shunchi極楽日記


act 190 友人の門出

しゅんちの友達にT内という男がいる。
高校からの悪友である。
ある日、しゅんちはT内を久々に飲みに誘った。

しゅんち「おう!久しぶり!」

T内「おう!久しぶりだなぁしゅんち。」

しゅんち「おまえ相変わらずか?彼女とかできたのか?」

恒例の野暮な質問。
いるわけがな・・・



T内「おう!できたできた!」


しゅんち「うぇえええ!!ま、マジで!?」

T内「マジマジ」

しゅんち「う、嘘だろ!?げぇ〜〜〜〜」

彼はなかなか女性に縁がなく、彼女いない歴も相当なものだった。
その彼に彼女ができたとはまさに大事件。

T内「ってかな・・・6月に







結婚する事になった。」





天変地異が起きた。


どうやら、職場の先輩に猛烈アタックをした末に成功し、付き合うことになり、
そして話がトントン拍子に進み、わずか半年で結婚することになったらしい。

・・彼は陸上部に在席し、ヤリ投げの選手であった。
県で5本の指に入る成績だと本人は豪語。



但し、長野県でやり投げの選手は5人しかいないらしい。


常にお笑い担当で、学園祭では尻を出し、仮装大会ではパンティをかぶり、変態仮面に扮し裸で踊りまくった結果、学校では名物男になった。

家が近所だったせいか、放課後は常にしゅんちの家に入りびたり、勝手に食べ物は食べるわ、タバコは吸いまくるわ。
雪の日も雨の日もしゅんちの家に通い詰め、しゅんちの家でファイナルファンタジー6をクリアした。

高校を卒業し、彼は東京の専門学校に通い公認会計士の道を目指した。
4ヶ月ほど音信不通になり心配していると、ある日しゅんちバイト先のコンビニにフラッとあらわれた。
髪はボサボサヒゲもモジャモジャでまるでホームレスの様な格好で。
どうやら、4ヶ月間難しい試験に合格するために風呂も入らず、メシもロクに食わず「原料は米だ。人間は米を食って生きてきたはずだ。」という理由でせんべいだけを食べて生きていたらしい。
そんな汚い彼に嫌がらせで抱きつかれ絶叫した事は懐かしい。

その甲斐あってか、難しい試験に合格したが「難しい試験に受かったから満足した」と公認会計士の道をあっさり諦めた。
そして突然方向転換し公務員試験を受ける事にした。
しかしなかなかうまくいかず一浪。
苦しい浪人生活を越え、ようやく合格。見事公務員になったのだった。
そして現在に至るのである。

6月のある日・・・

常に半信半疑なしゅんちだったが、招待状も届いた。
招待状にはまじめな書式で彼の名前と女性の名前が並べられていた。
手の込んだギャクかと思ったがどうやら本気らしい。

・・そして当日、高校の友人と共に式場に向かう。
式が始まるまでの間、彼は忙しく面会できなかった。
特に話をすることも無く、披露宴の時間になった。

お約束の結婚式の音楽が館内に鳴り響く。
彼はホールの階段の最上段に立ち、花嫁さんと共に登場する。
立ち込めるスモークの階段をゆっくり二人で降りてくる。

高校の頃の彼ならばここで何か笑いをとってくれるだろうと期待した。
しかし彼は照れた笑顔のままゆっくりと階段を降りてきた。
もうあの頃の彼とは違うんだと思い始めるのだった。

そして披露宴は順調に執り行われていく。

今にも彼が「冗談だよ〜〜ん。」と言って半ケツをするんじゃないかと思い続けていたが、そんなことはなく式も終盤に差し掛かっていった。

そして新郎の挨拶になった。

T内「え、えっとぉ〜。・・・あの」

こっちまで緊張が伝わってくる。

T内「幸せになるぞー!てへへ、こんなんでいいでしょうか?」


「いいぞー!T内!」


「幸せになれよ!!」


会場からは暖かい言葉が二人に投げかけられる。
T内も知らない間に社会人として、そして大人の成人男性として成長したのだとしみじみ感じた。
それと同時にしゅんちも気が付けば大人になっているのだ。
嬉しさの反面、少しの寂しさもこみ上げるのだった。


そして披露宴は最後を迎え正面のスクリーンには二人の思い出の写真が次々に映し出される。
彼は終始冗談交じりな笑顔だったが、最後には涙をにじませ幸せをかみ締めていた。
BGMにはしゅんちが聞き慣れた曲が流れ出す。

その曲はなんと当時しゅんちがよくギターで弾いていた曲でとても思い出深い曲であった。
彼もその曲をかなり気に入っており何度も弾いてくれとせがまれた事を思い出すのだった。


