長野には「百草丸」という腹痛に効く薬がある。 その薬は黒い仁丹のような形をしていて、一回に20粒も飲むのである。
その時に必要になるのが一瞬の見極めである。 ザラザラッと蓋に薬を出して一瞬にして20粒を数えるのである。 しかし、しゅんちはそれがうまくいかない。
おっ!ちょうど20粒くらいあるな!
と思えば30粒だったりして。 市販薬なんて多少多く飲んでも平気と聞くが、なぜかそういうところだけは几帳面なしゅんちなのである。
他に一瞬の見極めが必要なところといえばコンビニ。
店員「いらっしゃいませ。」
ピッピとバーコードを読み取っていく店員。
店員「948円です。」
しゅんちは財布を取り出し、1000円札で払おうとするが一瞬の見極めで小銭入れを見る。
しゅんち「あっ!ちょっと待って下さい。ちょうどあります。」
店員「はい。ありがとうございます。」
500円が1枚・・・(残り448円)
100円が4枚・・・(残り48円)
1円が・・・
1・・・2・・・3・・・4・・・5・・・6・・・7・・・
8枚。(残り40円)
あとは10円が・・・
1・・・2・・・3枚
5円が1枚。
5円玉と10円玉見間違えた。(5円足りず)
しゅんち「す、すみません・・・やっぱり1000円で。」
店員「は、はい・・・。」
側面から見ると5円玉と10円玉が似ているので注意しなくてはならなかった。 一瞬の見極めとは難しいものである。
それから他に必要になる場所といえば自動販売機。 自動販売機は機械相手なので小銭が大量でも嫌な顔をされないのもメリットである。
よし!ここで財布を軽くするぞ!
しゅんちは10円玉で重くなった財布の小銭入れを覗く。
一瞬の見極めで間違いなく12枚以上ありそうだったので1枚ずつ投入していく。
1・・・2・・・3・・・4・・・5・・・
かなり面倒くさい。
6・・・7・・・8・・・9・・・
あと少しだ。
10・・・11・・・
5円が1枚。
ぬおおお〜まだまだ!
5円玉がもう1枚。
どわあああ〜〜いやまだ1枚ある!
10円玉が1枚。
やったあああ!危なかった!
見事12枚10円玉が揃い、最後の1枚を自販機へ。
チャリーン・・・
あれ?
チャリーン・・・
あれれ?
入れても入れても戻ってくる10円。 なぜか受け付けない。
あれ?なんでだろう・・・?
しゅんちは戻ってくる10円を確認した。
こ・・・これは・・・
ギザ10だった。
※豆知識・・・ギザ10とは側面が100円玉と同じようにギザギザが付いる10円である。 昭和26年から昭和33年までに発行された物で希少価値が高いと言われている。 が、今のしゅんちには役立たずの代物である。自動販売機はこれを10円と認識できないのだ。
・・こうして1000円札を投入し、更に小銭を増やしてしまうしゅんちであった。
一瞬の見極めとはやはり難しいものである・・・。
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