PM 0:30〜
母「しゅんち!!起きなさい!!」
いきなり叩き起こされるしゅんち。
しゅんち「んん・・・何?」
母「早く着替えなさい!!」
しゅんち「な、なんで?」
母「テニスするからよ!!」
徹夜で6時間運転し、遠路はるばる辿りついたこの秋田の地で最初に行うこと。
それが・・・
「れっつぷれいてにす」
テニス・・・?
母「折角、アコちゃんのお父さんお母さんも来てるんだからやるのよ!さあ起きなさい!」
父、母、兄、アコちゃん、アコちゃんのご両親も皆テニスが趣味である。(しゅんちはそうでもない)
こういう機会は滅多にないということで初っ端から秋田テニス大会が開かれるのであった。
・・ここで、今回の旅のメンバーを紹介しておこう。
父・・・
計画と実行の男。リーダー肌。
計画したことが実現していく事に生き甲斐を感じる為、永久幹事になるようにしてなってしまった。
相変わらず極寒ギャグが得意であるが、最近そのギャグが「味」を出してきた。末恐ろしい事である。
母・・・
おきらく極楽な母。間違いなくしゅんちは母の血が濃い。
思いつきで放つ言葉はやや的を得ている事があり、思わず納得させられる。
行き当たりばったりな性格は見事しゅんちに遺伝。
兄・・・
しゅんちとは一つ違い。かなり勤勉家。頭脳明晰、スポーツ万能。といった絵に描いたような優等生。
くどくどとうんちくをたれるのが趣味。最近アコちゃんと結婚し、ボケが進行した落ち着いたという話も。
アコちゃん・・・
兄のお嫁さん。今回旅行初参加。しゅんちと同い年。
兄の小難しいくどくど話も軽く聞き流す包容力のある女性。
元・管理栄養士でビールとおつまみで偏りがちな兄の食生活を管理する頼もしいお嫁さん。
そして今回のゲスト・・・
エミママ・・・
アコちゃんのお母さん。ノリのよい楽しいお母さん。
どことなくうちの母に似ているのは偶然か・・・?
実はこのHPの読者であり、しゅんちのファンになってくれているらしい。
ユッキー・・・
アコちゃんのお父さん。単身赴任で秋田に一人暮らしをしている。
おおらかでマイペース。「わはは」という笑い声がチャームポイントである。
実は二人とも極楽日記に登場している。 ※act87「兄の家族面談」
・・・以上が今回の旅のメンバーである。
しゅんちは「なんで秋田に来ていきなりテニスなんだよ・・・。」と愚痴をたれながら着替え、眠い目を擦りコートに向かうのだった。
エミママ「しゅんちさ〜〜ん!」
やる気なさげにラケットを抱えブラブラ歩いていると、遠くからテニスウェアに着替えたエミママが手を振りながらしゅんちに呼びかける。
エミママ「秋田まで全部運転したんですってねぇ〜。すごいわね〜!」
しゅんち「え・・・いやいや〜あはは」
初めてねぎらわれ気分良くするしゅんち。
エミママ「今日はね、こんなの作ってきたんですよー!」
そういうとエミママはクリアファイルを取り出しなにやら用紙を取り出した。
それはパソコンで綺麗に作られた
テニスのトーナメント表。
しかもオールカラー。
やる気全開だ・・・。
エミママの今回の旅の気合が伺える。
恐らくずいぶん前から楽しみにしていて、準備も相当凝ったのだろう。
それに引き換え、さっきまで愚痴ってやる気の無いしゅんち。
そのギャップに恥ずかしささえ感じるのだった。
そしてそんなエミママの心意気に心打たれたのだった。
しゅんち「よぉおおおし!いっちょやるかぁぁあ!!」
急にやる気が沸いてくるしゅんち。
片方だけ上がりきっておらず左右長さが違っていた靴下をぐいっとあげ、コートに意気揚々と向かうのだった。
こうして、寝不足の時特有の変な汗をかきつつもテニスにエキサイトするしゅんちであった。
PM 3:00〜
テニスを終えたしゅんちは母に呼び止められる。
母「しゅんちしゅんち。ちょっと買い物付き合ってくれない?」
しゅんち「ん?何買いにいくの?」
母「んん・・ちょっとね・・・。」
なんとなく含みを持たせた言い方の母。
何か企んでいるらしい。
しゅんちもこういう企みは大好きなので快く母についていくことにしたのだった。
しゅんちの運転で、市内へと繰り出す二人。
しゅんち「んで、何買うのよ?」
母「あんた明後日何の日か覚えてる?」
しゅんち「・・明後日って9/23だろ?・・・あっ!兄ちゃんの誕生日じゃん!」
母「でさぁ、プレゼントをこっそり買おうってわけよ。」
しゅんち「なぁ〜るほど!んで、何買うか決まってるの?」
母「お兄ちゃんの喜びそうなものっていったら何かな〜って考えたのよ。」
兄が喜びそうな物・・・。
あまり物に執着心がない兄。
更に趣味も政治、経済、勉強。
今まで考えたことなかったが、兄へのプレゼントがこれほど難しいとは思わなかった。
兄の好きな物とはなんだろうか・・・?
