shunchi極楽日記


act 262「暗黙の了解」

会社の人達と昼飯を食べに行った。
それぞれが注文をし、物が運ばれてくる間皆で雑談で盛り上がるのだった。

A「ところで、社長の息子さんが警察官になったんだってよ。」

B「へ〜!小さかったあの息子がもうそんな歳かい!」

他人の子の成長は早いとはよく言ったもので、少し見ないうちにあっという間に大きくなっているらしい。
何年も毎日変わらない仕事をしている中高年にとっては10年くらいは一瞬の出来事なのだろう。

しゅんち「社長の息子さんいくつなんです?」

A「今年の春高校卒業したから・・・18歳かな?」

B「しっかし、警察官なんてそりゃよかったなぁ。」

A「それがさ、最初はどうも「俳優」になりたかったらしいんだよ。」

B「俳優!?そりゃ・・・また・・・」


しゅんち「へー!社長の息子さんイケメンなんすか?」


A「・・・・。」


B「・・・・。」


A「でもさ、社長の奥さんは綺麗だよね。」

B「そうそう。昔うちの会社の事務員だったんだよな。」

しゅんちの質問をはぐらかすように他の話題に移る二人。

B「しかし、社内恋愛はダメだ!って自分で言ってたのに自分で結婚しちまいやがってさ。」

A「そうそう!あれにはみんなポカーンってしたよね。」

B「物事ハキハキとしゃべって活発で美人でさ・・・・」

A「まあ、事務所内じゃ憧れの人って感じだったかなぁ。」

B「よくまあ、社長も結婚できたよなぁ〜。」

A「本当本当。」

しゅんち「で、息子さんは奥さん似なんすか?」


B「・・・・。」


しゅんち「息子の場合はお母さんに似るって言いますよね?」


A「・・・・。」


B「・・しかし、俳優なんて無茶なこと考えてたんだなぁ〜。」

A「本当だよね。」

またもや質問をはぐらかし他の話題に移る二人。

A「でもさ、俳優っていっても色々あるじゃない?」

B「色々?」

A「性格俳優とかさぁ・・・味のある役者さんとか・・・。」

B「んまぁ〜・・・でも器用そうには見えねえわなぁ。」

しゅんち「あれ・・・息子さんイケてないんですか?」


A「・・・・。」


B「・・・・。」


しゅんち「どうなんです?」





B「息子は社長にそっくりだ。」



しゅんち「・・・・・。」







暗黙の了解しました。


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