shunchiの極楽旅行記


第3日目最終日 AM 7:30〜

沖縄旅行最終日。
今日はお昼過ぎまでホテルのビーチで遊ぶ予定である。

一行は朝食バイキングで食事をした後、早々ビーチに向かう。
昨日は来る時間が遅くて出来なかったマリンスポーツをやる為である。
しゅんちは水着のパンツの紐を強く締め気合いを入れた。

「ビーチ入り口のおしゃれなアーチ」

早速、マリンスポーツの受付に向かう。
すると、昨日父のなくした鍵を一緒に探してくれたかっこいいお兄さんが受付に立っていた。
しゅんちが受付で名前を告げるとお兄さんは
「もちろん知ってますよ。昨日鍵をなくされたご一家ですよね。」と言わんばかりに親しげに対応してくれた。

ちょっぴり気まずい父。

人見知りの子供の様に母に隠れ気恥ずかしそうにうつむく父。

・・・マリンスポーツは主にジェットスキーで引っ張り回すタイプが多く、他のはサーフィン体験コースなど時間のかかるタイプであった。
余り時間のないしゅんち達なので、手軽に出来そうなバナナボートからやってみることにした。
バナナボートとはバナナ状の長細いボートにまたがり、ジェットスキーで引っ張り回すものである。
しゅんちはハワイで一度体験した事があるので皆に身振り手振りで説明をしてあげた。

予約の時間が来るまで一行は救命胴着とボクシングのヘッドギアのような物を着用させられる。

家族全員救命胴衣にヘッドギア。
かなりマヌケ家族。

しゅんち「ねぇねぇ兄ちゃん。この格好ってガチンコファイトクラブみたいだよね。」

兄「ぶっ そうだな(笑)」

毎週火曜夜9時からの人気番組「ガチンコ」の名物コーナー「ガチンコファイトクラブ」。
元・世界チャンピオンの竹原さんをコーチに迎え、腕自慢の不良達を集め、三ヶ月でプロボクサーに育成するという内容の番組なのである。

しゅんち「テレビじゃけん思うて殴らんとでも思うとるのか ぎゃはは」

兄「あはは」

しゅんち「その時!とんでもない出来事が!!ぎゃはは」

ガチンコファイトクラブの名台詞を口にしながらシュッシュとボクシングの真似しながら兄に歩み寄るしゅんち。
かなりうっとおしそうな兄。

すると、準備が出来たらしくインストラクターのお兄さんがしゅんち達を呼びにくる。


インストラクター「では、ファイトクラブご一行様どうぞ。


呼ばれたよ。

どうやら、しゅんち達の会話が聞こえたようである・・・。
お兄さんもしゅんちと同様、「ガチンコファイトクラブ」ファンだっただろうか?



まさに・・・
















インストラクターのお兄さんと男の友情を深めるしゅんちであった・・・。

さあ いよいよ バナナボード出発である!


AM 9:30〜

20分後・・・・



しゅんち「どうだった・・・?」

母「私は結構面白かったわ〜」

父「そうだな。スピード感があってなかなかだったぞ。」

しゅんち「うぅ〜〜〜〜ん・・・・」

しゅんちはハワイで味わった時のバナナボートと比べ、イマイチ迫力に欠けると感じるのだった。
物足りなさを感じたしゅんちはすぐさま兄を誘い、次の乗り物に挑戦する事にした。

次に挑戦するのは「チューブライディング」。
タイヤのような浮き輪の上に座りジェットスキーで引っ張り回すのである。
一人乗りなのでバナナボートよりも迫力があるのだろうか?
期待が高まるしゅんち。

まずはしゅんちからチャレンジ。
しゅんちはチューブの真ん中の穴に座り、インストラクターのお兄さんが声を掛け出発。

チューブはゆっくりとスタート。徐々にスピードを上げてゆく!


ブロロロロロロォォォォォ〜〜〜〜〜


猛スピードで水面を滑走するチューブ!
波の上でジャンプし、バウンドする!


ボヨン バシャ! ボヨン バシャ! ボヨン バシャ!


しゅんち「ひぃえぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜 ゲフッ うひぃ〜〜〜〜ガフッ ゲフッ」

臀部に激しい衝撃。
スピードがついている時の水面はまるで床のように硬い。
まさに床にしりもちを繰り返しているようなものである。

しゅんち「ぐぇぇぇぇ〜〜〜ゲフッ  どぽぉぉぉ〜〜〜 ガフッ」


かなり痛い。

さらにその衝撃でチューブの穴にみるみるめり込んでいくしゅんち。
ちょうど、様式便器の便座を降ろし忘れ、臀部が便器にはまってしまったような格好である。

しゅんち「ぎゃぁ〜〜〜〜〜〜ガフッ ひぃ〜〜〜ガフッ ゲフッ ひぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

