shunchi極楽旅行記


AM 8:30〜

ニセコ旅行記最終日。
この日は午前中にスキーをして、午後帰るといういつものパターンである。

今日の天気も
3日も居れば大体1日くらいは晴れるものだが、今回はこれで毎日雪だったことになる。

「ゴンドラ前」

ニセコは「毎日極上のパウダースノー」というからには理由があって、やはり雪が降りやすいのだろうか。
しかし、今年は例年になく雪不足である。
こんなに素晴らしい雪に出会えるのは今回だけに違いないとプラス思考で臨むのだった。

雪は降っていたがやはり雪質は最高だった。
新雪に突っ込んでもまるで重さを感じないまさに粉雪である。
これほどの雪が味わえるのは恐らくここしかないと思われた。

4人は悪天候ながらもニセコ最後のスキーを楽しむのだった。


PM 0:00〜

スキーはお昼に上がり、ホテルで帰り支度である。
タカコの活躍により準備が早々に完了したしゅんちチーム。
親2人は母が足手まといとなり、なかなか準備が終わらないようだった。
しゅんち達は予想外に時間が余ったのでプリンスホテルの中を散歩することにした。

今日は平日である。
修学旅行生もおらず、静かなホテル内を見て回るしゅんち達であった。

しゅんち「うぉお!!綺麗!タカコ見てみ!」

タカコ「わぁ本当だ・・・。」

「羊蹄山」

2階の休憩所の窓から真正面に羊蹄山が眺められた。

しゅんち「ん〜惜しいな・・・。雲が山頂にかかってるよ。雲がなきゃトップ画像にしたのにな。」

タカコ「でも本当、凄い山だよね。」

標高はそれほどではないはずなのだが、なんとも凄い存在感である。
この山はきっとここの住民達の自慢であり誇りなのだろう。

帰り間際で慌しいはずなのに、なんだか穏やかな時間を過ごしたしゅんち達だった。

「バスからの眺め」

荷物も整い、一行は帰りのバスに乗り込んだ。
ニセコともいよいよお別れである。
しゅんちは楽しかった旅行を振り返りながら名残惜しそうに外を眺める。

ニセコ・・・
間違いなく素晴らしいスキー場であった。
それ以上にとても不思議な場所でもあった。そこは日本なのにまるで外国。
長野県のスキー場はスキー人口も減り、赤字で大変だといわれている。
長野県はもっとこの街を見習わなくてはならないと思うのだった。

そんな事を考えながら目の前の雪山を眺めるしゅんち。


それにしても・・・




憎らしいほどの晴れだな。



帰る頃になって快晴は訪れた・・・。

快晴の中、バスはゆっくりと空港に向けて出発するのだった。


PM 3:30〜

3時間ほどバスに揺られ新千歳空港に到着。
皆は疲れていたのかほとんど寝ていたようだった。
しゅんちもゲームをやろうと思ってたのだが、殆ど出来ずに寝ていた。

「新千歳空港到着」

今日のフライトは7時半である。
まだ時間はたっぷりある。
一行は荷物を預け、フライトまで時間があるのでラーメンを食べに行くことになっていた。
しゅんちは父に近くのラーメン屋をピックアップしておくように命じられていたのだった。

父「おい。しゅんち。千歳のラーメン屋は調べといてくれたか?」

しゅんち「おう。バッチリだぜ。」

しゅんちはインターネットから印刷してきた用紙をタカコから受け取る。

しゅんち「まあ、俺がピックアップした店はこれよ。」

味の一平・・・千歳の「味噌ラーメン」の名店

王将・・・赤と白の味噌ラーメンがある千歳の老舗

味平・・・種類が豊富。有名人もよく訪れる有名店

しゅんち「まあ、北海道なんだし、やっぱり味噌ラーメンかと思ってさ。」

父「ふむ。なるほどな。」

しゅんち「母ちゃんだって味噌がいいでしょ?」

母「うん!私は味噌ラーメンが食べたい!」

母は味噌ラーメンが大好きである。
例えその店がしょう油の名店だとしても味噌ラーメンを頼むのである。
そんな母の好みも考慮して味噌ラーメンの店をピックアップしたのだった。

