shunchi極楽日記


act 239「かなりの営業マン」

しゅんちの仕事に同行PRというものがある。
製造メーカーの営業マンに来てもらい1日得意先へ製品PRするのである。

・・ある日、メーカー営業の中島氏と同行することになった。
車中、世間話をしながら客先に向かう2人であった。

中島「俺は前の会社でさぁ・・・」

しゅんち「え・・・?前の会社って??」

フト中島氏が気になる事を言ったので突っ込んでみたしゅんち。

中島「ああ。俺さ前は○○工業にいたんだよね。」

しゅんち「へーそうなんですかー。」

中島氏は年齢的に40歳くらいだが、3年ほど前に今の会社に移ったらしい。

中島「まぁ、うちらの業界って狭いじゃん?だから辞めたって聞いたらうちに来ないかって拾ってくれるところが多くてさぁ。」

しゅんち「へーそうなんですかー。」

中島「だからごめん!先に言っとくわ。」

しゅんち「え?」

中島「俺、製品あんまり詳しくないからね。」

しゅんち「へーそうなんですかー。」



って、




マジで・・・?




一抹の不安が拭えないしゅんちであった。

・・そうこうしているうちに客先に到着。
不安を感じながらもアポを取ってあるお客さんを呼び出すのだった。

客「あっ。どうもどうも。」

しゅんち「こちら△△社の中島氏です。」

中島「どうも!いつもお世話になっております!」

こうして商談がスタートするのだった。
今回の目的は新製品PRである。

中島「うちが今度新製品出しましてね。」

客「へーそうなんですか。」

中島「これがかなり良いんですよ!」

客「ふむ。どの辺が良いんです?」

中島「どの辺?どの辺と言われましても、もう機能としてはかなりありますのでわからないくらいです。」

客「ほう。そうなんですか。」

中島「はい。かなり良いですね。」

客「・・結構売れてるんです?」

中島「・・まだ出して3ヶ月くらい経つんですが、もうかなり評判が良いですね。」

客「評判というと・・・どんな業界に良いんですか?」

中島「業界?業界は問いません!かなり色んなところで使われているので、もうね・・・わかりませんね。」

客「へぇ・・・色んなところで使われてるんですね。」

中島「はい。かなり使ってますね。」

客「それじゃあ県内の納入台数はどのくらいですか?」

中島「台数?・・そうですね台数にしましても






かなりの台数です。」








かなりすごい人だ。


全て「かなり」乗り切った中島氏。
お客さんもなんとなく中島氏の熱心さに納得してしまった様子である。

わからない事があると顔色を濁してしまうしゅんちにとって中島氏は






かなり勉強になった。



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