shunchi極楽日記


act 273「久しぶりの部長」

ある日、得意先へ仕事に行くと廊下で声をかけられた。

部長「いやいや、懐かしい人がいるじゃない。」

廊下でバッタリ部長に遭遇。
その部長はしゅんちの仕事とはあまり取引の少ない部署で、昔ちょっとだけお世話になったのである。

しゅんち「やや!部長久しぶりです!」

部長「最近あんまり見かけないから、他の業者にしちゃおうかと思ってたよ。がはは」

しゅんち「い、いやいや、そう言わずに・・・」

この手の人種は冷や汗が出るような社交辞令が大好きである。

部長「あ・・・そうだ。ちょうどいいな。」

しゅんち「え、なにか?」

部長「ちょっと欲しい物があるんだけどさ。」

しゅんち「は、はい!ありがとうございます。」

部長「他の業者の半分くらい安くしてね。がははは」

しゅんち「い、いやぁ・・・がんばります。あはは・・・」

そういいながら部長の欲しいものをメモするしゅんち。

部長「それでさ、注文者は俺の名前にしといて。」

しゅんち「あ・・・はい!部長の名前ですね。」




部長の名前・・・





名前・・・・





・・・・






名前なんだっけ?



部長であることは憶えていたが、名前まではすっかり忘れてしまったしゅんち。
もしも、この手の人に名前を聞こうものならば

「俺の名前を知らないだぁ!?あ”あ”?」

と無礼者呼ばわりされるのは火を見るより明らかである。

しゅんち「ぶ、部長のお名前ですねぇ〜・・・。」

メモを取るフリをして横目で胸元に名札が無いか必死に探してみるしゅんち。
しかし、名札らしきものは見当たらない。

しゅんち「えっと・・・しょ、商品はこれでよかったかなぁ・・・。」

今度は部屋にヒントが無いか見回してみる。
何かの当番表に名前はあるもののどれが部長の名前だったかまるで思い出せない。

あまりキョロキョロしていると挙動不審に思われるので今度は話術で聞き出してみようと試みる。

しゅんち「え、えーっと、部長さんの部署は前と一緒ですかね。」

部長「あぁ?俺は前と変わらんよ。」

しゅんち「あ・・・そうですか。」


もう必死です。


しゅんち「あっ・・・久しぶりなんで名刺をもう一度渡しときますね。」

名刺を出されれば条件反射的に名刺を返してくれる人は結構多い。

部長「んん?ああ、受け取っとくよ。」

しゅんち「・・・・。」



例外だった。



しゅんち「えっと・・・部長は前と何か変わってないですよね?」




名刺を催促。





部長「俺?俺は前と一緒一緒。」





一蹴。


どうしても名刺をもらえない・・・。

部長「じゃあ!注文よろしくね!」

しゅんち「あ・・・は、はい。かしこまりました!」


どどどどないしよぉおおおぉお〜〜・・・。


事務員「内村部長〜お電話です。」

部長「おっ!わかったー。」



助かった。






偉い人の名前は憶えておくべきである。(あたりまえ)


NEXT≫
≪BACK
INDEX

アクセス解析

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送