・・・・
カニか?
母「考えたらこれしかない!って思ったのよね〜。」
しゅんち「なになに?」
母「ビール券。」
やはり行き着く先はそんなとこである。
しかし、しゅんちはその案に賛成し、二人は酒屋を目指して市内を徘徊するのだった。
しばらく徘徊すると古めかしいいかにも昔からの酒屋さんを発見。
しゅんちは路肩に車を止め母だけが走って店内に向かう。
しばらくしてもなかなか帰ってこない母。
痺れを切らしたしゅんちは車をそのまま置いて店内に向かってみた。
店内に入るとレジで突っ立ったままの母がイライラした様子で待っていた。
しゅんち「か、母ちゃん?」
母「あら・・・しゅんち。」
目が合うと母はレジの奥でなにやらセッセと作業しているおばさんに向かって目配せした。
作業を覗き込むと、さきいかやタラ千本の袋を包んでいる最中だった。
どうやら、ビール券のおまけとしておつまみも一緒に渡すつもりらしい。
・・そして、数分してようやくレジが済み車へと帰る二人。
車に乗り込むといきり立ってしゃべくる母。
母「ほんっと手際が悪いのよ!あのおばさん!」
しゅんち「わっははは イライラしてんのすぐわかったよ。」
母「リボンとか付けますか?って聞かれて「はい」って答えたのが間違いだったのよ!あれがやたら時間かかってたのよ!よっぽど私が代わってやろうかと思ったわよ!!」
しゅんち「ぎゃっははは でもさぁ、酒屋でプレゼント用に包んでもらうってのが無理あったんじゃない?」
母「それもそうねぇ・・・。」
しゅんち「開業して初の試みだったかもよ。」
母「確かに、あのおばさんワクワクした顔で「包みましょうか?」って言ってたわ。」
あのおばさんの酒屋のレジ人生において、誕生日用に包む事は一世一代の大仕事だったに違いない。
こうして、秋田市内で無茶なプレゼントを用意した二人であった。
PM 5:00〜
部屋で少し休んだ後、ユッキーの案内で秋田観光に出掛ける事になった。
一向は車に乗り込みまずは秋田港に向かった。
「秋田港の夕暮れ」
秋田港は夕焼けの名所らしくかなり綺麗に見えるとのこと。
日が沈みはじめ、空が赤から紫へと変わっていく。遠くにはカモメが飛び交っていた。
まるで金曜ロードショーのオープニングのような夕焼けに一同は感動するのだった。
しばらく夕焼けを楽しんだ一行。
そしていよいよ秋田名物を食べにゆっきーの行き付けの店へと向かうのだった。
「芝良久(しばらく)」
秋田名物といえば「きりたんぽ」である。
この店は本場のきりたんぽを食べさせてくれる地元の評判店らしい。
ゆっきーも会社帰りに同僚とよく来るのだろうか。
店内はこじんまりしていながらも清潔感があった。
奥にお座敷が用意してあり、そこへ案内される。
「きりたんぽ鍋セット」
ここで、きりたんぽ鍋を軽く説明。
きりたんぽ鍋とは秋田を代表する郷土料理である。
しゅんちはきりたんぽを形的にちくわの親戚だと思っていたのだが、そうではなく原料は米でできているのである。
比内地鶏という天然記念物にも指定されている希少価値の高い鶏でダシを取り、焼かれたきりたんぽと一緒に煮込むのである。
猟師が昔、余った握り飯と鳥獣を一緒に煮込んだのが始まりとか。
「仲居さんが作ってくれるきりたんぽ鍋」
仲居さんは秋田弁の暖かい口調で色々と説明しながら鍋を手際よく作ってくれた。
やはり作り方も地元のプロに任せて安心である。
ゆっきーはきりたんぽを作っている間に秋田お薦めの日本酒を教えてくれた。
どのお酒も飲みやすくすっきりとした味わい。
しゅんちも調子に乗りぐいぐいと飲み始める。
「地酒と一緒にいただきま〜す!」
そして、椀に盛られるといよいよ実食である。
鳥スープの良い香りと米の香ばしい匂いが鼻をくすぐった。
まずはスープを一口・・・
んまい!!
味はしょうゆ味。鳥のダシと野菜のエキスが溶け合ったコクのあるスープ。
それにしてもこのスープ何かに似ている?
鳥スープ+醤油=
醤油ラーメン。チーン
醤油ラーメンの味に似ている!?
ラーメン好きのしゅんちに火が付いた。
しゅんち「うっひゃ〜〜〜!こいつはうんめぇ〜〜!お代わりいいっすか!?」
一杯目を軽く平らげ、二杯目に突入。
調子に乗ったしゅんちは誰にも止められないのであった・・・。
きりたんぽと日本酒。
秋田とは本当に米がおいしい土地なのだと改めて知ったのであった。
こうして秋田の日本酒と郷土料理を楽しみながら夜が更けてゆくのであった・・・。
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