shunchi四国漫遊記


2008年5月某日

兄夫婦に子供が出来て以来、しゅんち家に伝わる「家族旅行法」に基づく旅行がなかなか難しくなった。
その後、父、母としゅんち夫婦による新・家族旅行が頻繁に行われるようになった。
大連休の数ヶ月前より父よりびっしりと書かれた予定表が送られてきて、


「参加は自由だぞ。」


と、言いながらもそんな数ヶ月先の予定が埋まってるわけもなく、断る理由も無い。


つまり強制参加である。


とはいえ、毎回なかなかのスケジュールで、期待が高いのも事実である。
更にこのメンバーはフットワークが軽く、行程も計画通りスムーズに行われる。
ということで、この4人はなかなかの旅行チームなのである。

今回の行き先は「四国」。
しゅんち夫婦が一度も行った事がないという事でここに決まった。

しゅんちの持つイメージだと四国は讃岐うどんの国である。
ジャンクフード好きのしゅんちの興味としては外せない文化である。

今回はしゅんちはうどん担当ということで、店のリサーチを頼まれていたのだった。
そこで、ガイドブック、インターネット、旅行番組のチェック。
そして更に2006年話題の映画「UDON」を鑑賞をし、気合は充分であった。


当日・・・


今回は5泊6日の大旅行である。
GWの初日を有給にし、5連休にした。
更に移動手段は全て車。
今回の旅行は父得意の長距離強行軍タイプである。

仕事を終えたしゅんちはアパートに帰ると早速皆が荷物をまとめ待ち構えており、着替えた後に即出発であった。
少しでも四国への距離を縮めておく必要があるということで名古屋近く「土岐」にホテルを押えてあるらしい。

数年前の展開であれば、仕事後ということにも構わずしゅんちが運転させられていた。
しかし、結婚後にようやく市民権を得たしゅんちはビールとおつまみで迎えられた。
ビール片手に先ほどローソンで買ったからあげくんをつまみながらの快適ドライブであった。


「ルートイン土岐 到着」

そして、ほろ酔い気分のままルートイン土岐に到着。
この日はお酒もそこそこに明日に控え、早めの就寝であった。
明日は7時起床である。


AM11:00〜


「明石海峡だー」

母「ほら!明石海峡よ!」

しゅんちは母の声で目を覚ます。

昨日から引き続き運転は父。
やはり昨日まで仕事だった事が響いているのだろうか、今日もVIP待遇である。
父の運転に揺られ朝からウトウトしっぱなしのしゅんちであった。


「明石海峡通過」

時刻も昼近くなり、明石海峡公園にてジャンクフードランチをすることになった。


「明石ジャンク達(ウキウキ)」

明石焼き、イカ焼き、ドーナツを軽く食し、その後は名物探索。
ここの名物といえば鳴門金時(さつまいも)、玉ねぎ、ちくわ、わかめ、そしてかんきつ類である。
鳴門金時のスイートポテト、鳴門金時ソフト、ちくわを食べ、お土産を買った。
皆はそれぞれに鳴門名物を楽しんだ。

母「ねえねえ、今日のホテルは5時チェックインよねえ?」

父「ん?ああ、もうちょっと早くてもいいとは思うけどな。」

母「折角なんだし、高速で一気に行かずに下道で淡路の町を眺めながら行くってのはどう?」

しゅ「おお!そりゃあナイスアイデアだ!」

母の思いつきは時々神がかりである。

そして一行は高速を一旦降り、淡路島へと入っていった。


PM2:30〜

タカコ「ねえねえ。昨日さ〜、ボディータオルどうした?」

しゅ「え・・・?俺の着替えの中になかった?」

タカコ「うん。下着とホテルのタオルしかなかったんだよね。」

しゅ「ぐは!!お風呂に置いてきちゃったよ・・・。」

母「え・・・?しゅんちボディータオル忘れちゃったの?」

タカコ「はい・・・。かなりの高確率で忘れてくるんです。」



しゅんちはボディータオル紛失率地域NO.1である。



母「あちゃ・・・あんた相変わらず最悪ね。




あなたの息子である。



しゅ「ど、どっかでさ新しいの買おうよ。」

タカコ「この町にお店あるかねぇ?」

しゅ「よし!「しまむら」を探せ。」



淡路島での目的地・・・




「ファッションセンターしまむら」。



「しまむら」とは・・・
衣料品などを扱うチェーン店である。
一見おばさん服専門店の雰囲気であるが、意外に若い女性にもウケがいいらしい。
とにかく安くお手軽な商品がズラリと並ぶ。
和製ユニクロといったところか。


母「しまむらだったら私も行きたい!」

しゅ「どして?」

母「なんか持ってきた服がどれもこれも気に入らないのよ!」

タカコ「どんなのなんですか?」

母「なんかヒラヒラしたのとか、露出が多いのよ!



