shunchi極楽日記


act 225「好きな物は」

タカコと小旅行に出掛けた。
長野県というのは実に広い県で、県内に住んでいても行った事のない観光スポットが多数ある。
自称旅行好きを名乗るしゅんちにとって「地元を知らずしてどこに行く」ということで長野観光に向かうしゅんち達であった。

今回向かう先は「木曽」。
長野県の西のはずれの場所で、独特の文化を持った地域である。
松本市、長野市は東京圏であるが木曽は名古屋圏に入るので文化も漂う雰囲気も多少違う感じがするのだ。
その理由の一つに長野県内において木曽にしかないコンビニがある。

その名も「タイムリー」。

どうやら名古屋から来ているらしく、セブンイレブンよりも件数がある。
木曽という地域にがっちりと密着した印象である。
好奇心をそそられたしゅんちは思わず寄り道してみるのだった。

店内を見回してみるとなんとなく雰囲気が違う。


タカコ「あっ!コレコレ!」


急に声を上げたタカコはあるカップ麺を手に取る。


タカコ「金ちゃんヌードル!」


金ちゃんヌードルとは西日本を中心にした特定の地域でしか売っていないカップヌードルである。
しかし、その地域では知らない人はいないというほど有名で日清よりもカップスターよりも馴染みがあるという。
しゅんちも沖縄で食べたことがあり、意外なうまさに驚いたものである。

しゅんち「へぇ〜!木曽に売ってるのか!」

タカコ「でもタイムリーにしか売ってないらしいんだよね。」

しゅんち「ほうほう。」

タカコ「ヨネちゃんに買ってってあげようかな〜。」

そういうとタカコは金ちゃんヌードルを手に取る。
ヨネちゃんとはタカコの友人である。 

しゅんち「ヨネちゃんこれ好きなの?」

タカコ「うん。すごい好きで木曽に来たときは必ず買うらしいんだよね。」

しゅんち「ほうほう。」

タカコ「だから他のみんなも木曽に来たときには思わずヨネちゃんのおみやげとして買ってくんだよね。」

しゅんち「ほうほう。」



・・・まてよ。



なんてうらやましい話なんだ・・・。



「ヨネちゃんが金ちゃんヌードル」が好きという話がみんなが知っていれば・・・



その度みんながヨネちゃんに金ちゃんヌードルを買ってくる・・・?



そうか・・・!



好きな物はみんなに公表していた方が得するのか!



よし・・・


しゅんち「あのさ・・・」

タカコ「ん?」


しゅんち「実は俺も金ちゃんヌードル好きなんだ。」


タカコ「ふーん・・・。あっそ。」


だめだ!


人マネじゃだめなんだ!


インパクト不足なんだ!


まだ誰も手を挙げてないもので・・・


なにか・・・


しゅんち「あのさ・・・。」

タカコ「ん?」


しゅんち「実は俺チップスターが大好きなんだ。」


タカコ「ふーん・・・。それなら自分で近くのコンビニで買えるじゃん。」



だぁぁああ〜〜〜!!


だめだだめだ!


ちょっと珍しいものじゃなきゃだめなんだ!



やはり地域性に富んでいて・・・



かつ珍しいもので・・・



その場所に行ったら思わずしゅんちに買ってあげたくなるような・・・



ご当地物で・・・



かつ大好きなもので・・・



貰ってうれしいものといえば・・・



しゅんち「あのさ・・・」

タカコ「ん?」


しゅんち「実は俺、松坂牛が大好きなんだ。」

タカコ「無理でしょ。」




お手軽な好きな物を明確にしておこうと野望をあきらめないしゅんちであった・・・。


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