shunchi極楽日記


act 299「癖」

人にはそれぞれ癖というものがある。
本人は普通にしているつもりでも気が付いたらやってしまっているのである。
しゅんちも口癖やしぐさで変な癖をいくつか持っており、身近な人にマネされからかわれたものである。

そんな癖であるが、特に年配の方に変な癖が多いような気がする。
恐らく、長年に渡って繰り返された癖に磨きがかかり、遠慮が無くなり、むしろそれをやらなくては気が済まないという域に達しているのだろう。
しゅんちの会社にも突然手を大きく叩くという心臓に悪い癖を持ったおじさんも普通にいるのである。

しゅんちの親戚に「ケンおじ」という叔父がいる。
数々の奇行で周りを爆笑の渦に巻き込んできた伝説の叔父である。
そんなケンおじも変な癖を色々持っていた。



「紅茶伝説」



朝食といえばトーストと紅茶である。
ケンおじの妻であるナミおばの趣味は紅茶である。
ティーバックなど使わずに茶葉から本格的な器具で紅茶をいれるのである。
そんなナミおばのこだわりの一杯に




トーストをダイブさせる。




英国限定茶葉でいれたプレミアムティーに




バターの油がプカプカ。


トーストを紅茶につけてジャボジャボにして食べる癖があるのだ。
子供の頃のしゅんちはその姿に憧れ、真似してみたところ母に真っ先に止められたものである。



「いただきます伝説」



食卓に並べられたおかずたち。
食べる前にどうしても気になるのか、



必ず匂いを嗅ぐ。



特にご飯の匂いが気になるのか入念にお茶碗を嗅ぐ。
そして「いただきます」の合図の時には既に




おでこにご飯粒。




ホッペではなくおでこにご飯粒をつける辺りが芸達者である。
これはしゅんちも何度か生で確認している。




「指パッチン伝説」



ケン叔父は集中したり、興奮したりすると指を鳴らす癖がある。
本人も無意識に鳴らしている為、自覚症状がないらしい。

ケン叔父が通勤バスに乗っていた時の事である。
いつも女子高生がペチャクチャとうるさいのが気になっていた。
そして、その1人が携帯電話で更にうるさくしゃべりだした。
さすがに気になったケン叔父は「今日こそは・・・」と気合を入れ、一言いってやろうと身をせり出したその時・・・


運転手「え〜毎度ご乗車ありがとうございます。」


車内放送が響く。


運転手「誠に申し訳ございませんが、車内での携帯電話のご使用はご遠慮下さい。」


ケン叔父「(おっしゃあ!!よく言った運転手!)」

しぶしぶ携帯をしまう女子高生。
心の中で拍手を贈るケン叔父。

運転手「えーそれから・・・」

ケン叔父「(ん?)」



運転手「車内での指パッチンもおやめ下さい。」



ケン叔父「(なんやそれ・・・?)」


フト自分の右手を見て驚愕。



パッチン パッチン パッチン



ケン叔父「(これかあぁあああああ〜〜!!)」



癖・・・。
それはどうしても止められないものである。


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