情けない姿で引っ張り回されるしゅんちの断末魔の叫びが沖縄の海に響き渡ったのだった・・・。

「はいむるぶしビーチ」

・・・30分後。

二人はチューブライディングを終え、砂浜に二人体育座りでぽつんと座っていた。


ザザァー・・・・・ザザァーー・・・・


寄せては返す波・・・・。



しゅんち「・・・・・・。」


兄「・・・・・・。」


ザザァー・・・ ザザァー・・・


しゅんち「・・・・・・どうだっ・・・た?」


兄「・・・う、うん・・・痛かった」


しゅんち「・・・俺も・・痛かった・・・。」



兄「・・・・・・・・。」


しゅんち「・・・・・・。」



ザザァー・・・・  ザザァー・・・



しゅんち「怖かっ・・・た・・・?」



兄「うん・・・。」



しゅんち「俺も・・・。」



完全にKOの二人。



・・・しばらく休んだ後、しゅんち達はむっくり起きあがり気を取り直し軽く泳ぎ、最後のはいむるぶしビーチを楽しんだ。
そして、いよいよ小浜島から帰る時がやってくるのだった・・・。


PM 2:00〜

一行は海から上がった後、ホテルのレストランで昼食を食べた後、石垣島行きのフェリーに乗り小浜島に別れを告げる。
この後は石垣市内でおみやげなどを買った後、6時の飛行機で大阪に行く予定である。

しゅんちは石垣島で買いたい物があった。

「福本酒店前」

しゅんち「俺さ〜会社の先輩のおみやげに泡盛買ってかなきゃいけないんだよね。」

兄「へぇ〜。」

しゅんち「餞別も貰ってるからさ、買ってかないわけにいかないんだよ。」

母「あら、餞別もらっちゃったの?それは買っていかなきゃねぇ。」

兄「で?いくら貰ったの?」


しゅんち「2000円。」


兄「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

母「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


兄「おまえ・・・それ餞別じゃなくて、泡盛の代金じゃねえか?」

しゅんち「え・・・・。」

餞別じゃなかったのね・・・。

(餞別・・・旅行などの別れに対して金品を贈ること。)

兄「そうだな・・・沖縄にお使いを頼まれたようなもんだな。」

しゅんち沖縄ではじめてのお使い。

「石垣島市内」

・・その後、しゅんちと母は石垣市内でおみやげを買うことにした。
現実派の父と兄はどうやら沖縄の珍味「シャコ貝」を食べに行ったらしい。

しゅんちは泡盛の他に、シーサーの置物や小物などを買った。
こまごまと買い物するしゅんちを見て、母は「まるで娘が出来たようだ」と喜んでいた。

こうして買い物を済ませ、皆と合流し、空港に向かった。


PM 5:00〜

「大阪行きの飛行機」

一行は待合室で最後のオリオンビールを名残惜しく呑んだ後、飛行機に乗り込むのだった。

いよいよ沖縄を後にする瞬間である。
しゅんちはなんだか寂しい気持ちになるのだった・・・。
飛行機の窓から沖縄の空を眺めて感慨にふけるしゅんち。

すると横に座っていた兄と母の会話が聞こえてくる。

母「お兄ちゃん見てこの新聞。」

兄「琉球新聞?」

母「長野で言うと信濃毎日新聞みたいなものよねぇ。」

そういうと二人は窓の外を眺めているしゅんちを尻目にガサゴソと興味深げに新聞を読み始める。

母「ふーむ、6人逮捕ねぇ・・・。ん!?ねえ!お兄ちゃんちょっとこれ見て!」

兄「ん?」

母「最初の日に見た「具志堅用高記念館」の宣伝がトップにでてるわ!」

兄「ええええ?」

母「いやぁ・・・新聞のトップに宣伝が載るなんてよっぽど有名なのね、あの記念館。」



兄「・・・・・・・・・。」





兄「母さん・・・・。よく見てよ・・・。」

母「え・・・・?」








兄「具志川記念病院じゃねえか。」



「具志」と「記念」が見えただけで具志堅用高記念館と言い切った母。
やはり適当。

その会話でしゅんちの気分も台無しである・・・。

「飛行機から見える夕日」※兄撮影

・・・飛行機は無事に飛び立ち、沖縄から徐々に遠ざかっていった。
窓から見える夕日に照らされた島を見ながらしゅんちは沖縄の事を考えていた。

気候も文化も日本であって日本でないような場所。
ここはある意味、別の国だったのだろうか・・・。

浜辺で眺めた満天の星空・・・。

エメラルドグリーンの海・・・。

プールサイドで寝そべったハンモック・・・。

不思議だが美味しかった琉球料理・・・。

数々の思い出が頭の中を駆けめぐる。

そして、今回の旅は特に人との繋がりがあった。

島のよさを伝えようと一生懸命ガイドしてくれたタクシーのおばさん。
親身に接客してくれた「はいむるぶし」のスタッフの皆さん。
家族のように暖かく声を掛けてくれたおばさん。

島の人達は皆とても暖かかった。
そして何より誰もが「沖縄」を愛していた。

なにか強いパワーをもらった気がした3日間であった。

しゅんち「沖縄・・・か・・・。」

しゅんちはそんな思いを巡らせているうちにいつしか眠りにつくのだった。
街並みで聞こえてきたあの曲を思い出しながら・・・。





島唄よ風に乗り 鳥と共に 海を渡れ


島唄よ風に乗り 届けておくれ 私の涙


海よ宇宙よ 神よ命よ このまま永久に 夕凪を


島唄よ風に乗り 鳥と共に 海を渡れ


島唄よ風に乗り 届けておくれ 私の愛を・・・

song by「島唄」THE BOOM


shunchiの沖縄旅行記 完

旅行記INDEXへ

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送