しゅんち「で、俺的には味の一平が一番良さそうだと思うんだよな。」

父「よし。じゃあ、そこにしようか。」

こうして一行は空港入り口でタクシーを捕まえ乗り込む。

「タクシーに乗り込め」

しゅんち「すみません。味の一平っていうラーメン屋わかります?」

運転手「え・・・味の一平?」

しゅんち「あ・・・わかりませんか。住所ここなんですが・・・。」

運転手「い、いやぁ・・・場所はわかるんですがね。今日やってなかったような・・・。」

しゅんち「え・・・?いや、インターネットでは17時からやってるって書いてあったんだけどなぁ・・・。」

運転手「あっ・・それなら大丈夫ですかね。じゃあ、行きます。」

そしてタクシーは目的地へと向かう。
それにしてもタクシーの運転手がすぐにわかるラーメン屋だとはよっぽどの有名店なのだろう。
否応がなしに期待が高まる。
タクシーは15分ほど走り、千歳の街中に入る。

母「ところで、しゅんちはなんでこの店を選んだの?」

しゅんち「いや、「千歳のラーメン屋といえばこの店!」って書いてるサイトが多かったのよ。」

母「ふ〜ん。」

しゅんち「特に味噌ラーメンが人気で地元でも行列の店らしいんだ。」

しゅんちはここぞとばかりに調べて来たウンチクを披露する。

しゅんち「どうも店長が札幌の有名店で修行したらしくてね。」

母「ふむ。」

しゅんち「ラードが表面にあってかなり熱いラーメンで、にんにくを丸ごと・・・くどくどくどくど」

運転手「あ・・・・。」

急に声を上げる運転手。

運転手「やっぱり、やってませんねぇ・・・。」

しゅんち「え・・・。」


味の一平 準備中。


しゅんちのウンチク無駄撃ち。


しゅんち「うわぁ〜・・・最悪だ・・・。今日は3時までだって・・・。」

運転手「どうしますかねぇ・・・。」

しゅんち「こ、この辺で有名店ってあります?」

運転手「う〜〜ん。近辺にはあんまりないですねぇ・・・。」

しゅんち「王将は・・・空港の反対側ですよね?」

運転手「そうですねぇ〜あの店はこっから遠いですね・・・。」

しゅんち「じゃあ、味平は?」

運転手「味平も今日やってたかなぁ・・・・。」

今日は月曜日。
結構休みのところが多いらしい。

運転手「ちょっと無線で聞いてみますね。」

そういうと運転手は無線で仲間に味平はやっているか確認してくれた。

運転手「えっとですねぇ・・・さっきは電気消えてたみたいですが、今はやってるかもしれんですね。」

しゅんち「むぅ・・・じゃあ、とりあえず向かって下さい・・・。」

そして、タクシーは味平に向けて再び出発した。
Uターンし、今来た道を戻る格好である。

タカコ「味平はどんな店なの・・・?」

しゅんち「んー味平はねぇメニューが豊富なんだよ。」

タカコ「ふ〜ん・・・。」

しゅんち「味噌ラーメンが特に有名ってわけじゃないっぽいから3番目の候補だったのよ。」

タカコ「味の一平を略して味平じゃないの?」

しゅんち「・・・違うと思う。」

タクシーは郊外から駅周辺に入る。

運転手「あ・・・そうだ。この辺に最近新しい店が出来たんですよ。」

しゅんち「え?どんな店ですか?」

運転手「口コミで人気が出て・・・「いわさき」っていう店なんですけどね。」

しゅんち「ああ!!!」

タカコ「ど、どしたの?」

しゅんち「いや、「いわさき」っていう名前も色んなサイトで見かけたのよ。」

タカコ「本当に?」

しゅんち「あのね、最初は小さい店舗で細々とやってたんだけど人気が出て今や行列店らしいのよ。」

タカコ「へーいいね!」

しゅんち「なんかある人のサイトでは「個人的には1番うまい」って書いてあったし。」

母「あら!いいじゃない!そこにしましょうよ!」

タクシーのおじさんのナイスな気転でいわさきに向かうことに。
しゅんちは再びくどくどとウンチクを垂れ始める。

しゅんち「いわさきは元々閑静な住宅街にあったんだよ。」

タカコ「へぇ・・・」

しゅんち「地元人の口コミで徐々に人気が出てきたってわけだ。」

タカコ「なるほど・・・。」

しゅんち「ラーメンもいいけど、チャーシューが特に良いらしくってね・・・くどくどくど」

運転手「あ・・・・。」

急に声を上げる運転手。

