shunchiの極楽日記


act 126 亭主関白

O課長「もしもし。俺だ。今日遅くなる。ガチャッ」

O課長は奥さんに電話する時、妙に無愛想である。
最初聞いたとき、夫婦喧嘩をしてるのかと思ったくらいである。
しかし、毎回そうなのでこれが普通なのだとようやく理解できてきた。

それにしてもその言いっぷりたるや冷酷で、無愛想というよりも機嫌が悪いともとれる。
電話を置く際もなんだか叩きつけてるような感じさえある。
その電話のやりとりを聞いているとなんだかハラハラしてしまうしゅんちなのであった。
しかし、昨年2児が生まれたらしいので安泰ではあるらしいが。

そんなある日、珍しくO課長の奥さんから電話がかかってきた。
こちらから電話をかけるだけでも機嫌が悪そうなのに、向こうからかかってきたのである。
O課長に仕事中に家から電話をかけることは、負けた直後の星野監督に声をかけるに等しい。

しゅんちはドキドキしながら電話をO課長に取り次いだ。

O課長「あぁ?もしもし?」

やばい、やっぱり機嫌悪い。

O課長「なんだ?」

今にも「仕事中に電話してくるんじゃない!」と怒鳴りそうな雰囲気。

O課長「あぁ?」

噴火しそうな火山を眺めている気分。

O課長「そうか。わかった。」

O課長は叩きつけるように電話を切った。


・・・


O課長「す、すみませぇ〜ん・・・ちょ、ちょっと、用事があること思い出しまして、早めに帰りますぅ。あはは・・・」

ものすごい変わり身。

どうやら、O課長は大事な用事があったらしく忘れていたらしい。
そこを奥さんが知らせてくれたようである。

威張るに威張れない状況。

亭主関白気取りも大変だと夫婦生活の難しさを想像するしゅんちであった・・・。


act 127 展示会

しゅんちの仕事は製品を販売する営業マンである。
年に一度幕張メッセで販売製品の新製品展示会が行われるのである。
そして今回展示会に参加すべく東京出張をするしゅんちであった。

松本から幕張メッセまでは激しく遠く、朝6:50に出て11時過ぎに到着である。

所要時間4時間オーバー。

松本にも新幹線を引いてくれよと田中県知事に祈りつつ幕張メッセに到着。

展示会場は100社以上のメーカーが出展しており、かなりの規模である。
人がごったかえす中、新製品を求めさまようしゅんち。

お兄さん「いかがですか〜?」

ボヤーッと新製品を眺めていたしゅんちに声をかけるお兄さん。
せっかくなので目の前にある難しげな製品の説明を求めてみた。

しゅんち「これはなんですかね?」

お兄さん「はい。これはですね、&%$#$&$@*+を革新的に&%$¥したものでして、&%$#$¥・・・」




さっぱりわからない。


かなり専門的な装置らしく、しゅんちの理解をはるか上空に超えていった。

しゅんち「へ〜それはすごいですねぇ。」


知ったかぶり。


せっかく説明してくれたので全然わからないとも言えなかったしゅんち。
唯一わかりそうな値段を聞いてみることに。

しゅんち「それで、この装置はいくらくらいです?」

お兄さん「ちょっと高いんですよね。」

しゅんち「ほう?どのくらい?」

お兄さん「定価で一億二千万円です。」



家が建つね。



またしてもしゅんちの理解をはるか上空の雲の上まで超えていくのだった。

そして、しゅんちはその場を後にし、更に展示会場をフラフラ歩いて回った。

おじさん「ややっ!どうも!お久しぶりです!」

しゅんち「え・・・ああ!!どうもどうも!お久しぶりです!」

おじさん「いやいやその節はお世話になりまして・・・」

しゅんち「いやーこちらこそありがとうございました。」

おじさん「会社のみなさんは元気ですか?」

しゅんち「はい!おかげさまでみんな元気ですよ!」

おじさん「そうですか〜。今日は電車で?」

しゅんち「そうなんです。4時間もかかっちゃいましたよ あはは」

おじさん「そりゃ大変ですねぇ〜。じゃ、ごゆっくり!」

しゅんち「どうもどうも!」





・・・






今の誰だったっけ?

