会社の人達と昼飯を食べに行った。 それぞれが注文をし、物が運ばれてくる間皆で雑談で盛り上がるのだった。
A「ところで、社長の息子さんが警察官になったんだってよ。」
B「へ〜!小さかったあの息子がもうそんな歳かい!」
他人の子の成長は早いとはよく言ったもので、少し見ないうちにあっという間に大きくなっているらしい。 何年も毎日変わらない仕事をしている中高年にとっては10年くらいは一瞬の出来事なのだろう。
しゅんち「社長の息子さんいくつなんです?」
A「今年の春高校卒業したから・・・18歳かな?」
B「しっかし、警察官なんてそりゃよかったなぁ。」
A「それがさ、最初はどうも「俳優」になりたかったらしいんだよ。」
B「俳優!?そりゃ・・・また・・・」
しゅんち「へー!社長の息子さんイケメンなんすか?」
A「・・・・。」
B「・・・・。」
A「でもさ、社長の奥さんは綺麗だよね。」
B「そうそう。昔うちの会社の事務員だったんだよな。」
しゅんちの質問をはぐらかすように他の話題に移る二人。
B「しかし、社内恋愛はダメだ!って自分で言ってたのに自分で結婚しちまいやがってさ。」
A「そうそう!あれにはみんなポカーンってしたよね。」
B「物事ハキハキとしゃべって活発で美人でさ・・・・」
A「まあ、事務所内じゃ憧れの人って感じだったかなぁ。」
B「よくまあ、社長も結婚できたよなぁ〜。」
A「本当本当。」
しゅんち「で、息子さんは奥さん似なんすか?」
B「・・・・。」
しゅんち「息子の場合はお母さんに似るって言いますよね?」
A「・・・・。」
B「・・しかし、俳優なんて無茶なこと考えてたんだなぁ〜。」
A「本当だよね。」
またもや質問をはぐらかし他の話題に移る二人。
A「でもさ、俳優っていっても色々あるじゃない?」
B「色々?」
A「性格俳優とかさぁ・・・味のある役者さんとか・・・。」
B「んまぁ〜・・・でも器用そうには見えねえわなぁ。」
しゅんち「あれ・・・息子さんイケてないんですか?」
A「・・・・。」
B「・・・・。」
しゅんち「どうなんです?」
B「息子は社長にそっくりだ。」
しゅんち「・・・・・。」
暗黙の了解しました。
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