shunchi極楽旅行記


2006年暮・・・

道楽夫婦と近所でも有名なしゅんちの父、母。
この夫婦には毎年恒例行事があった。


「北海道スキー旅行」


この行事はしゅんちが幼い頃から始まった。
子供が40度近くの高熱を出していようが、骨折をしていていようが、受験があり大変な時期であろうが、二人は毎年変わらず北の大地に高飛びするのだった。
二人にとっては20年近く続いている伝統行事なのである。

しかし、ここ近年は二人で行くのもさすがに飽きたのか

「旅行はみんなで行ったほうが楽しい」

という結論に達したらしく、大人数で行く傾向があるのだった。

そこで、今年のスキー旅行は父がリーダーを務めるテニスクラブの仲間たちに声を掛けた。
そのテニスクラブはメンバーが15人ほどおり、今回の旅はいつになく大人数になることが予想された。

そして、皆の都合がわかりメンバーが決まったのでここで紹介しよう。


父・・・
計画と実行の男。リーダー肌。
計画したことが実現していく事に生き甲斐を感じる為、不滅の幹事である。
・・と、思われたが最近は自分の趣味に走りすぎる計画を周りにダメだしされ遠慮気味。
無口が特徴だったが、最近はおしゃべりなおじさんへと。

母・・・
お気楽極楽な母。しゅんちは彼女の血を濃く受け継ぐ。
思いつきで放つ言葉はなぜか説得力がある。
旅行では数々の珍事件を作ってくれるのでネタには困らない。

タカコ・・・
しゅんちの妻。趣味「洗濯」特技「片付け」のしっかり者。
全然目立ちたくない性格で、旅行記も自分の部分は全て削除して欲しいという非常に執筆者泣かせである。
今回も「自分の事は書かないで」と極太の釘を刺されている。





以上。



いつもの顔ぶれやんけ。


どうも皆の都合が合わず結局行くのはこの4人。
なんとも代わり映えのない家族水入らずの旅になるのだった・・・。


2007年 1月某日

今回の目的地は「ニセコスキー場」
北海道では一番と言われているスキー場である。

予定はいつもと同じである。
松本まで車で迎えに来てもらい、そこから夜中に車を走らせ羽田に向かう。
そして朝一のフライトで新千歳へと行くという王道パターンである。
夜中に運転するのはしゅんちになりそうなので仮眠をとり運転に備えるのだった。

・・そしてAM2:30

タカコ「しゅんちゃん・・そろそろだよ。」

しゅんち「う、う・・・ん」

タカコ「自分の荷物チェックしてね。」

しゅんち「ああ・・・そうか・・・。」

しゅんちはのっそりと起き上がる。
まだ、自分の荷物の最終チェックをしていなかったのだ。
寝ぐせ頭を直しながら自分の荷物のチェックを行うしゅんち。

しゅんち「えっと・・・もちろんDSは持ってくだろ・・・。」

ニンテンドーDS。
言わずと知れた超人気ゲーム機である。
ゲーム好きのしゅんちにとってこれだけははずせない。

DSの入ったポーチを手に取るしゅんち。
このポーチにはDSの他に充電器、ソフト各種が入っている。
まさにパーフェクトなポーチである。

しゅんち「あっ・・・そうだ。読みかけの本も持っていこう。」

タカコ「え・・・。」

しゅんち「ん・・・?」

タカコ「本当に読む・・・?

しゅんち「・・・・。」

スキーツアーというのはただでさえ荷物が多くなってしまうものである。
できるだけ荷物は減らしたいところである。

しゅんち「・・読む。たぶん読む!」

タカコ「う、うん・・・わかった。」

妙なところで亭主の威厳を見せるしゅんちであった。

・・程なくして父、母が到着。
しゅんち達の荷物を積み込むと、しゅんちの運転で羽田空港に向かうのであった。


AM 6:00〜

車は渋滞することもなく、順調に羽田空港に到着した。
しゅんちも仮眠をしっかりとったおかげで眠くもなく調子が良かった。

まだ早朝だというのに空港は結構なお客で賑わっていた。
しゅんちたちはカートで山盛りの荷物を運び、受付カウンターを目指すのだった。

「羽田空港到着」

父「じゃあ、まず搭乗手続きするか。」

母「そうね!手荷物をなんとかしなくちゃね。」

衣類をはじめ、スキー、スキー靴、ウエア、その他諸々の荷物はかなりの量があった。
父としゅんちは搭乗手続きを行う装置の前に行き、申し込み用紙に書かれているQRコードを機械にかざす。

