースモーカーの倉本聰氏が「昨今の厳しい禁煙ブームの中、追い詰められた哀れな愛煙家の為に作った大人の隠れ家」というテーマで作ったとのこと。

本当にこの先にバーなんかあるのかと思うような暗い雪道を歩き続ける一行。
やがて奥の方に雪の中ひっそり灯る明かりを発見。
それはまさに秘密の隠れ家を発見したような気持ちだった。
興奮して撮影を忘れた。


・・写真が無いので解説しよう。
soh’s Barは石を積み上げて作ったような石造りになっていて重厚な趣の建物であった。
店内には大きな暖炉が中央にあり雪国らしさを演出していた。。
倉本聰氏が自分の書斎を模しているらしく、落ち着いた雰囲気であった。

しゅんち達が入店すると暖炉の前がタイミング良く空き、運良く特等席に案内されたのだった。
皆はそれぞれにカクテルを頼みこの雰囲気に酔いしれながら語り合うのだった。


・・ぼんやりと薄暗い店内・・暖炉に灯る炎の揺らぎ・・そして心地よい酔い・・


なんだか作家先生にでもなったような気分である。
今ここにパソコンがあれば極楽日記もはかどることであろう。

マサナオ「あれ・・・?あの人、永六輔じゃない?」

しゅんち「ん?おお!本当だ!」

なんとレジ付近に永六輔氏がいた。


「永六輔」・・・
元・放送作家で作詞家。
故坂本九氏の「上を向いて歩こう」の歌詞を作った著名人である。
スマップの中居君がコントで永七輔を演じたところ自分の服を中居君に送ったという逸話がある。

母「・・結構、業界人がここに来るらしいわよ。」

しゅんち「なるほど・・・。すげえな・・・。」

恐らく、倉本聰氏のは業界でも交友関係が広いのだろう。
思わぬ有名人目撃にテンションが上がる一同だった。


と、その時だった・・・


マサナオ「あ・・・・」

しゅんち「え?どしたの?」

マサナオ「・・・・いや、まて・・・まさか・・・?」

タカコ「なになになに?」

マサナオ君の尋常じゃない挙動に注目する一同。

マサナオ「いやぁ・・・あの人さ・・・」

しゅんち「え?あそこに立ってる人?」





マサナオ「倉本聰だと思う・・・。」



しゅんち「うぇええええええ!!ま・・・マジで!!?」

そういわれてみるとしゅんちは倉本聰氏を見たことがなかった。

マサナオ「ちょっと、店員に聞いてみるか・・・。」

そういうと震える手で店員を呼ぶマサナオ君。

マサナオ「あの・・・倉本先生いらしてますよね?

店員「はい。いらっしゃいますよ。」




でた本物だ。



しゅんち「ぷっっぷぷぷぷははははは!!」

マサナオ「な、なに?」

しゅんち「だってさ、業界人みたいに倉本先生いらしてますよねとかって普通に言うんだもん。ぶははは」

マサナオ「う、うるさい!興奮してたんだよ!」

タカコ「あ、もしかしてさ、今ドラマやってるよね「優しい時間」。その撮影で来てるんかもね。」

「優しい時間」・・

倉本聰氏が15年ぶりに連ドラを脚本した。
「北の国から」と同じく北海道・富良野市を舞台にし、父と子の絆のを描く。
主な出演者は寺尾聡、大竹しのぶ、そしてジャニーズ「嵐」の二ノ宮和也。

タカコ「あ!ってことはニノがいるかもしれないって事!?」

ニノとは二ノ宮くんの愛称である。

しゅんち「うおお!マジでいるかもしんないぞ!!探せ!」

倉本先生を目撃し、感慨にふけっているマサナオ君を尻目に盛り上がる2人。

しゅんち「これが本当のファインディング・ニノだな!」

タカコ「きゃっはははは うまい!」

2人のやりとりを無視し、呆然と煙草を吸い続けるマサナオ君。
倉本先生を目撃したことが相当に感動したらしい。

北の国からを小さい頃からオンタイムで見続けて来た彼にとって、倉本先生はまるで神のような存在だったのだろうか。
紫煙を揺らし、再び呆然とするマサナオ君であった。

・・結局、二ノ宮君は見つからないまま閉店を迎える。
こうして、大興奮の夜は更けてゆくのだった・・・。



神に出会った夜だった。


第3日目

今日は最終日。
午前中はスキーをして、午後帰る予定である。

「見事な晴れ」

3日目にようやく快晴。

スキー場は朝一はかなり気持ちがいいものである。
昨日降った雪がスノーマシンで圧雪され、これ以上にない雪質の良さなのである。
この時のスキーは実力+2でうまく滑れるのだ。

「最高の眺め」

今日は普通のウィークデイである。
朝一のスキー場は他の客はほとんどいなくまさに貸切状態であった。

最高の天気、最高のコンディション。ありがとう富良野スキー場。

皆は富良野最後のスキーを楽しんだのだった。


PM 0:30〜

一行はホテルの最上階で北海道最後の食事した。

「昼食」

連日の飲み食いですっかり胃腸が弱ったしゅんち。
とても昼食を食べられる状態ではなかった。
とりあえず定食を頼み、食べられそうなものだけをつまむ事にした。

タカコ「しゅんちゃん大丈夫?」

しゅんち「ん〜・・・刺身とか煮物なら食べられそうかなぁ・・・。」

タカコ「あんまり無理しないでね。」

しゅんち「う、うん。」

自分の虚弱さに愕然とするしゅんち。

マサナオ「おっ きたきた。」

タカコ「あっ わーい♪」

どうやらタカコとマサナオ君は同じものを頼んだらしい。






「カツ丼大盛り」

強っちいな。


弱ッチーズな2人は食べるものだけは強っちいのであった・・・。


こうして富良野スキーツアーはカツ丼大盛りで幕を閉じたのであった・・・。


数日後・・・


ニングルテラスで買ったオルゴールはトイレに飾った。

「思い出のオルゴール」

下からピロっと出ているヒモを引っ張るとメロディーが流れ出すのである。
流れる曲は「純のテーマ」。

トイレに座るしゅんち。おもむろにヒモを引っ張ってみる。
流れ出す純のテーマが狭い空間に響き渡る。

・・この曲を聴くとあの旅の出来事を思い出す。
まるで「北の国から」の住人になったようなあの時の感覚。
皆で吹雪の中を身を縮ませて歩いたアーケード街。
雪の中で見つけた石造りの隠れ家。
神に出会った夜。
富良野はなぜか懐かしく、暖かい気持ちにさせる場所だった。


鳴り止むオルゴール。


用は済んだはずなのにもう一度ヒモを引っ張ってしまうしゅんちであった。


shunchiの富良野紀行  完

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