恐らく、何年か前に仕事をしたことがあって一度名刺交換をしたことがあったのかもしれない。
しかし、名前までは思い出せなかったのであった・・・。

今回の展示会・・・

知ったかぶりばかりのしゅんちであった・・・。


act 128 食堂の謎

しゅんちのアパートの近所に「SS食堂」という定食屋がある。
ご飯と味噌汁をベースに納豆、冷奴からはじまってとんかつ、焼き魚と様々なおかずをチョイスできるというお店で、まさに食欲旺盛なトラック野郎御用達のお店なのである。
しゅんちもたまに夕食に何を食べたらいいか迷っている時はその店に行くのである。何を食べたいかなんて店に入ってからでも十分間に合うからである。
しかし、その定食屋にも非常に理解しがたいメニューがある。

それは・・・






「普通定食」




よく会話で

「○○さんの性格ってどんな性格?」

「普通だよ。」

これくらいわからない。

何度か躊躇したが、しゅんちは思い切って普通定食を頼んでみることにした。
どんな普通が待ち受けているのかワクワクしていると三角巾をかぶったおばちゃんが普通定食を運んできた。

出てきたおかずは・・・




「さばの味噌煮」



この店では普通といえばさばの味噌煮らしい。

もしかして、日本で初めて定食ができたときのおかずはさばの味噌煮だったのだろうか・・・?
いや、この店で普通といえばさばの味噌煮のことで

店員「おかずは何にします?」

客「普通のお願いします。」

店員「はいかしこまりました。さばの味噌煮ですね。」

という会話が普通になっているのだろうか・・・?

そんなことを考えながら、さばの味噌煮を普通に食べ終えるしゅんち。
結局この店の普通は謎のまま店を出た。



そういえば・・・



この店の名前自体普通じゃないということに気付いたのは店を出てからずいぶん経ってからである。


act 129 社長とディナー

社長が松本支店にやってきた。
社員の教育にと社内講習会を開くために講師の方を連れてきたのである。

講習会は難しいながらもとりあえず終わり、社長は講師の方と松本で夕食を食べて帰るという。
そこで、松本の人も一緒に食事をしようということになり、しゅんちとM先輩と2人その夕食会に誘われてしまうのだった。