その歳で露出が多い服・・・?





しゅ「緊急事態だ。即しまむらを探せ。」


母「しまむらじゃなくてもいいわ!「しまだ」でも「しむら」でも類似店だったらなんでもよ!」

タカコ「ん〜・・・関東圏にしか無いとかじゃないかな?」

しゅ「最悪ジャスコでもいいな。」


「右手に赤い看板!?」

母「ああ〜〜!!」

しゅ「うわぁああああ!!」




本当にしまむら発見。


母「あなたっ!右折よ右折!」

しゅ「す、すげぇえ〜〜本当にあった・・・。」

そして、駐車場に車を止めた。
父は運転疲れか昼寝をすることにし、3人は店内へ。

こうして目的の品を手に入れ再び出発するのであった。


PM3:30〜


「ルネッサンスリゾートナルト到着」

ルネッサンスリゾートナルトに到着。
本日はここで宿泊である。

母「あら〜!素敵ねー!」

タカコ「うわー本当素敵ですねー!」

ホテルにリゾート雰囲気に感激の声を上げる2人。


「りむじぃ〜んでお出迎え」

どうやら、結婚式も行われるらしく教会もあった。
かなりのリゾート気分でテンションがあがる一行。


「チェックイン混んでるや」

母「夕食は5時半だって。」

しゅ「うん。時間きっかりに来てくださいって雰囲気だったよ。」

父「あっそう・・・時間無いねぇ〜」

しゅ「風呂でも行く?最上階に眺めのいい展望風呂があるらしいよ。」

母「いやぁ〜・・・女の風呂は色々と準備やらが面倒なのよ。時間もないし。」

タカコは無言で2、3度うなずく。

父「やっぱり旅行と言えば観光でっしゃろ〜。

ぎこちない方言を駆使した父の発言により、軽く観光に出掛けることになった。


「大鳴門橋の絶景」

ホテルから車で10分程度のところ「エスカヒル鳴門」に到着。
東洋一と呼ばれる68mのエスカレータで軽くめまいをしながら鳴門山頂上に向かう。
すると、目の前に360°の絶景が広がる展望台に到着した。

しゅんちは100円硬貨式の望遠鏡に歩み寄る。
子供の頃は軽く却下されていた反動なのか、観光地に行くと大人の財力でついつい利用してしまうのであった。

100円を取り出し入れようとした瞬間・・・

しゅ「あれ・・・?見える!?」

前の人の分が残ってたのだろうか・・・?

しゅんちは夢中になって鳴門の渦を探した。

しゅ「うおーー!よく見える見える!本当に渦巻きになってるんだー!」

しゅんちは皆を呼び、次々に眺めさせた。

母「あら〜よく見えるわ〜!」

父「どれどれ・・・ほほう。」



あれ・・・?


これって100円で何分見えるんだ?


90秒100円。


どう考えても既に5分以上経っている。



無限望遠鏡を発見しました。



どうやら奇跡的に都合よく壊れているらしく100円を入れずとも永遠に覗ける望遠鏡であった。
父は幼少の頃の気持ちを思い出したのか、帽子をぐるりと翻し、少年のような格好で夢中で望遠鏡を覗いていた。


大鳴門橋・・・の反対側」

しゅ「しかし本当に凄い渦だよね〜。」

母「なんでかしらねぇ?」

しゅ「海流かなんかがぶつかりあってるんかねぇ〜?」


「接写に成功!?」


「いやポスターでした」

しゅ「ラーメンに入っているナルトってのはここから取ってるんかな?」

母「そうよ!きっとそうだわ。これをイメージして作ったのよ。」

しゅ「でもここの名物になってないよな?」

母「この景色を見た人がたまたま作ったのよ。」

特技である適当な妄想話を膨らませながらホテルへ戻る一行であった。


PM5:30〜


「和食処 鳴門」

鳴門といえば「鳴門鯛」が有名である。
今夜は海鮮和食懐石である。


「板さんがそばにいて感激」

一行は海の見える窓際に案内された。
日没にはまだ早い時間帯で見事なオーシャンビューを楽しみながらの食事であった。


「和食懐石だー!手前に鳴門鯛」

その懐石には徳島名産であるわかめ、すだち、鳴門金時(さつまいも)そして鳴門鯛と地元の食材がふんだんにつかわれていた。
そして、今夜のお酒は「芋焼酎 鳴門金時」の水割り。
徳島鳴門をこれでもかと言わんばかりに堪能する一行であった。

