shunchi極楽日記


act 360「コンタクトを作る」 

しゅんち家は元来視力は良い家系である。
父も母も視力は共に1.5程度。
親戚もメガネをかけている人はほとんどいない。(老眼鏡以外)
メガネには縁のない一族なのである。


しかし、それを第一に破った男がである。


兄が中学生くらいの頃、勉強のしすぎで視力は急激に悪化した。
そして初めてしゅんち家にメガネ文化を持ち込んだのである。
一方、しゅんちは勉強などするはずもなく相変わらず視力が高いまま社会人となる。
しかし社会人になり、急激に視力が落ち始めた。


仕事のストレス・・・


ではなく、




ネットゲームのやり過ぎである。




社会人になり、更に遊びすぎたしゅんちであった。

今では視力が両目で0.6程度。
運転するのもギリギリな視力である。
メガネを作ってもみたが、なんとも邪魔くさくほとんど放置状態であった。

しかし視力が悪いと色々と不便がある。
ゴルフを始めたのだが自分の球の行方がわからないのだ。



そこか。



メガネをかければいいのだが、なんとも邪魔くさいのでスイングに影響が出そうだ。
そこでしゅんちはコンタクトを作る決心をするのだった。

・・こうしてコンタクトを作るためにお店に向かうしゅんちであった。

店員「いらっしゃいませ〜。」

しゅ「コンタクトを作りたいのですが・・・。」

店員「当店のご利用は初めてですか?」

しゅ「は、初めてです。」

店員「今までコンタクトを作られた事は?」

しゅ「は、初めてです。」

店員「メガネは今日お持ちで?」

しゅ「い、いえ・・・持ってきてないです。」

店員「ソフトとかハードとかはご存知で?」

しゅ「い、いえ・・・よくわかりません。」


なんとも歯切れの悪い返事連発のしゅんち。
店員の「めんどくさい客が来た」という曇り始めた表情に申し訳ない気持ちになってきた。

店員「では今日は初めてコンタクトをお作りになるということで、とりあえずハードとソフトを試したいという事ですね。」



うまくまとめてもらいました。



店員「ではまずは隣の眼科で視力検査を行って下さい。」


・・というわけでしゅんちはコンタクト屋横の眼科で目の検査をする事になった。

学校で行うような紙製の「C」型方向指示棒を振りまわす原始的な手法ではなく、ハイテクな視力検査機の前に座らされる。
そしてかなりの手際の良さで視力検査を行っていく。
しゅんちの目の前にはC型マークが次々に映し出され、ポンポンと質問、回答していく。

検査員「0.6・・・ですね。ん〜・・・」

微妙な反応の検査員のお姉さん。

検査員「レジャーや観光なんかで時々付けるって感じですかね。」

しゅ「と、時々?」

しゅんちのイメージとしてはコンタクトは付けっぱなしで1日中過ごせるというイメージである。

検査員「このメガネをおかけ下さい。」

しゅんちは忘年会の一発芸で使われそうな黒ブチまん丸メガネを渡される。

検査員「このメガネがこれから付けていただくコンタクトと同じ度数なんですね。」

しゅ「ほほう・・・。」

かなり遠くの景色が見えるようになった。
遠くの本棚の作者名までもがくっきりと読めた。

検査員「では次に新聞記事をご覧下さい。」

しゅ「は、はい。」

しゅんちは手元に渡された新聞記事を読もうとした。

・・・な、なにか見にくいような。

検査員「ではこのレンズ越しに見てください。」

しゅ「は、はい。」

しゅんちのリアクションに気付いたのか、しゅんちの前にレンズを置く検査員。

しゅ「あ・・・こっちの方が見やすいですね。」

検査員「そうですね。このレンズ越しに見える視野はしゅんちさんの元々の視力ですね。」


は、はぁ?


検査員「コンタクトを付けると確かに遠くの景色はよく見えると思います。」

しゅ「は、はい。」

検査員「だけど、しゅんちさんの視力だと近くの景色は逆に見えにくくなってしまうんですね。」


ま、マジで!?


なるほど・・・。
それでさっき「レジャーと観光のみの使用」と言っていたのか・・・。

どうやら、コンタクトとはもっと視力が悪い人が使う物であるらしい。
しゅんちの場合、大して悪くも無いので逆に弊害があるようだ。



コンタクトを付けると日常生活に支障がある。(近×遠○)



コンタクトをはずすと遠くだけ見にくくなる。(近○遠×)



運転中など、必要なときだけ視力を良くしたいなら取り外ししやすいメガネの方が便利。(切り替え簡単)



コ・・・




コンタクトいらねえんじゃねえ・・・?



検査員「ではハードとソフトを両方付けてみましょう。」

しゅ「は、はい。」

しゅんちの微妙な思い付きを払拭するように手際よくコンタクトを揃え始める検査員。
検査員のお姉さんの指導の下、早速レンズを付けてみる。
まずはハードである。

検査員「人差し指にレンズを乗せて、両中指で目を開けて入れてみてください。」

上下あっかんベー状態の目にレンズを恐る恐る入れてみる。



・・・!!



痛てたてててたったててってっっっ!!!



超巨大ゴミが目に入った感覚。
痛すぎて目など開けていられない状態である。
ぼろぼろと号泣したように涙が流れるしゅんち。


検査員「最初は慣れないですが、付けてるうちに慣れますんで。」




こんなもん慣れるかっ!!



予想以上の痛みと違和感に悶絶のしゅんち。
世の中のハードコンタクトユーザーを一気に尊敬してしまうのであった。

検査員「では、次にソフトを入れてみましょう。」

ハードレンズにすっかりやられたしゅんちは心が折れ、怖がってなかなか付けられなかった。
入れようとしても目を閉じてしまう。火を怖がる獣の気持ちである。
真っ赤な目の中にようやくソフトレンズが装着された。


しゅ「ほほう・・・これは。」


目の痛さは大したことは無い。
こんなにもソフトとハードは違うのか・・・。

それよりも見えのよさに驚きである。



懐かしい・・・。



視力が良かったあの頃の視力の感覚が蘇った。



遠くの山の景色・・・



空の表情・・・



街を歩く人々の顔・・・



向かいのビルの中の人のしぐさまでもが手に取るように分かる・・・



視力が良いってこんなに素敵なことだったのか・・・。

しゅんちは検査員の存在を忘れ、すっかり外の景色に見とれてしまうのだった。

検査員「ではソフトレンズにしときましょうか?」

しゅ「はい!」

こうしてコンタクトレンズを手に入れたしゅんちだった。


・・ある日のゴルフ場にて。


母「あら、あんたコンタクト作ったんじゃなかったけ?」

しゅ「え・・・ああ、うん。」

母「今日付けているの?」

しゅ「いや・・・付けてない。

母「なんでよ!?」

しゅ「あれ付けるとなんかフワフワして酔いそうになるんだよね。」

母「・・・。」

しゅ「なんか調子悪くなりそうで・・・。」




意味無ぇ〜〜〜〜。




結局、慣れるほど付けないので慣れることもなくほとんど放置状態のコンタクト。
出番はいつやってくるのやら・・・。



<本日の格言>

時々使おうと思っている物ほど使わない。


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