shunchi極楽日記


act 282「力仕事」

課長「金曜日、重いの運ぶんだけど誰か手伝えない?」


ある日、課長が皆に助けを呼んだ。
普通は運送屋に頼る仕事なのだが価格競争が激化する中、予算が足りなくなり仕方なく自前で運ぶ事にたまにあるのだ。
こういう時はもちろん若手は率先して・・・いや


強制参加である。



課長「いや〜価格が厳しくてさ〜4人くらいなら運べると思うんだけど。」

しゅんち「は、はい・・・で、どのくらいの重さですか?」

課長「170kgくらいかな。」

しゅんち「・・・げっ!」

課長「エレベーター無いところね。」

しゅんち「ぬはっ・・・!」

課長「階段で4階までね。」

しゅんち「ぶほっ・・・!」


重いことを軽く言ってくれますよこの方は。


・・こうして青ざめる思いで現場に向かうしゅんちであった。

現場には4人駆けつけた。
頭割りすると・・・



170÷4=42.5kg チーン



42.5kgといったらどのくらいの重さだろうか・・・?

瓶ビール1ケースが約14kgくらいらしい。
42.5kgはビールケース3箱の計算である。


<シミュレーション中>


酒屋でバイトをした。


配達を頼まれ、行き先はアパート。


内容は瓶ビールケースを3箱配達。


時間もないので一度に3箱重ねて運ばなくてはならない。



しかもその部屋は4階



エレベーター無し





死ぬなこれは。


入り口であーでもないこーでもないと騒いでいるとお客がやってきた。

お客「・・お手伝いしましょうか?」

課長「え!本当ですか!?」

お客「あと、もう2人呼びましたので。」

課長「おお!ありがとうございます!」

意外な展開に思わずほくそえむしゅんち。
3人の援軍により、戦況は著しく好転した。

これで7人になった。
一人当たりの重さは・・・


170÷7=24.2kg


これは楽勝か!?


課長「みなさ〜〜ん!行きますよ!」

しゅんち「はい!」

課長「せ〜〜〜の!!」


掛け声と共に持ち上がる荷物。


課長「わっせ!わっせ!くぅぅうううう重いぃぃ!!」

M「だ、大丈夫ですかぁ〜〜〜!?手を挟まないで下さいよぉ!!」

O「ぐおおおおお!!き、きついぃ!!」

学生A「ぜはぜは」

しゅんち「・・・・。」

課長「わっせ!わっせ!わっせ!」

M「お、重くないですかぁああ〜〜!!大丈夫ですかぁ〜!」

O「くうぅ〜〜〜〜!!」

しゅんち「・・・。」


みょ・・・




妙に軽いなぁ・・・。


しゅんちは一応持っているものの妙に軽い。
恐らく、重さがしゅんちのところに来ていないのだろう。
しかし、ここで楽な顔をしていたらまずい。
一番重いポジションに人事異動は免れぬだろう。

そこで・・・

しゅんち「わ、わっせ!わっせ!」


演技してみた。


しゅんち「お、重いっすね〜!」


言葉は軽い。


課長「きゅ、休憩〜〜!」

O「くぅ〜〜〜!!きっついなぁ!」

しゅんち「い、いや〜〜こ、これは大変ですねぇ〜」

しゅんち好演中。

M「ふーっ!暑い!暑い!」

しゅんちはこっそりと皆の顔色を伺う。
O氏は額に大粒の汗をかいている。
恐らく本当に重いのだろう。
しかし、その疲れっぷりからは40kgくらいは持っていそうだ。


まてよ・・・

しゅんちが持ってる部分が仮に10kg程度だとしよう。

すると残り160kgを6人で持っている事になる。
本当に重い人が5人いたとしても、もう1人くらいは軽いに違いない。



他にも誰か演技しているぞ・・・。



しゅんちは演技続けながら共犯者を探してみる。

課長「いや〜〜〜!きついけどこれはいけるな!」

O「う〜〜ん。腰が大丈夫かな?」

M「一気にやっちゃいましょ!」

お客A「これはきついですね。」

お客B「ぜはぜは・・・。」

お客C「暑いですね〜。」



犯人は誰だ・・・?(しゅんち以外に)


・・と、考えている間に終了。
結局、共犯者は見つからなかった。
誰かは知らないがしゅんち以上に名役者である。


社会を生き抜くのは演技も大切であることを知ったしゅんちであった。


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