当時の思い出を振り返りながらスクリーンを見上げる・・・



T内「おう!しゅんちさーこの曲もっかい弾いてくれよ。」

しゅんち「ん?いいよ。てかおまえに教えてやるか?」

T内「おう!教えてくれよ!」

しゅんち「いやぁ〜お前不器用だからな。多分無理だな。」

T内「なんだよ!いいから教えろや!」

しゅんち「いいかぁ・・・まずね・・・」

T内「おう・・・どうやるんだ?」

しゅんち「だぁ〜〜〜!違うって!」

T内「で、できねえよ!む、難しいんだよ!」

しゅんち「もっかいやるぞ?いいか・・・」

・・・

・・





本当におめでとう。末永くお幸せに!


act 189 気を使う着信音

最近、実に様々になった着信音。
最初は1音の電子音だったのだが、3和音4和音16和音と発展していき、ついには「着うた」。


もう凄いのかなんなのかわからなくなった。


着信音がこうもリアルになってくると、電話がかかってくるだけで周りの雰囲気を変えてしまう効力がある。
たとえばドラマなどで携帯が鳴ると、大抵が着メロではなくシンプルな電子音である事に気付く。
恐らく雰囲気を変えないようにしてあるのだと想像できる。
確かに、悲しいシーンに突然「笑点」のメロディーで大事な電話がかかってきたらどっちらけである。

着信音とはその人の趣味や人柄が垣間見れてしまう。
なので慎重に選ばなくてはならないと思われるのだ。
ちなみにしゅんちは現在の携帯は24和音であるが使っているのはシンプルな電子音を使っている。
仕事の電話で下手なメロディーだと恥ずかしいからだ。

しかし、着信音こそ凝ってはないもののメール着信音にはこだわっていた。
かの国民的キャラクター「ドラえもん」の道具を出す音、


ポケココン♪ ホンゲ〜ホンゲ〜ホンゲゲ〜〜♪(←わかりずらい)


である。
これが聞いてみると誰もが聞いたことのある音でインパクトが強い。
ある時居酒屋でちょうどこの着信音が鳴り響き、ふすまを挟んだ隣の部屋から
「キャ〜〜〜!ドラえもんの音だ〜〜!キャ〜〜!」
と黄色い声援を受けた物である。
もっと他のことで声援を受けたたいものだが。

・・ある日、しゅんちは仕事である講習会の受付をすることになった。
その会場には70名ほどの人が集まっていた。
講習会は講師が一人で説明をするために会場は結構静かである。

そんな時気をつけなくてはならないのが携帯着信音。
これを消し忘れてしまうと会場中に着メロが響き渡ってしまいかなり恥ずかしい。
しかしこれほどの人が集まるとどうしても消し忘れてしまう人がいて、静けさの中で自分の趣味の「3分クッキング」などの着メロを鳴り響かしてしまう人がでてしまうものだ。
当然しゅんちは講習会に訪れた客とは違うので人一番気を使い携帯をバイブモードにして会場に臨むのだった。

講習会が始まり会場は講師の方の説明の声だけとなった。
しかしこんな日に限って、かなり電話がかかってくるしゅんち。

バイブモードにしてあるとはいえ、その振動音もかなりの音である。
かなり気を使ったしゅんちはバイブモードを解除し、着信音を消すことにした。
これで、完全に無音となったしゅんちの携帯。これで安心である。

そして講習会は、部屋を暗くしプロジェクターによる説明に移る。
しゅんちの眠気はピークを迎えていた。

夢の世界と現実の世界を行き来しているその矢先であった。




ポケココン♪ ホンゲ〜ホンゲ〜ホンゲゲ〜〜♪



やってもうた。


どうやら、通常着信音とメール着信音は別腹。
メール音は別に設定しなければならなかったらしい。
会場中にドラえもん道具取り出し音が鳴り響く。

メーカー「しゅ、しゅんちさん!ちょっとこっちへ!」

しゅんち「え・・・あ、す、すみません。」



メーカー「今の音どこで手に入れました?」




どうやら欲しいらしい。


人の心を魅了して離さないドラえもん着信音。
この先も使っていこうと思うしゅんちであった。


act 188 電車の暇つぶし

しゅんちは東京に出張に行くことがある。
松本市から東京に行くには8時ちょうどの歌で有名な「特急あずさ」に乗って行くのである。
県庁所在地である長野市は新幹線があり、東京まで1時間半で行けるのだが


松本からは特急しかない。


東京までの所要時間は約3時間。


ということもあり出張の電車ではかなり暇なのである。

電車に乗っている人を見てみると実に様々な事をしている。
サラリーマンは自分にとって有益な情報を得るために、新聞や情報誌を読む。
学生はテストで少しでも成績が上げるために参考書を開いている。
大学生は未来ある将来の為に就職情報を読む。
そしてしゅんちは




