shunchi極楽日記


act 298「電話の行方」

仕事でメールが普及したとはいえ、電話はまだまだ使われる通信手段である。
初めての相手だったり、大事な話だったりする場合はやはり肉声で話すということが重要なのである。
しかし、その電話もうまく使わないと大変な事になるのだ・・・。


しゅんちは新しい取引先に電話することになった。
担当者も部署もわからない状態である。

プルルル・・・

受付嬢「はい。○○商事です。」

しゅんち「あっ・・・あの△△社のしゅんちと申しますが新製品を紹介して欲しいんですが・・・。」

こうして目的の部署に電話を繋いでもらうのである。

受付嬢「少々お待ち下さい・・・。」


ピンポロロンポン〜♪ピンポロロンポン〜♪


受話器から流れてくるメヌエットに合わせて鼻歌を歌うしゅんち。


受付嬢「あっ・・・もしもし?」

しゅんち「ん〜♪・・あっ!!は、はいっ!」


鼻歌を聴かれると妙に恥ずかしいものである。


受付嬢「もう少々お待ち下さい。」

しゅんち「は・・はい。」


たまにフェイントをかけることがある。



ピンポロロンポン〜♪ピンポロロンポン〜♪


そして2分経過・・・


男性「はい!○○商事です!」

しゅんち「あ、もしもし。△△社のしゅんちと申します。」

男性「はい・・?何か・・・?」

しゅんち「えっと・・・担当部署の方ですか?」

男性「え?担当・・・?」

しゅんち「いや・・・新製品の紹介をして欲しいんですが・・・。」

男性「あっ・・・すみません。少々お待ち下さい。」


電話を取り間違えたらしい。


そして更に2分経過・・・


受付嬢「あ、もしもし。」

しゅんち「はいはい。」

受付嬢「ただいま担当部署がわかりましたのでそちらに回します。」

しゅんち「は、はい。お願いします・・・。」


ガチャッ



・・・




プープープープー・・・



切れた。


どうらや保留ボタン押しそびれたらしい。


・・気を取り直して再び電話するしゅんち。


プルルル・・・

男性「はい!○○商事です!」

しゅんち「え・・・えっと、今電話切られちゃったんですが・・・。」

男性「は?ちょっとお待ち下さい。」


ピンポロロンポン〜♪ピンポロロンポン〜♪


受付嬢「あ、も、もしもし?」

しゅんち「先ほど電話した者ですが、切れちゃって・・・。」

受付嬢「ああ!すみませんでした!それでは担当部署に回しますので・・・」


ピンポロロンポン〜♪ピンポロロンポン〜♪


そして更に更に2分後・・・


受付嬢「はい!××課です!」

しゅんち「○○社のしゅんちと申します。」

受付嬢「はい?えっと・・・どんなご用件でしょうか?」

しゅんち「あの、新製品の紹介をして欲しいんですが。」

受付嬢「新製品ですね。では、少々お待ち下さい。」



少々どころかかなり待ってるんですが。


ピンポロロンポン〜♪ピンポロロンポン〜♪


更に更に更に2分後・・・


男性「はい、お電話変わりました。」

しゅんち「○○社のしゅんちです。」

男性「はい、お世話になります。」

しゅんち「・・・。」

男性「・・・・。」

しゅんち「・・・あの」

男性「はい?何か?」




点火。




しゅんち「新製品の紹介をして欲しいんですが(怒)」

男性「あ、はい。新製品ですね。」

しゅんち「は、はい・・・。」

男性「それでは新製品担当の者がおりますので少々お待ち下さい。」


ムキ〜〜〜〜〜ッ!!(怒)


しゅんちの怒りとは裏腹に爽やかな曲が流れる・・・。


ピンポロロンポン〜♪ピンポロロンポン〜♪


更に更に更に更に2分経過・・・


男性「あっ もしもし!」

しゅんち「あ!○○社の・・・」

男性「申し訳ございません。担当は今日お休みを頂いておりまして・・・」



た・・・



担当者が電話にでんわ。(もうやけくそ)



電話とはうまく使わないと大変な物である。



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