QRコードとは・・・

こんなやつである。

QRコードをかざすだけで、すぐに4枚の航空券が発行される。

父「へぇ〜・・・これだけで搭乗手続き完了か・・・。」

しゅんち「こりゃ・・・簡単だね。」

父「すごい世の中になったものだ・・・。」

文明の進歩に驚き、機械の前で立ち尽くす二人であった。

・・そしてその後、荷物カウンターへ。
この大荷物をまずなんとかしなくちゃならない。

タカコ「しゅんちゃん。機内に持ち込む物を私のバックに入れちゃうから渡してね。」

しゅんち「おう。」

しゅんちは旅行かばんの中からパーフェクトポーチを取り出す。

タカコ「え・・・全部持ってくの?

しゅんち「え・・・。まずい?じゃ、じゃあベストメンバーを選ぶよ・・・。」

袋を開け、持って行くソフトを選ぶ。


「リズム天国」は持ってくだろ・・・


いや、「テトリス」もやるかもしれん。


まてよ・・・「メテオス」も買ったきりほとんどやってないしなぁ・・・


「MOTHER3」は絶対はずせないなぁ・・・。

不安そうな顔を覗かせるタカコ。

しゅんち「わ、わかった!MOTER3とリズム天国だけにするよ!」

タカコ「う、うん。」

しゅんち「あっ・・・本も持ってこうかな・・・。」

母「あんたすぐ寝るだけよ!」

煮え切らないしゅんちにしびれを切らした母が怒鳴る。

しゅんち「いやぁ〜今日はなんだか目が冴えてるんだよなぁ〜。」

母「タカコちゃんにそんなに持たせたらかわいそうじゃない!」

しゅんち「そうだよなぁ・・・。」

母「わかったわ!私のバックの中にあんたの入れて、あんたがこれ持てばいいのよ!」


ナイス思い付き。


こうして母のバックを持つことになったしゅんち。
しかし、思った以上にズッシリと思い母の荷物。

しゅんち「むむ・・・なんじゃこりゃ、結構重いな・・・。」

母「ふふ〜〜ん♪」

身軽になり軽やかに鼻歌を歌う母。

しゅんち「ねえ母ちゃん。これって何が入ってるんだ?」

母「え?あのねぇ、携帯、財布に化粧道具。それからおやつにおつまみにトランプ。・・まあ色々よ。」

しゅんち「そ、そんなに必要なのか・・・?」


血は争えない親子であった。


・・とりあえず果物ナイフが入ったりしてないか入念にチェックするしゅんちであった。


・・搭乗手続きなどを済ませた後、一行は朝食を採るために喫茶店に入る。
しゅんちは毎回、暴飲暴食をしてしまい失敗することが多い。
今回はなるべく控えられるところでは控えたいと思っていた。

