長野県でFMを聞く人ならば知らぬ人はいないといわれるほど人気なラジオパーソナリティー「三四六」。
6年ほど前からFM長野で「346グルーブフライデー」という番組が始まった。
その番組は地元のリスナーから絶大な支持を得て一気に人気番組となる。
更に、その番組企画で曲を発表。
すると、それまた人気となり県内限定で次々にシングル、アルバムを発売。
県内発売だけというのにオリコンにランクインという快挙を達成。
今では3rdアルバムを出すほどに。
その曲を引っさげて、長野県内各地でライブも開催。
今やテレビにも出演し、長野県のありとあらゆる行事に引張りだこで、まさに長野県の顔となっているのだ。
父曰く、これほどまでに地元に密着し、活躍するタレントも珍しいらしい。
しゅんちも彼のライブに行き、CDまで買ってしまうファンぶりなのだ。
「三四六」とはまさに長野県のローカルヒーローなのである。
・・ある日、しゅんち夫婦はテニスをしに長野市の実家に帰った。
テニスの帰り、折角なのでみんなでスーパー銭湯に行くことにしたのだった。
父「ああ、そうそう!しゅんちに話したいことあったんだった。」
しゅんち「ん?なになに?」
父「この前もここのスーパー銭湯に行ったんだよな。」
しゅんち「ほうほう。」
父「そしたらな、なーんかどっかで会った事あるような人がいたんだよ。」
しゅんち「おお?」
父「背はわりと低めでさ・・・誰だっけ?って思ってさ。で、やっと思い出したんだよ。」
しゅんち「誰?」
父「三四六だったんだよ!」
しゅんち「うわ〜〜〜!!すげぇえ〜〜〜!!」
伝わるかな県外の読者に。
父「そしたら母ちゃんが興奮して飛んでって話しかけるんだよ。」
しゅんち「うわ・・・。なんて?」
こういうときの母は臆することなく飛び出すタイプなのである。
まさに中高年のおばさんの基本形である。
母「三ちゃんですか?って聞いたら「中高年がこんな時間に何してるの?不良中高年だなぁ〜。」って言われちゃったのよ!」
しゅんち「うわはは 間違いないそのコメントは本人だ!」
母「それから横にいる人に「村上さんですか!?」って聞いたら「・・・はい。そうです。」って答えてくれたのよ!」
村上さんとは三四六の番組プロデューサーである。
更に三四六の曲の作曲をしているギタリストでもある。
母「本当、興奮したわよ!」
興奮のままそんな話をしているうちにスーパー銭湯に到着。
チケットを買い、待ち合わせ時間を決め、父と2人男風呂へと向かう。
トイレに行った後、いそいそと服を脱ぎはじめるしゅんち。
パンツを下ろそうとした瞬間、フト横に居る人が気になった。
しゅんち「・・・あれ?」
・・・
・・・
さ、三四六が居たぁあああぁあああああ〜〜〜!!!!
半径2m以内に三四六を普通に発見。
しゅんち「と、と、と・・・父ちゃん・・・」
脱ぎかけのパンツのゴムを引っ張りながらこっそり父に話しかけるしゅんち。
父「ん?どした?」
しゅんち「さ・・・三ちゃんがいるよ。」
父「うぇ!?ほ、本当だな・・・じゃあ、先入ってるわ・・・。」
父はなぜか逃げるようにしてそそくさと風呂に向かう。
1人パンツを下ろしきれずにたたずむしゅんち。
全く身動きがとれない。
ど・・・ど・・・どうしよう!?
ま・・・マジでいるとは思わなんだ・・・。
しかし周りの人達は誰も気付いていない様子である。
誰も気にかけることなく脱いだり、着たり、拭いたり。
三四六は男らしくバスタオルでガシガシと頭を拭くと、下着を取り出していた。
周りのことなど全く気にしない普通の様子だった。
さ・・・サインくらいもらった方が?
いやいや裸の俺のどこにサインをしろと?
背中に書いてもらい、このあと親子のコミニュケーションの中で洗い流してしまいやしないかと。
じゃあ、握手か!?
いやいや、仮に握手をしてもらい「一生手を洗いません!」といってくせにすぐさま風呂場に行くのはいかがなものかと。
じゃあ、せめて声をかけるくらいなら・・・
いやまてよ・・・
パンツを脱ぎかけた男と
パンツを履きかけた男が
一体何をどうしろというのだ?
・・結局、そもそも最初から話しかける勇気などない事に気付くしゅんち。
見てみぬフリで風呂場に逃げ込むしかないのであった。
後から知ったことなのだが、彼はサウナ好きで市内のスーパー銭湯によく出没するらしい。
ラジオで「サウナでファンに話しかけられちゃってフルチントークしちゃってさー」なんていう話もよく言っているらしい。
次回は声くらいかけれたらいいな・・・と野望を燃やすしゅんちであった。
それにしても・・・
伝わるかな県外の読者に。(2回目)
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