shunchi極楽日記


act 240「お呼ばれ結婚式」

友人の結婚式に呼ばれた。
その友人は高校の同級生とか会社の同僚というわけではなく、彼女のタカコの看護師仲間なのである。
ある時、お互いの彼氏を紹介しようと飲み会を開きその時に彼にも知り合い、以後は4人で飲みに行ったりと仲良くしてもらってたのである。

タカコと2人で披露宴会場に到着した。
まずはご祝儀を受付へ・・・






どっちだ?



新婦の友人の彼氏という立場に属するしゅんちはどちらになるのだろうか?


呼ばれたといえば新郎側だし・・・


かといって新郎側には知っている人は1人もいないし・・・。


新婦と親しいとなればなんだか怪しいし・・・。




できれば真ん中辺りに渡したい。


・・しかし、とりあえずその場は席が新婦側なので新婦へご祝儀を渡したのだった。
ご祝儀と引き換えに会場の座席表を渡されたの自分の席を確認。





周りは全て女性。






しかもほぼ看護師。


いつ倒れても大丈夫な状況なので、今日は飲んでやると意気込むしゅんちだった。

・・披露宴が始まり、会場も徐々に盛り上がり始めていた。

友人A「タカコさん、彼にお願いしてもいいかな・・・?」

タカコの横に座る女性がしゅんちに頼みごとをしてきた。
どうやら、しゅんちに新郎新婦と一緒に写真を撮って欲しいらしい。
確かに女の子には頼みにくいことだろうし、こんな時しか役に立たないので快く引き受けるのだった。

しゅんち「はいはいそれじゃもうちょっと真ん中に寄って。」

撮るからにはいちいちこだわるしゅんち。

しゅんち「はい笑って〜撮りますよ〜!はいチーズ!」

なかなかよい写真が撮れて満足である。

女の子「すみません・・・。こっちもお願いできますか?」

しゅんち「あーはいはい。いいですよー。」

しゅんちの撮影っぷりにお願いしたくなったのか、別の女性からも声がかかる。

しゅんち「撮りまーす。はいチーズ。

女の子「じゃあ、こっちのカメラでもお願いします。」

しゅんち「え・・・あ・・・はいはい」

女性A「次もお願いしまーす。」

女性B「このカメラでも撮って下さーい。」

女性C「このカメラでもお願いします。」

女性D「カメラここに置きますね。」

女性E「カメラここに置けばいいんですか?」

女性F「まだですか?」


行列ができた。


しゅんち「えっと・・・次のカメラはこっちかな。」

女性C「ちょっとっちょっと!それうちのじゃありませんよ!」

しゅんち「えっ!?あっ!?す、すみません。じゃあ、こっちですか?」

女性B「それはうちのでーす!」


イマイチ所属不明なしゅんちは完全にカメラマンと間違えられているらしい。


と、その時・・・

司会「それでは新婦様同僚の皆様により余興を披露していただきましょう!」


助かった。


こうしてカメラ攻めから開放され、安心して余興を眺めることにしたのだった。

新郎「しゅんち!しゅんち!」

しゅんち「ん?」

新郎「こっち来なよ〜!」

1人寂しくしてるしゅんちに見かねて気を使う新郎。

新郎「まあまあ、ここ座ってよ。」

しゅんち「え?ま、まずいんじゃない?新婦の席じゃん。」

新郎「いいよいいよ。今日はもう何でもアリなんだからさ。」

しゅんち「そ、そう?じゃあ遠慮なく・・・。」

新婦席からの眺めは会場が見渡せ、更にスポットライトのようなものに照らされ、なんだか舞台の上に立っているような気分であった。

しゅんち「なかなか良い気分だねー!」


支配人「お客様・・・」

黒服の支配人がしゅんちの傍らにそっとやってきた。

しゅんち「は、はい?」

支配人「こちらに座られると困りますんで。ご遠慮下さい。」

新郎「あっいやいや、俺が座ってと頼んだので。」

支配人「いえいえ、他のお客様の目がございますので。」

その時支配人の目がキラリと光ったように見えた。

しゅんち「す・・・すみません。」


すごすごと舞台から下りるしゅんち。
カットされたウエディングケーキの前でぼーっと立ち尽くすのだった。

しゅんち「ふむ。それにしてもうまそうなケーキだなぁ・・・。」

支配人「お客様・・・」

黒服の支配人がまたもやしゅんちの傍らにそっとやってきた。

支配人「こちらに立っておられますと、新婦が通る邪魔になりますので。ご遠慮下さい。」

しゅんち「す・・・すみません。」

またもや支配人の目がキラリと光ったように見えた。


どうやらしゅんちは・・・






ブラックリストに載ったらしい。


これ以上怒られてはなるまいとおとなしく自分の席に戻った。
自分の席に座っていれば怒られることもないだろう。

・・そして、会場はキャンドルサービスの時間となる。

次々に各テーブルのローソクに火が灯されているのを眺めていると

支配人「お客様・・・」

黒服の支配人がまたまたしゅんちの傍らにそっとやってきた。

支配人「もうちょっと前に座ってもらわないと新郎新婦が通る時に邪魔になりますので。ご遠慮下さい。」

しゅんち「す・・・すみません。」




だいぶ気に入られたらしい。



こうしてなんとかつまみだされる事もなく披露宴は終宴を迎えるのだった。

それにしてもこのHPがきっかけでタカコと知り合い、そしてその友達と出会い今こうして結婚式にまで出席している。
HPを作っていなければこの席にはいることはなかっただろう。
人の縁の不思議さを改めて思うしゅんちであった。



コージ君サチエさん結婚おめでとう!
末永くお幸せに!


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