shunchi極楽日記


act 326「セルフスタンド」

最近のガソリンスタンドはセルフが多くなった。
やはりガソリン高騰のおかげが少しでも安く給油したいという人が増えたからなのだろうか。

実のところしゅんちはセルフはあまり好きではない。
なんとなく爆発するんじゃないかという不安と、窓を拭いてくれないという理由だからである。
しかし、行きつけのスタンドがセルフになってしまったので、自分でやらざるを得ない状況になってしまったのだった。

・・ある夜、ガソリンが残り少なくなったのでいつものスタンドへ向かうしゅんち。
最近ここもセルフになってしまったのだった。

まるで深夜のドライブインのようひと気が無い割りに不気味に明るいのがセルフの特徴である。
不安げに車を枠に停めると、不安げに車を降りるしゅんち。

販売機の前で手順書を読みながらカードを差し込む。
そして「満タン」ボタンをポチッ。
機械的な女性の声のアナウンスががらんとした空間に響き渡る。

機械女性の指示に従い、静電気除去シートに触れ、燃料油キャップを空ける。
ふたを開けたときのプシューという音がちょっとびびる
そしてレギュラーと書かれたノズルを恐る恐る給油口に突っ込み、トリガーを引く。
じょぼじょぼとガソリンが注入され、メーターをドキドキしながら見るしゅんち。

入れ始めてからも不安になり、再びレギュラーかどうか念入りにチェック。よし。大丈夫だ。
本当に自動に止まってくれるのかも不安である。



ジョボボボ・・・・ ガコンッ



36.89L



見事自動停止!(あたりまえ)


この後、数字を37.00のキリのいい数字に微調整するのがこだわりである。
不安な割りにこだわるところはこだわるしゅんち。

こうして給油が完了し、ノズルを戻し給油キャップを・・・

と、その時画面にスロットゲームが始まった。
どうやら、当たると何らかの景品が当たるらしい・・・!
思わず振り返るしゅんち。

チャラチャラと気持ちを煽る音楽が寂しい空間に不気味に響き渡る。
画面にもう釘付けである。




・・・ピロッ





77・・・ピロロッ


リーーチ!!



うをっ!!リーチかかった!!


でもまて・・・
結局はずれるっていうオチじゃないのか・・・?

こういうスロットは劇的な展開になりながらも結局はずれるというのがお約束である。
ダイドーの関西弁をしゃべる自動販売機で嫌というほど体験済みである。




776 ピタッ



ほらね。

なーんだと立ち去ろうとした瞬間・・・


ピロッ


ん・・・?



777 シャキーン



あ・・・あた・・・あたあた当っあたたっちゃちゃっちゃっちゃったぁあああああ〜〜〜!

しゅんちは感極まり思わず飛び上がる。

で、で、で、商品はなんだ!?



「ガソリン1L辺り2円割引!」



2円・・・



2円×37L=74円チーン




微妙・・・。


かなりはしゃいでみたものの大したことのない商品である。
折角の運を無駄遣いしたような気分に釈然としないまま帰路に着くしゅんちであった。

翌日・・・

会社の先輩に昨日のスロットゲームの話をするしゅんち。

先輩「なんだか微妙な大当たりだねぇ〜。」

しゅ「そうなんですよ〜・・・。今回の給油無料!とかだったら面白いと思うんですけど・・・。」

先輩「まあ、170円が168円になったと思えば得した気分なんじゃない?」

しゅ「まあ、そうっすねぇ・・・。」

するとそこへ会社の後輩が駆け寄ってくる。

後輩「しゅ、しゅんちさん!!」

しゅ「ん?どした?」


後輩「きゅ・・・きゅ・・・」


しゅ「きゅ?」





後輩「給油口のキャップが空いてますよ。」





ガビーーン



昨日はしゃぎすぎてキャップ閉めるの忘れた。


機械の女性の忠告も聞き流し、スロットにはしゃいでたツケが回って来たのだった。
後輩は気付いたらしく慌てて締めてくれたようだった。
幸い、キャップはヒモで吊るされているタイプだったのでスタンドに忘れずに付いていた。

しゅ「きゅ・・・給油口が空いてるとどんなことになちゃうんですかね・・・?」

先輩「ま、まあ、こぼれたり蒸発したりはしちゃうかもな。」

しゅ「・・・。」



先輩「昨日の(当たり分)が蒸発しちゃたかもな・・・。」




ガソリンと共に運も蒸発。



まあ大事に至らなくて良かったかな・・・。


キャップの閉め忘れにご注意しましょう。(機械の女性の声で)


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