しゅんちはラジオをよく聞く。
しゅんちは車で移動することの多い営業マン。
車で出かける営業マンにとってラジオとは一番身近なメディアなのである。

ラジオというとＡＭとＦＭがある。
難しいことはわからないがどうも電波形態が違うらしい。
それによって音質が良いのはＦＭ。広域まで電波を拾えるのがＡＭ。
これだけだとよくわからないのでここでしゅんちなりにＡＭとＦＭの特徴を紹介しよう。

しゅんちは学生の頃ＡＭを良く聞いていた。目的は「オールナイトニッポン」である。
当時福山雅治がパーソナリティーをやっていて毎週夜中に布団の中にもぐりヘッドホンで聞いたものである。
それもあってかＦＭよりもＡＭの方が良いというイメージだった。
しかし会社勤めが始まり、昼間のＡＭを聞く機会が増えＡＭラジオに驚いた。

例えば、「最新の歌謡曲をお届けします！」



と言ってもかかる曲は







香田　晋「北海おとこ船」






オリコンとは無縁の世界である。

たまにまぐれで宇多田ヒカルがかかったかと油断していると次の曲は






美空ひばり「りんご追分」




平成から昭和初期へと一気にタイムスリップ気分が味わえるのである。

一方、ＦＭはというとさすがに音質の良さを生かしてか結構良い曲がかかる。
オリコンヒットチャートなんかもよくやるの嬉しい。
しかし、洋楽がよくかかるのだがほとんど知らず、洋楽ヒットチャートをやっても




一曲も知らない。



更に、パーソナリティーに帰国子女が多いのか曲名紹介をしても



英語が流暢過ぎてわからず。



自分の年齢に不安をおぼえてしまうのである。

どうも昼間のＡＭは中高年層向けになってるらしいのだ。
パーソナリティーもおじさんおばさんが多い。
届けられるハガキもＡＭとＦＭとではかなり違う。

ＦＭだと

「聞いてくださいよぉ〜。明日からテストなんですぅ〜。「がんばれ！」って励まして下さーい。」

なんてハガキが届くのだがＡＭだと


「・・夫も定年を迎え、今夫婦で庭を眺めながらのんびりとラジオをご拝聴しております。」


ハガキの重さが違うらしい。


ＡＭでしゅんちが一番に注目している番組が「テレフォン人生相談」。
パーソナリティーは中年のおじさんで様々な分野の先生方に悩みを相談してもらうのである。


パーソナリティー「もしもし？」

相談者「あぁもしもし？はじめまして・・・。」

パ「こんにちは。今日はどんな相談ですか？」

相「はい・・・。夫が浮気しまして。」

パ「えっと、奥さんの年齢と旦那さんの年齢を教えてください。」





相「はい・・・。私が５８で主人が６２です。」




度肝を抜かれた。


５０過ぎの浮気話で真昼間から車内は異空間に突入するのである。
他にも嫁姑問題やら親権問題やらと深刻な問題は続くのだが、意外に

「今のは奥さんが悪い！」

と、１人車中で叫びだしエキサイトしてしまうのだ。
これを毎日聞き続けると間違いなく考え方がオヤジ化しそうである。

ＦＭラジオで油断してはいけないポイントはリスナーへの電話である。
ＡＭだとそれなりの立場の中高年が電話に出るので安心だが、ＦＭリスナーは若者が出るのでヒヤヒヤである。


パ「ラジオネーム「ブナシメジさん」えーユウジさんこんにちわ。こんにちわ！あさっては僕の誕生日なんです。へーおめでとう！」


ＦＭのハガキは自分勝手な内容が多い。

パ「まだ早いんですが、どうしても今日おめでとうって言ってもらえませんか？ってなんででしょうね？気になるなぁ〜電話番号が書いてあるから電話してみますか！」

こうして電話をかけるパーソナリティー。

パ「もしもし？ブナシメジさん？」

リスナー「あ・・・はい。」

パ「こんにちわ〜！」

リ「はぁ。」

パ「あ、あれれ？ちょ、ちょっと元気がないなぁ〜！具合悪いのかな？」

リ「別に・・・。」

パ「と、ところでおハガキもらったんだけど、あさって誕生日なんだってね？」

リ「そうっすね・・・。」

パ「でも今日、お祝いして欲しいんだったよね？おめでとう！！」

リ「あ・・・どうも。」

パ「で、なんで今日どうしても言ってもらいたかったのかな？理由があるんじゃない？」

リ「いや、特にないです。」

パ「ま、またそんなこと言っちゃって・・・。なんかあるんでしょ？」

リ「いや・・・本当に無いです。」

パ「・・・・。」

リ「・・・・。」

パ「じゃ、じゃあ電話で言いにくければまたおハガキ下さいねー！」




微妙だ。



パーソナリティーがリスナーとのテンションの違いを必死に埋めようとする姿が見所である。



ラジオとは営業マンにとって必要不可欠なメディアなのである。