shunchi極楽日記


act 333「恋愛野次馬」

夫婦で居酒屋に行った。
今回行った所は「土間土間」。
チェーン店の中ではなかなか良いという噂で行ってみたかったからである。

・・お店に着くと、さすがに人気なのか、かなり混んでいた。

店員「いらっしゃいませ〜・・・。」

店員の挨拶からすでに「かなり混んでるので申し訳ございません・・・」という感が漂っていた。

しゅ「空いてます?」

店員「すみません・・・只今、大変混みあっておりまして・・・」

しゅ「あー・・・ダメか・・・。」

店員「中央の大人数掛けのテーブルなら空いてますが・・・。」

別に大事な席でもないので、空いてるならばとそこでとOKするしゅんちであった。

案内された場所は四角い大きな木のテーブル。
周りに2人掛けのベンチを置き、少数のお客がカウンターのようにして座るようになっていた。
しゅんち達は角に座らされた。


○|
○|_ _  ←こんな感じ
    ○ ○
    しゅ たか

すると・・・ちょうど左側の角に座った人と急接近することになってしまった。
うっかり、左の男の人のビールを飲んで間接チューでもしてしまいそうな勢いである。

しゅ「し、しまった〜・・・。これじゃ落ち着かないねぇ。」

タカ「う〜ん・・・。適当に食べたら出ようか?」

しゅ「そ、そうねえ。」

とりあえずビールを発注し、面白そうなメニューを頼む。
さすがに評判の店だけあって、珍しくておいしそうなラインナップである。

男「へ〜そうなんですか〜。」

女「うん。そうなの。」

左に座った人達は男女のカップルである。
2人の会話が自然に聞こえてしまう。

男「山崎さんの職場って、結構かわいい人多いっすよね。」

女「えー・・・そうかな?」

男「ほら、上田さんとかー篠原さんとかー」

女「あーそうかもね。でも彼氏いるけどね。



釘を刺しときましたー。



男「へーそうなんですか。」

女「うん。」

・・・



「私は?」という空気。



どうやらこのカップルは特に付き合ってる感じではない。
男が敬語を使う辺りがまだまだ親しくないのだろう。

男「ところでさ山崎さんって・・・休みの日とかは何してるんです?」

女「えー・・・なんだろう。最近ヒマだしぃ〜。」

女が「週末はヒマ」とアピールをかける。

男「えー・・・ヒマなんすか。」

女「あはは・・ 遊んでくれる人もいないしさー。」

男「ふーん・・・。」

女「・・・。」

そして男はビールをぐびぐびと飲む。
女の「週末はヒマ」攻撃を「ふーん」でスルー

女「う、上原君は週末何してるの?」

男「ん〜・・・そうだなぁ〜車いじったり・・・まあ、彼女もいないし基本ヒマっすけどね。」

女「か、彼女いないの!?えーそうなんだー。へー。そうなんだー・・・。・・私もいないけど。



重要ポイント抑えました。



思いがけずさらりと重要ポイント発覚。
更にさりげなく自分もアピール成功
なかなか順調な滑り出しである。

2人の仲の進捗状況が上がる度に落ち着いて飲んでる場合じゃないしゅんち。
興奮のあまり思わずタカコにこっそり話しかける。

しゅ「ねぇねぇ・・・おもろいな。」

左に目配せし、2人に悟られぬようタカコに報告するしゅんち。

タカ「男の人が反応悪いよね。」


聞いてたか!


・・こうして夫婦で2人のやりとりに釘付けになるのだった。

男は割りと体育会系のイケメンである。
女はちょっとぶりっ子な感じで、声的にはゆうこりんっぽい。
しゅんちの席だとすぐ横にいるので顔を見れる状態ではない。

しゅ「女の人って顔とかは誰似?」

タカ「え?んー・・・どうだろ?」

しゅ「よ、よし・・・トイレに行くフリして見てみるわ。」

そういうと特に尿意もないのに立ち上がり、ごく自然な素振りのつもりでトイレへと向かう。
そして、さりげなく席に再び戻る。


しゅ「だぁーーー・・・!よく見えなかったぁぁ!!」


無駄な体力を消耗。


さて・・2人の恋の行方はいかに・・!?