ゲームボーイアドバンス。




いいのか社会人?と自分に聞きたい。


・・時刻は午前7:00。
いつものように特急あずさに乗り東京出張に向かうしゅんち。
乗った途端、ゲームボーイアドバンスを取り出す。

電源スイッチを入れ早速プレイ開始。
徐々に画面にのめりこみ必死になってプレイしていると、次の停車駅でドカドカと人が乗って来た。
しゅんちは慌ててゲーム機をかばんに隠す。

なぜ隠すかというと田舎の場合、平日の朝の東京行き電車というのは知り合いに会う確率が高いのである。
得意先のお客さんに出会う可能性もあるのだ。それは、さすがに恥ずかしい。

一通り客を乗せた電車は再び走り出す。
すると、どこかの重役っぽい威厳のありそうなおじさんが隣に座る。


おじさん「隣いいですかな?」


しゅんち「あ、ああ、どうぞ。」


これは非常にやりにくい状況である。
こういうおじさんが一番気になるのである。

平日の朝にネクタイにスーツの社会人がゲームボーイアドバンスなんぞやっていようものならば、風刺家ぶったおじさんは


「日本はこれだからダメになった」(講淡社)



「勉強しない社会人。崩壊する自覚。」(光学社)


「崩れ行く日本経済と若者の関係。」(宝鳥社)




こんな本でも読んでそう。


※本は実在しません。

更にどっかの講演か何かで、「先日、東京出張する際に実に嘆かわしい若者を見ました。社会人としての自覚が・・・」などと言われでもたまらない。

折角、いいところだったのにと目の上のたんこぶになったおじさんを横目でチラチラと見るしゅんち。

と、その時・・・



プシュッ



ん?



おじさん「ゴクゴク・・・ぷは〜〜ゲップ」





朝からビール。




プレイ再開。




朝から、ビールを飲む重役風サラリーマン。


朝から、ゲームボーイアドバンスの若手サラリーマン。



二人を乗せた電車はゆっくりと東京に向かう。




日本は結構平和のようです。


act 187 ETC

しゅんちの営業車にETCが付いた。

ETCとは高速道路の料金所で無線通信を使い自動的に料金の支払いを行い、料金所をノンストップで通行することができるというシステムである。
しゅんちのオンボロ営業車に不釣合いな近未来的設備である。

なぜ、ETCが付いたかと言うと、現在キャンペーンなどでETCを取り付けた際のメリットが多く企業単位で申し込むと結果的にコスト削減に結びついたからである。

3年前くらいからETC専用のゲートが出来始め、目的である渋滞解消が一般の料金所の窓口が減り逆に渋滞が増えた気がしていた。当時のしゅんちも「なんと本末転倒なシステムだ!」とそこいらにいる批評オヤジに混ざり文句を言っていたものだが





コロリ寝返り。



早く高速道路に乗りたいとワクワク胸を躍らせるのだった。

・・・ある日、ETCの機械を取り付けるべく、工場に車を持っていった。
そしてETCの機械を車内に設置するのである。
設置は20分ほどで完了した。

車内を確認してみると、カードを差し込む機械が設置されていた。
そこにクレジットカードのような高速料金支払い用のカードを差し込み準備は完了である。

本当にこれだけでいいのだろうか・・・?

不安を感じながらも仕事に向かうしゅんち。
そして、高速道路に乗る機会がやってきた。

・・時刻は夕方を向かえ、一般のゲートは混み始めていた。一方、ETC側はガラ空きである。

しゅんちは今までETCのゲートには全く縁が無いと思っていたので見てみぬフリであった。
ちょうど、レンタルビデオ屋にDVDコーナーが新しく設置されたがプレーヤーを持っていないため見てみるフリをするときの感じである。
しかし今日はいつもと違うのだ。


カードの挿す方向はあってるよねぇ・・・?


機械取り付けミスなんてことはないよねぇ・・・?


さまざまな心配を胸に渋滞している車を横目にゲートに直進。
もし、ここでゲートが開かなければかなり恥ずかしい。

20kmくらいのスピードでゲートに華麗に・・・



突っ込めない。



ノンストップで通り抜けられるというのが最大のメリットである。
ここでブレーキを踏まないことが醍醐味のはずである。
しかし、ETCビギナーしゅんち情けなくもブレーキを踏んでしまう。
すると、その瞬間・・・