そして、頼んだのが「おかゆセット」





「乾杯」

そして生ビール。


健康になりたいのか不健康になりたいのかわからない取り合わせである。



こうして、早朝から生ビールを煽り、テンション上げ上げな4人であった。
朝食を採った後、飛行機に乗り込む一行であった。


AM 7:30〜

無事飛行機に乗り込む一行。
今回は窓際をうまいこと確保できた。

「朝日を浴びて出発」

添乗員「現在、当機は離陸体勢に入っております。その間、携帯、ゲーム機などの使用は一切お断りしております・・・。」

しゅんち「おっと・・・まだDS禁止か。」

まだ、DSに手がつけられないしゅんちは機内雑誌を読み始める。
ちょうど今回行く先の「ニセコ特集」が載っていたので食い入るように読むしゅんち。

そして、機体は離陸、しばらくして安定姿勢に入りシートベルト解除となる。
しゅんちもDSを取り出す。

添乗員「お飲み物はいかがですか?」

しゅんち「あっ・・・はいはい。じゃあ、コーヒーで。」

添乗員「はい。どうぞ。」

まったりとコーヒーを飲みながら窓の外を眺めるしゅんち。
さてさて、そろそろDSをしよう。

やっぱり折角買ってきた「MOTHER3」をやりたいところである。
「MOTHER3」とは糸井重里がゲームデザインした人気シリーズなのである。

さて、ソフトを取り出して・・・


ソフトを・・・


・・・


ソフトが無い。


しゅんち「あれ?あれれ?」

タカコ「ん?どした?」

しゅんち「MOTHER3が無い!」

タカコ「え・・・。かばんから出し忘れたんじゃないの?」

しゅんち「いや・・・これだけは絶対に出したはずだ。」

タカコ「ああ、私のバックに入ってるかも。」

しゅんち「い、いや!俺のかばんに入れたと思う。」

母の余計な荷物を掻き分けソフトを探すしゅんち。

しゅんち「あれ?あれ?あれれ?」

タカコ「お、落ち着いて。まず、袋から全部出してみよう。」

次々に母の荷物が所狭しと広げられていく。
わんさかと出てくるおつまみ群

しゅんち「な、なんでこんなにおつまみ入ってんだ?機内で宴会でもするつもりか?」

タカコ「無いねぇ・・・。」

果たしてどこへいってしまったのだろうか「MOTHER3」。
荷物チェックの際に落としてしまったのだろうか・・・。

もしかして・・・盗難!?

いや・・・DSを無視してMOTHER3だけ盗むなんて、よっぽどの糸井マニアしかいないわな。


タカコ「あっ」


しゅんち「おっ?あった!?」

タカコ「やっぱりここだった・・・。」

自分のかばんからソフトを取り出すタカコ。
タカコの言う通り、タカコに預けてあったのだった。


人の言うことはもっと信じましょう。


・・気を取り直してソフトを差し込み、電源ON。
他人に迷惑をかけないようにヘッドホンを装着。

まずは主人公達の名前を入力し、ゲームスタートである。
家族団らんシーンからゲームは始まる。
双子の子供達とやさしいお母さんが登場。

そしてタイトル画面・・・


添乗員「ピンポンパンポーン♪当機はまもなく着陸態勢に入ります。その間、携帯、ゲーム機などの使用は一切お断りしております・・・。」




少しもできなかった。


AM 9:00〜

新千歳空港到着。
やはりスキー、スノボー客が多く、大きな荷物を抱えた団体客が目立っていた。

「新千歳空港到着」

しゅんち「いや〜〜着いちゃったね!」

父「ここからシャトルバスが出てて、それでスキー場に向かうんだな。」

しゅんち「どのくらいかかるの?」

父「ん〜まあ、3時間ぐらいじゃねぇか?」

しゅんち「よし!それじゃあ、バスの中に持ち込む食料を買いに行こう!」

・・というわけで、父に荷物番をさせ空港内のお土産屋に小走りで向かう3人。
制限時間は15分である。

新千歳空港は3階がかなりの規模のお土産ブースになっているのである。
しかし、ゆっくりも見てられないので手早く選らばなくてはならなかった。

しゅんち「北海道と言えばこれでしょ!」

「マルセイバターサンド ゲット」

そして、車内で食べれそうなものをを3人で手分けして買い漁り、シャトルバスに乗り込む一行であった。

「一番前の席を確保」

しゅんち「いや〜色々買ったねぇ〜。」

母「甘いものばっかりね。」

甘党の父の顔をこっそり伺うしゅんち。
ニンマリとほくそ笑んでしまう顔を必死に堪えているときの顔をしていた。

しゅんち「さてさて、購入品を発表しまーす。」

「花畑牧場製プリン」

田中義武氏が運営する牧場のプリン。
この牧場の乳製品はどれもこれも大人気である。
プリンというよりチーズに近い、コクがあり濃厚な味わい。

「六花亭 VS 北華桜」

北海道の有名菓子メーカー六花亭(ろっかてい)のバターサンドと北菓桜(きたかろう)のシュークリーム。
あとこれに白い恋人の石屋菓子店が入れば完璧である。
しかし、今回はこの2品。