しゅんちは早速すだちを絞り、早速目に入り、めげずにもう一回絞り、刺身群にふりかけた。
そしておもむろに鯛をつまみ、わさび醤油に軽く付け食す。


パクッ もぐもぐ・・・


しゅ「ほほう・・・。なかなかおいしいんじゃない?」

鯛の味など元々よく知らぬが、身の引き締まった食感の中に旨みがぎゅっと詰まっている感じであった。
ちょうど先ほど見てきた鳴門の渦にまみれて鍛えられた鯛なのだろうか。

しゅ「これだ!観光と地物のマッチングこそ旅行の醍醐味だよね!」

しゅんちは焼酎で酔いもまわり、テンションは最高潮となった。


「ティーラウンジへ移動」

店員「・・・このあとデザートがありますが、素敵なラウンジに席を用意しておりますのでこちらへどうぞ。」

そういうと店員は先ほど飲んでいたグラスとお酒をスッとお盆に乗せるとにこやかに皆を案内した。
すると赤いグランドピアノのある、素敵なティーラウンジへと移動した。
皆はこの意表をついた演出に感激した。

母「私たち色んなところに泊まってきたけど、こんな演出は初めてよ!」

父「これは今までにないなぁ・・・。」

そして、窓際のキャンドルが灯されたおしゃれなテーブルに座ると、デザートが運ばれてきた。

客商売を長くやっている父、母は色々考えをめぐらせたあと前のめりでしゃべりだした。

母「ここは・・・なかなかやるわよ・・・。」

父「うむ・・・。」

2人は神妙な顔つきで語りだす。

母「たぶん、さっきの場所は次のお客が来るから私たちをこっちへ移動させたのよ。」

しゅ「あ・・・そうなの?」

すっかり雰囲気に酔い、ボケーっと頭の後ろに手を組み海を眺めていたしゅんち。急に我に返る。

母「だって、さっき周りにいた人達はここにはいないもの。」

父「そうだよな。」

母「まさか追い返すなんて事はできないだろうから、あくまで自然に移動させるにはこの方法がベストなのよ。」

しゅ「な〜るほど!」

まるで「相棒」の右京さん並みの洞察力と推理力である。

母「色々サービスを見てるけど、ここは勝ち組よ・・・。」

父「おう・・・。俺もそう思う。」



この人達は何者なのだ?



商売上、どうしても営業的な事が気になる二人であった。


PM8:30〜

食事を済ませた一行は軽く風呂に入り、浴衣姿でホテルを散策した。
どうやら色んなイベントがあるらしい。

まずは「阿波踊り体験」に向かった。
阿波踊りという名前はよく聞くが実際見るのは初めてである。


艶やかな女性の踊り・・・


滑稽な姿ながらも力強い男性の踊り・・・


腹の底に響くほどの太鼓の音・・・


透き通るような笛の音・・・


一行はその迫力にすっかり飲まれ食い入るように見入ってしまった。

その証拠に・・・



撮影を忘れました。


「お祭り屋台広場」

ホテルの大広間が各種屋台となっており、皆は射的やコマ回し、温泉卓球などを楽しんだ。
父は往年のテクニックを駆使し、コマの手の平乗せを披露した。
その姿は別の観光客からも拍手喝さいを浴び、照れくさそうであった。

ここでのお金はチェックイン時に配られたサービス券(3000円分)が使え、いわば3000円分は無料で楽しめた。
本当にこのホテルは盛りだくさんである。


「射的に挑戦 成果ゼロ」


PM10:30〜


「阿波オリジナルカクテル」

一行は最後の仕上げということで、最上階のレストランバーにて阿波オリジナルカクテルを楽しむことに。
なんとこのカクテルもサービス券が使えるのだ。いわば1人1杯は無料のようなものである。

しゅ「いや〜!初日にしたらかなり充実してたよなぁ〜。」

タカコ「うん。色々食べたね〜。」

しゅんちは今日撮った写真を振り返って見てみる。

しゅ「結構撮ったよなぁ〜。」


阿波踊りは撮り逃したが。


母「私にも見せてよ!」

しゅ「あいよ。・・・うわっ!!」



ボチャン!!



しゅ「うわあああああ〜〜!!!」



デジカメがカクテルに落ちました。(手前青の)



最後に見事なオチ(落ち)が付き、1日目の夜が暮れていった。


(一応、デジカメは無事でした・・・。)


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