小学生に会った。 夏休み中の小学生に会うとついつい聞いてしまうことがある。
「宿題やった?」
夏休みの宿題は膨大にあるのだが、どのようにこなすのか人それぞれである。
・夏休みの最初の数日間に一気に終わらせるタイプ。
・最後までやらずに最終日に地獄を見るタイプ
しゅんち少年は言うまでもなく地獄コースである。
しゅんち少年も初日に一気にやってしまい夏休み中は左うちわで過ごしたいと思ってはいた。 確かに初日は結構やるのだが
「最初の日に結構がんばったから大丈夫。」
と、うさぎと亀の原理で夏休みの真ん中は何もやらないというのがパターンである。 毎年最終日近くなると、とっくに宿題を終わらせた優等生の兄に「集中しろ」「机から離れるな」「目をそらすな」と励まされながら泣きべそで机に向かうしゅんち少年であった。
宿題といえば問題集はまだいいが日記が大変である。 記憶の糸を辿りよせながら数週間の出来事を振り返るのである。 更に一番厄介なのが天気である。 記憶力の良い子供とはいえ天気ばかりは覚えてないので、近所の毎日日記を書いている奇跡的な友達に見せてもらうのである。 今考えると、日記をチェックする先生が天気の欄まで見るわけないのと思うのだが、さすがは子供。変なところはマジメである。
そして、最大の宿題といえば自由研究。 しゅんちはこれが苦手である。
「自由」というのがまず曖昧である。 研究テーマを大学の教授クラスの題材にしてしまったらどうするのであろう? かくいう偏屈なしゅんち少年の研究テーマはとても壮大であった。
<研究テーマ>
「おしっこは避けるべきであろうか?」
<動機>
寒いところでおしっこをすると湯気が立つ。 その湯気は真上に上がり顔まで届きそうである。 さて、その湯気は避けるべきかどうか。
<方法>
色々な物を沸騰させ、出てくる湯気の成分を調べる。
・お茶
・ジュース
・水
・しょう油
・めんつゆ
これらをやかん入れ、コンロにかける。 そして成分を調べる方法は・・・
方法は・・・
・・・・
・・
頓挫。
子供の扱える器具で湯気の成分を調べるほどの高度な物はないのである。
というわけで、小学生らしい無難なテーマを探さなくてはならないのであった。 そして、知りたくもない雲の形を調べたり、好きじゃない虫の研究をするしゅんち少年であった・・・。
夏休みの宿題・・・
それは人生で立ちはだかる最初の試練である。
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