先輩「なんか、社長若い奴と食事したいんだとさ。」

しゅんち「え・・・なんか聞かれちゃうんですかね・・・?」

若い意見を聞きたいということなのだろうか否応に緊張が高まるしゅんち。

・・行った先は和食レストラン。
今日は寒いということでしゃぶしゃぶをすることになった。

社長「若いんだからどんどん食べてくれ。」

しゅんち「い、いただきまーす」

講師「いやいやそれでは社長さん頂きます。」

社長「どうぞどうぞ。おい君もたくさん食べろよ。」

先輩「はい。」

運ばれて来た薄切りの牛肉を湯にくぐらせながら、なんとなく緊張が高まるしゅんち。


若い意見・・・若い意見・・・


社長は最近の不景気を打開すべく若い奇抜なアイデアでも求めているのだろうか・・・?
なにか聞かれてもいいように色々考え始めるしゅんちであった。

社長「そういえば原監督は残念だったねぇ〜。」

まずは世間話というところか・・・

講師「いやいや社長さん私は巨人ファンなんですがね、あのやり方には納得できませんねぇ。」

社長「ほう・・・?と言いますと?」

しゅんち「むしゃむしゃ・・・」

講師「私は長年巨人ファンなんですがね・・・」


そして15分後・・・


社長「どんどん追加していいからねしゅんち君。」

しゅんち「モグモグ・・ふぁ・・・ふぁい むしゃむしゃ」

講師「私はねぇ次の監督は絶対、江川はありえないと思いますね。」

社長「やっぱり空白の1年がアレかね。」

しゅんち「あ・・・すみません店員さん。肉の追加いいですか?」

講師「いやいや、あるコメンテーターがですね・・・

社長「ふむふむ・・・」


そしてさらに15分後・・・


講師「最近のプロ野球はちょっとどうかと思いますねぇ。」

社長「やっぱり昔に比べるとバッティングなんかみてても・・・」

しゅんち「むしゃむしゃ・・・」

講師「いやいや、最近のバッターの方が技術は上だと思いますよ?」

社長「そうかね?」

しゅんち「あ・・・すみません店員さん。ご飯もう半分だけおかわりいいですか?」

講師「今やピッチングマシーンなんか発達してるでしょう?昔なんて生身の人間が投げるしかなかったんですからね。」

社長「昔は沢村対策ってことで近い距離で投げて・・・」


さらにさらに15分後・・・


講師「星野は今回日本一になれなきゃ一生無理でしょうねぇ〜。」

社長「そうかねぇ〜。おや、そろそろ時間だ。帰るかね。」


そして社長と講師を乗せた車を見送るしゅんちと先輩。


しゅんち「先輩・・・。」

先輩「ん?」


しゅんち「俺食ってただけなんですけどいいんですかね?」


先輩「・・・いいんじゃねえか?」

おしゃべりな講師の方で助かった・・・。


act 130 適正価格

しゅんち「あ〜肉うどん食いたいなぁ〜。」

夕食にうどんを食べようと車で街を徘徊していると目新しいうどん屋を発見した。
どうやら最近オープンしたばかりのうどん屋らしい。
需要と供給とがマッチしたしゅんちは急ハンドルで左折しうどん屋の駐車場に滑るように入るのだった。

店内は明るい雰囲気で、新装開店とあってかお客さんで賑わっていた。
どうやらこのお店はセルフサービス方式らしい。
セルフサービス方式とは、好きな具材を取りうどんに自由に乗っけちゃえるという最近流行方式なのである。



流行は長野だけかも。



しゅんちはトレーを取ると、列の最後尾に並ぶ。すると目の前にメニューが掲げられていた。
早速肉うどんの値段を確認。

肉うどん 480円

しゅんち「ほうほう、なかなか安いねぇ。」

トレーをレーンの上を滑らせ、好きな具材を取っていくようになっていて他のお客さんが列を作っていた。
店を入る前からメニューが決まっていたしゅんちだが、取りもしない具材の前を通過しなくてはならなかった。

しゅんち「くぅ〜・・・ナスがうまそうだ・・・。う〜・・・かき揚げもうまそう・・・。」

思わずメニューが肉うどんから天ぷらうどんに化けそうな勢いであったが、初心貫徹の言葉を胸になんとか通過するしゅんち。
おかずゾーン、具材ゾーンを通過すると、ようやくうどん受け取り上の前までやってきた。どうやらここでうどんの注文をするらしい。

しゅんち「(へ〜かけうどんって100円なんだ〜。安いねぇ〜)」

どうやら、うどん1玉100円で2玉でも200円というお得な価格設定であったらしい。

しゅんち「(まてよ・・・肉うどんよりも天ぷらうどんにした方がお得なのでは・・・?)」

一瞬引き返したい気持ちが湧き上がったしゅんちだが、

初心貫徹。

この日はやけに頑固おやじ。

前の客「すみません。かけうどんと牛丼下さい。」

しゅんちの前に並んだお客が注文をした。

しゅんち「(え?牛丼なんかあるんだ?でもさぁ・・・牛丼なら吉野家で頼めばいいのになぁ・・・あっちは280円と安いしさ。)」

なんて思いながらもメニューを見て驚愕。


牛丼 280円


牛丼界はデフレです。


あまりの牛丼の安さに立ち尽くすしゅんち。

店員「お客様ご注文をどうぞ?」

しゅんち「え・・・ああ・・・肉うどんを。」

店員「480円です。」

しゅんちは肉うどんを受け取るとカウンターに座り、メニュー全体を再確認。
お茶を口に含み落ち着きを取り戻しメニューを再確認。そして頭の中の電卓を叩きだす。



肉うどん 480円




かけうどん100円+牛丼280円=380円 チーン





牛丼の牛をうどんに乗せりゃよかった。


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