shunchi極楽日記


act 288「一度は言ってみたい台詞」

ある日、タカコと2人で駅前に飲みに行った。
その帰り、気分が良くなったしゅんちは松本城に向かう。
夜に行くとライトアップされていて綺麗なのだ。
缶ビールを買い2次会は松本城のベンチである。

松本城を眺め、しばらく飲んでいると何やら女の子2人がやってきた。

女A「大丈夫・・・?」

女B「う・・・ううん・・・」

その1人がその場にうずくまる。

女A「へ、平気?」

女B「ご・・・ごめんね・・・。」

女A「ど、どうしよう・・・。」


2人の姿に気付いたしゅんちはタカコに話しかける。

しゅんち「ねぇ・・・なんか様子が変だよ。」

タカコ「ん?どしたの?」

しゅんち「ほら、あの女の子。大丈夫かな・・・。」

タカコ「ん?ああ・・・飲みすぎちゃったのかねぇ。」


なんとも落ち着いた対応。


ん・・・


まてよ・・・



そうか!タカコは看護師さんだった!


しゅんち「タカコ!今こそ特技を生かすときじゃねえか!!」

タカコ「え・・・えぇ?特技でもなんでもないんだけど・・・。」

しゅんち「看護の時が来た!」

タカコ「な・・・なにそれ・・・。」

いつもなら見てみぬフリという展開だが、今回は大船に乗ったつもりで2人に声を掛けるしゅんち。

しゅんち「ど、どうしました?」

女A「あっ・・・なんか飲みすぎちゃったみたいで・・・。」

女B「す、すみません・・・。」

タカコ「意識はあります・・・?」

女B「は・・・は、はい・・・。」

タカコ「意識あるなら大丈夫かな。」

女A「おろおろ」

しゅんち「おろおろ」


タカコ「水とか飲んだほうがいいかな・・・?」

しゅんち「か、買ってこようか・・・?」

タカコ「うん。お願いします。」

しゅんち「りょ、了解!」

そういうと猛烈ダッシュで自販機に向かうしゅんち。



水・・・



水・・・



お金を入れて水を買おうとするしゅんち。



水・・・



水売り切れ。


お茶でもいいのかな・・・?

よくわからずとりあえず爽健美茶を購入。
爽やかに健康になりそうな響きに賭けてみよう。

爽健美茶のペットボトルを抱え現場に戻る。

タカコは女の子をベンチに座らせていた。
お茶を手渡すしゅんち。
タカコは爽健美茶をゆっくり飲ませ声を掛ける。

タカコ「とりあえずこれ飲んで下さいね。」

女B「あ・・ありがとう・・ご・・ございます・・・。」

女A「す、すみませんでしたっ!」

タカコ「それじゃ・・・私たちはこれで・・・。」


女A「あのっ!」


タカコ「あ、はい?」



女A「お名前は・・・?」




タカコ「え・・・。」




しゅんち「な、名乗るほどの者じゃありません。」







言っちゃった。






人生で一度は言ってみたい台詞である。


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