運転手「ここも休みですねぇ・・・。」

しゅんち「え・・・・。」


いわさき準備中。



しゅんちのウンチクまたもや無駄撃ち。


運転手「やっぱり今日はダメですねぇ〜。」

しゅんち「むむむ・・・」

運転手「まあ、この先に味平もありますんで行ってみますよ。」

「味平到着」

タクシーは少し走るとすぐに味平に到着した。
なんとなく薄暗くやっていない雰囲気である。

しゅんち「で、電気が消えてるっぽいなぁ・・・。」

運転手「あ・・・いや、これはもしかしたらやってると思いますよ。」

タカコ「私ちょっと見てきます。」

一番左側に座っていたタカコがタクシーを降り、お店へと向かう。
固唾を飲んで見守る一行。

タカコは店内を恐る恐る覗くとこちらに向かって大きく丸とジェスチャーした。やっているようだ!
親切だったタクシーのおじさんに別れを告げ店内へ。とにかくやっててよかった。
ありがとうタクシーのおじさん!

「もの凄い店内」

店内に貼られた有名人達のサインや写真が圧倒的であった。
更に、メニューもかなり豊富で迷わせた。
しかしここは北海道である。
初心貫徹で味噌ラーメンで決まりだろう。

店員「ご注文はお決まりでしょうか?」

一行はそれぞれに注文した。


しゅんち「味噌バター」



父「とんこつしょう油」



タカコ「しょう油」



母「塩。」



なぜ母まで味噌ラーメンじゃないのさ・・・。


しゅんち「母ちゃん・・・な、なんで今日に限って塩なんだよ?」

母「えー・・・だってなんとなくこっちが急に食べたくなっちゃたんだもん。」


本当に気まぐれなお方です・・・。

「味噌バターコーン」

しばらくしてラーメンが運ばれてきた。
一行は空腹だったので勢いよく食べ始めた。

さすがは北海道の名店。
優しい中にもしっかりとした味わい。
毎日食べたいラーメンとはこのことだろう。

みんなのスープも一口づつもらってみたが、ベースのスープがしっかりしているのかどのラーメンも完成度の高さが伺えた。

母「ほらみなさい!塩ラーメンすっごいおいしいじゃない!へへん!」

しゅんち「・・・。」

こうして、一行は北海道ラーメンを楽しんだのだった。


PM 5:00〜

あたりはすっかり暗くなってきた。
ここからは電車で空港に戻る事に。

「千歳市内」

人通りの少ない寂しげな道を4人は駅に向かって歩く。
しゅんちはタカコと話しながら前を歩く父についてゆく。

しゅんち「あ〜あ・・・明日から仕事かぁ。」

タカコ「でも・・・明日は朝から仕事なのにまだ北海道にいるなんて信じられないなぁ・・・。」

しゅんち「ん?そういえばそうだな・・・。」

タカコ「普通だったら、とっくに家に帰って明日の準備なりしてるよねぇ・・・。」

しゅんち一家の旅行はかなりの強行軍である。
昔から父の過密的なスケジュールに慣らされてきたしゅんちはこれが当たり前になっていた。

しゅんち「確かに・・・これが社員旅行とかだったら大ブーイングだろうな・・・。」

以前行った社員旅行を思い出してみる。
最終日はとにかく家に早く帰りたいという人が多かった気がする。
やはりこの一家は傍から見ると異常なのだろう。

タカコ「昔の私だったら信じられないよなぁ・・・。」

タカコは元々このHPの読者であった。
1人でこっそり読んでいた旅行記にまさか自分が参加するなど当時は夢にも思っていなかっただろう。
そしていつの間にかそんな異常な一家の一員にまでなってしまったのである。

思えばしゅんちはこのスキーツアーを旅行記に書くようになってから毎年参加するようになったのだ。
最初のトマムから4年が経つ。
恐らく、その頃はタカコも読者だっただろう。
それがこうして今、4人で北海道にいる。

縁というものの不思議をつくづく感じるしゅんちであった。

「千歳駅」

千歳駅到着。
ちょうど5分後に空港行きの電車があった。
会社帰りのサラリーマンや帰宅途中の一般客に紛れ電車に乗り込む。

「快速エアポート」

4人を乗せた特急は新千歳空港に向かう。
北の大地の寒空の下、雪煙を上げながら・・・。


shunchiのニセコ旅行記 完

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