男「山崎さんって車は好きなんですか?」

女「ん〜どうかな〜。でも、最近ワゴンRを買っちゃったんだ。もうかわいくて!」

男「へー新車なの?

女「うん。新車。」

男「へーいいじゃん!



親密度アッーーープ!



彼のしゃべりかたが敬語からタメ語へと変化。
重要なポイントである。

女「上原君の車はどんなの?」

男「ああ、レガシイだよ。」

女「えーいいじゃん!」

・・・

ここで、話は一度途切れ、おかずをつまむ2人。
しゅんちも運ばれてきた斬新な味のタンドリー餃子に舌鼓を打つ。

しゅ「これ強烈だけど、クセになりそうだよ。」

タカ「うん。私も臭い系好きー。」

こちらも会話がなくては不自然である。
空々しい会話をするしゅんち。


・・


女「う、上原君ってどんな感じがタイプなの?」

男「え?タイプ?」

女「うん。芸能人で例えると・・・?」

男「うーーん そうだなぁ〜。」

女「・・・。」

男「ベッキーみたいな感じ?」

女「え・・・。」



彼女はベッキーには程遠い雰囲気である。



女「べ、ベッキーなんか好きなの・・・?」

男「かなり好きだねぇー。」

女「あっ・・・そう・・・。」

男「かわいいもんなぁ〜。」

女「ふぅん・・・。」

なんだか不服そうな彼女。



男「でもゆうこりんも好きだよ。」



・・・!!


でもゆうこりんも好きだよ・・・?


彼女がゆうこりんに似ているというのはしゅんちが勝手に思ったことである。周知の事ではないだろう。
「でも」と頭に付けたのはどうなのだろう。
しかし、今の発言はかなり・・・

女「えー!ほ、本当に!

男「うん。割と好きだけどなーゆうこりん。」



女「・・がんばります。」



えーー!?
がんばりますってどないやねん!!

「俺、おまえ結構タイプだけどな。」って言ったのと同じくらいになってるじゃん!
自覚してたの!?相手も知ってて言ったのぉ!?
まさか、さっきゆうこりんに似てるよねーなんて会話してたのかー!?
っていうか「がんばります」だなんて告白に近いんじゃねぇ〜!?

・・妙にテンションが上がるしゅんち。
ビールのピッチも上がる。

・・

女「なんかさー・・・海とか行きたいよね・・・。」

男「あー海っていいよね。」

長野県民にとって「海を見に行く」というのは越県なので小旅行である。
海に行くという行為は一日中デートするという意味になる。

男「新車で行けばいいじゃん?」

女「えー・・・新車は・・・」

男「なんで?」

女「だってぇ・・・新車で海に行くとさ、サビたりしそうじゃん?」

男「え〜 サビないでしょ。」

女「あとさー・・・よ、汚れそうじゃん。」

男「ん〜そんなこと言ってたら海行けないじゃんね。」

女「じ、自分の車では行きたくないの・・・。」

男「んー?」

女「あっ・・電車とかも無しね。」

男「うーん?」


女「・・・・。」



男「・・・?」



・・・・



イライライライラ・・・


男「でも・・
女「上原君の車で行きたいの・・・!」



寄り切ったぁぁぁあああ!!



男「あ・・ああ〜そうかー。そうね!」

女「・・・。」

男「ああ・・・じゃあ、今度一緒に行くか?

女「うん・・・。」



ゴォォォ〜〜〜〜〜〜〜ル!!・・・なのか?


・・・


帰り道・・・

しゅ「どうなるかね〜あの2人。」

タカ「どうだろうね。」

しゅ「うーん・・・。それにしても男がニブイやっちゃなぁ〜。」

タカ「いやぁ・・・男の人はイマイチだったんじゃない?」

しゅ「そ、そうか・・・。」


2人の恋愛は前途多難のようです・・・。

野次馬大好きのしゅんちであった。


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