ガチャ ピー



しゅんち「うおおおお!!開いた!!」


ちょうどブレーキを踏んだ場所で装置が反応し、ゲートが開かれる。
慌ててギアを2速に入れ軽やかに通り抜ける。



・・・・最高だ。



・・・この瞬間の為にETCがある。


いつもなら、一時停止をしチケットを受け取りのろのろと進入するのが常であった。
しかし、今のしゅんちにはその動作は必要ない。




さえぎるものは何もない。




ETCの便利さに酔いしれ高速をそのまま走らせるのであった。

・・・1時間くらい高速道路を運転し、会社近くのICに辿り着く。
すっかり景色も暗くなり、ネオンが見え始めていた。

今日は金曜日。
会社に帰って軽く事務仕事さえ片付けてしまえば楽しい週末が待っているのである。

しゅんち「ふー、今日の仕事も忙しかったなぁ・・・。」

ギアを3速、2速と落としエンジンブレーキを掛けながら出口に向かうしゅんち。

しゅんち「今日は家帰ったら何して遊ぼうかなぁ〜。」

そんなことを考えながらゲートへと。

係員「お疲れ様でした〜。チケットお願いします。」

しゅんち「あれ・・・?」

係員「どうしました?」

しゅんち「チケットがないぞ?

係員「え・・・?」

しゅんち「お、おっかしいな・・・。いつもならここに・・・」

入り口で受け取るチケットをいつも頭の上の「日よけ」にはさんでおくのだが見当たらない。
チケットを無くした場合、その線の最高料金を払わなくてはならないという大惨事である。

しゅんち「やべ・・・!?チケット無くしたか・・・?」




・・・・。





あ。







しゅんち「バックしまーす。」


慌ててETCゲートに向かうしゅんち。
なかなかETCに慣れないのであった・・・・。


使ってみての感想だが、やはりETCは便利である。
特に出口で威力を発揮する。

窓を開けて、チケットを渡して、お金を払って、おつりを受け取る。

この一連の動作が無くなり素通りである。
助手席の人も




仕事いらずの寝放題。



家族旅行時のお父さん泣かせの機械というわけである。
今後の車には標準装備にし、もっと普及すればかなり便利な高速道路ライフになるのではと思う。


ETCとは・・・

未来を身近に感じさせる魅惑の装置である。



高速にしょっちゅう乗ればの話だが。


act 186 大事なものは

兄「それじゃそろそろ出かけるか。」

しゅんち「おう。」


兄「あれ?俺の携帯どこにいった?


しゅんち「え?」

兄「・・・おかしいな。ちょっとしゅんち俺の携帯鳴らしてみてや。」

しゅんち「おう・・・って、あれ?」

兄「どうした?」


しゅんち「俺の携帯もないぞ?」


兄「マジで?」


ウロウロウロウロ・・・・


5分後・・・


兄「おお!あった!あった!」

しゅんち「おお!どこにあった!?」

兄「・・・しかし、なんで洗面所に置いてあったんだろうな?」

しゅんち「・・それじゃ、俺の携帯鳴らしてくれや。」

兄「おう。」


ぴりりりり・・・


しゅんち「ん?ソファの下か!なんでこんなとこにあったんだろうな?」

兄「さてと、行くぞ。」

しゅんち「あれ?ちょっとまて・・・」

兄「え?」


しゅんち「俺の財布どこいった?」


兄「なに?」

しゅんち「あれ・・・おっかしいな。」

兄「おいおい。またかよ。」

しゅんち「あれれ〜?」

兄「早くしてくれよ。」


ウロウロウロウロ・・・


5分後・・・


しゅんち「う〜ん。ないなぁ。」

兄「どこに置いたか憶えてないのか?」

しゅんち「いや、この辺に置いたと思ったんだけどなぁ〜。でもこれは兄ちゃんのだろ?」

兄「え・・・?」

しゅんち「ん?」

兄「あっ!悪ぃ。おまえのこっちか!」

しゅんち「あ!俺のだ!なんで持ってるんだよ〜!」

兄「悪ぃ。悪ぃ。だって、財布似てるんだもん。」

しゅんち「・・ったく、それじゃ行くか。」

兄「おう。」

しゅんち「あれ?」

兄「どうした?」


しゅんち「車の鍵どこに置いたっけ?」



兄「・・・またか。」

しゅんち「あれ・・・もしや車に付けたままかな!?やばい!見てくるわ!」

兄「俺は部屋ん中探してるわ。」


ウロウロウロ・・・・


5分後・・・・


しゅんち「車にもなかったしなぁ・・・。昨日帰ってきてからどうしたっけ?」

兄「う〜ん・・・ポケットから出したか?」

しゅんち「あ!そうか!昨日のズボン中だ!」

兄「おいおい。」

しゅんち「あぶねぇ〜!洗濯機に入ってたよ。」


兄「よし・・・これでいいな。出かけるぞ。」

しゅんち「おう。」

兄「あれ・・・。」

しゅんち「え?」



兄「家の鍵どこいった?」



しゅんち「・・・。」


<今日の標語>


大事なものは置く場所を決めておきましょう。


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