「とば・・・ぷす?」

佐藤水産製「トバップス」。
鮭とばを薄くチップス状にしたおつまみ。
なんとなく珍しいので購入してみた。
酒も無いのに早速あけてしまうしゅんち。

しゅんち「フム・・・こりゃ、普通の鮭とばだなぁ・・・。おっ、意外にうまい!」

タカコ「おお!本当だ。おいしいぃ〜♪」

鮭とばというと結構渋いおつまみである。
これをこんなポップな感じにしたのがなかなかのアイデアである。

しゅんち「なるほど・・・うんうん。」

タカコ「どうしたの?」

しゅんち「いやさ、これが開発された場面を想像してんのよ。」

タカコ「へぇ〜どんなの?」

しゅんち「うんとねぇ〜・・・」



〜熱演中〜

開発員「社長!鮭とばをもっと若い人達にアピールしたいと思うんです!」

社長「なにぃ〜?今の鮭とばじゃダメだってのか!」

開発員「もっと食べ易いようにスライスして・・・」

社長「何をバカな事を言ってるんだね君は!あのなかなか噛み切れないもどかしさが美学なんだよ!」

開発員「いえ・・それもわかるんです・・・。ですが・・・もっと若い人達には・・・」

社長「じゃあ、どんなのにしたいのだね!?えぇ?」

開発員「もっとですね、気軽に食べれる感じに・・・例えば、ポテトチップスみたいな容器に入れまして・・・」

社長「バカもん!もういい!わしは帰る!」

開発員「しゃ、社長・・・。」

会議室から立ち去ろうとする社長。
フト、ドアの前で立ち止まり背中越しに語りかける。

社長「あー・・・君は中村君・・・と言ったね?」

開発員「え・・・あ!はい!中村です!」

社長「中村君。わしは古い人間だ・・・。一度決めたことはなかなか変えられん・・・。」

開発員「は・・・?」

社長「君は若い。わしもその若い力をそろそろ認めていかなくてはならんのかもな・・・。」

開発員「・・・?」


社長「君の好きにやってみたらどうかね。」


開発員「え・・・社長?」

社長「あー・・・それから、鳥羽一郎。」

開発員「は・・・?とば・・・いちろう?きょ、兄弟舟の?」

社長「わしは鳥羽一郎のファンなんだ。」

開発員「は、はぁ・・・。」

社長「CMで起用したらどうかね。鮭とば・・・だけにな。

開発員「しゃ、社長ぉおおお〜〜(泣)」

〜熱演終了〜



タカコ「とんだバカ社長だね。」


今日もバッサリいきました。


AM 10:00〜

「支笏湖(しこつこ)」

バスは支笏湖(しこつこ)を通過。
湖の向こうには恵庭岳がそびえている。

「道の駅フォーレスト276大滝 到着」

バスは道の駅に入り、休憩することに。
「道の駅フォーレスト276大滝」は国道276号線沿いある世界最大級のログハウスがウリらしい。
トイレ前には自動演奏のピアノが置いてあり、優雅な気分で用を足すことができる。

一行はトイレに行った後、お酒を買い込むことに。
毎回、途中で尿意に襲われ大騒ぎするので、わざと後半から飲むという作戦である。
更におつまみとして大滝名物の山芋揚げやコロッケなどを買い込む。

「北海道のお酒達」

バスは再び出発し、車内は宴会モードに入る。
それらをつまみにお酒がどんどん進むのだった。
やはり北海道といえば「サッポロクラシック」である。
今日から3日間お世話になります。

「バスは雪道を行き・・・」

バスからの景色は徐々に雪が深くなり、スキー場の雰囲気が出てきた。
そろそろ到着だ。

「ニセコプリンスホテル到着」

ニセコプリンスホテルに到着。
「後半からお酒作戦」は成功し、尿意に襲われることなく無事に辿り着いた。
一行は専用カートでスキーを運び込み、ホテルにチェックインするのであった。


さあ、ニセコスキーだ!

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