shunchi極楽日記


結婚観

しゅんちの仕事で製造メーカーの人を東京から来てもらい一日客先へ一緒に訪問するという同行PRという仕事がある。
ある月曜日の朝、しゅんちは今日一緒に同行PRする吉田さん(仮)を迎えに駅に向かった。

駅の駐車場で待っていると電車到着時刻が訪れ、吉田さんが寒そうな仕草でしゅんちの営業車を見つけ乗り込んで来た。
軽く挨拶を済ませた後、吉田さんを乗せた車は一路客先へ。
客先は車で一時間ほど運転した場所にあり、その間吉田さんと色々と会話をするのだった。

吉田「いや〜〜ほんまごっつ寒いな〜 さすが北国ちゅーことやな。平日の月曜日やっちゅうのに電車にはおっちゃんおばちゃんがぎょうさん乗っておってめっちゃ混んどったなぁ。たぶんあれやろな、紅葉の季節やからもじみ刈りかなんかに来とったんかもしれへんなぁ。こっちは仕事やっちゅうのにホンマのんきなもんやでぇ。

しゅんち「そ、そうですね
。」

吉田「今朝、コート着てこうか迷ったんやけどホンマ着てきてよかったでぇ〜。こら正解やでぇ。」

吉田さんは推定50歳前後。
元々は京都で暮らしていたが、現在は単身赴任の為、東京で一人暮らしをしているらしい。
家族は京都に残して来た奥さんとしゅんちと同い年くらいの二人の娘がいるとのことだ。

しゅんち「そういえば吉田さん。この前、娘さんが京都から遊びに来てディズニーランド行ったんでしたよね。どうでした?」

吉田「あ〜ぁ 行ったで行ったでぇ。ホンマすごいなあそこは。映画館みたいなスクリーンから本物のネズミが画面を飛び出してぶぁ〜〜っと体を這ってくるんやわ。あれにはびびったでぇ。」

しゅんち「ぶっ(笑) いやいやたぶんそれは目の錯覚を利用した画像だったんですよ〜。」

吉田「いやいや。あれは本物やで!感触あったもの!」

しゅんち「いやいやいやいや 違いますって!感触は気のせいですよ!」

吉田「本物やぁーて!あれはホンマ。」

忙しい月曜の朝からのんきな会話のサラリーマン二人。


日本も結構平和である。


親と同い年くらいのおじさんなはずなのにしゅんちは友達のように吉田さんと楽しく会話してしまうのだった。

吉田「しゅんち君はなんや。兄弟はおるんだったかな?」

しゅんち「はい。一コ上の兄がいるんですよ。この間結婚したんですけどね。」

吉田「ほぉー お見合いか?」

しゅんち「いや、6年半も付き合った彼女とです。」

吉田「ほー!そらー えらいこっちゃやなぁ。でもなぁ、結婚はお見合いに限るで。

しゅんち「え・・・そうなんですか?」

吉田「そらそうやわ!こっちはなーんも決めんと自分に合ったそれなりの人と勝手に決まってくれるんやで?こんな楽なことないやろ。結婚は見合いで決まりや。」

突然結婚観を語りだす完全見合いの吉田さん。

しゅんち「・・・吉田さんひょっとして見合い結婚だったんですか?」

吉田「そうやで。結婚前に二回しか会うてなかったで。」


なんじゃそら。


吉田「なんかなぁ、「見合いせんかー?」って親に言われてなぁ。なし崩しのままお見合いや。」

しゅんち「・・・ふむ。」

吉田「そんで終わった後に「なんか不満はあるかー?」聞かれてな、「特にないけど」言うたんやわ。ってそら言うわな。そんなもん1回会ったくらいで相手の悪いところなんて見えるわけあらへんやろぉ?お見合い中によっぽどおかしな事するか、はたまためっちゃぶっさいくなら少し考えるかもしれへんけどな。下手なことせえへんかったら、そら「不満は無い」って言うわな。」

しゅんち「そうですよねぇ・・・お見合いしといていきなり「不満あります」なんて言いにくいですよねぇ・・・。」

吉田「あのなぁ「特に問題ないです」ちゅうことは「肯定」っちゅうことやで。それで決まりや。簡単なもんやで。」


本当に簡単だ。


そして吉田さんは次々にお見合いテクニックを話し始める・・・。

吉田「まず、お見合いした時、嫁はん見るんやないで。」

しゅんち「え・・・相手見ないんですか・・・?」

吉田「嫁はんなんて恥ずかしくしとんのか、ずーっとうつむいたりしてるばっかりや。そんなん見てる暇あったら隣に座っとるおかんを見るんや。そのおかんの姿は嫁はんの20年後の姿や。大体わかるでどんな感じの嫁はんになるっちゅうのが。」

しゅんち「な・・・なるほど・・・。」

強引な理論に納得させられるしゅんち。

吉田「結婚と恋愛は違うんやで。ある意味人生の協力者や。義務みたいなもんやな。しゅんち君も早い内にお見合いして結婚してしまった方が楽やで。よっぽど極道するんなら別やけどな。」

しゅんち「ご・・・極道すか・・・。」

吉田さんに言いくるめられ萎縮するしゅんち。

吉田「まあ、結婚せえへんと一番困ることは会話やな。」

しゅんち「会話ですか・・・?」

吉田「今、単身赴任なんやけど休日は一人だから誰とも話さへんやろ?よっぽど話し好きであちこち話しかける人なら別やで?休日に誰かと話すちゅうてもコンビニかなんかで店員の兄ちゃんと「暖めますか?」「はい。」くらいなもんや。
休日明けの月曜日なんてホンマ声がでえへんで。会話なんてとてもできんて。」


今日は月曜日・・・




めっちゃしゃべれとるがな。


結婚観・・・。
人それぞれ様々なんだなぁと考えさせられ、また一つ人生勉強をしてしまったしゅんちであった。

強烈なキャラクターの吉田さん。
まだしゅんちも独身だったので、なんとなく納得してしまう部分が多かったと思っていました。

今は結婚した身ですが・・・

ん〜どうなんでしょ。
好きな人が特にいなければありかな・・・とも思うし・・・。
結婚観とは難しいですねぇ。


ちなみに吉田さんは担当代えでいなくなっちゃいました。
いま元気かなぁ〜・・・。

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