2002年2月。
「家族旅行法」に基づく第二回家族旅行が企画された。
今回の幹事は父である。
GWの連休に行く予定。
時期的、価格的にも今がチャンスということも理由に挙げられるが、皆なにより・・・
「南国に行ってみたい」
ということで「沖縄2泊3日の旅」が決まったのだった。
しゅんちは小さい頃から一度は行ってみたかった場所である。
昨年、ハワイという南国に行ったがどう違うのかという事も興味をそそられた。
と・・・楽しみにしている割りには自分ではほとんど何も調べず、幹事父にまかせっきりである。
しゅんちにとっては今回の旅行も行く場所もする事も全て未知。
果たして・・・どんな旅行になるのやら・・・。
2002年4月
PM 8:30〜
今回の移動手段も、7人乗りのオデッセイ。
沖縄へは関西空港からの便で乗る計画らしく一旦大阪を目指す。
兄はいつものように新幹線で実家に向かいそこで親と合流。
そして、しゅんちのアパートに迎えに来てもらい深夜中に大阪に到着するという計画らしい。
しゅんちは仕事を終えた後、アパートで荷物をまとめていた。
すると、携帯電話が鳴り響く。母からである。
母「しゅんちー お仕事お疲れ様〜 あなた旅行の準備してるわよねぇ?」
しゅんち「おうおう。バッチリやってるぜ!・・・ところでさ、俺今回もしょっぱな運転なの?」
前回、徹夜で大阪まで運転させられたということもあり、仮眠が必要なのかと思われた。
母「ん?ああ 今回はお父さんが運転するって言ってたわよ。今日お休みでずっと休んでたのよね。だからあなた運転しなくていいわよ。」
しゅんち「えええ!?マジで!ってことは車で酒呑んでいいってこと!?」
母「もちろんいいわよー おつまみみたいのたくさん持ってくからお腹空かせときなさい。」
なんと・・・今回の旅行はすばらしい展開・・・。
母「あなたが気をつける事は尿意だけね。」
それが一番難しいかも。
しゅんちは運転しなくていいという開放感からか急にお酒が呑みたくなり、昨日の飲みかけたワインをラッパ飲みし始める。
空きっ腹にワインが染みわたり、一気に酔いが回るしゅんち。テンションが上がる。
ワインを軽く空けた後、日本酒にも手をだす始末。
もう止められない。
調子に乗りすぎ。
しゅんちはこうして度が過ぎた景気づけをし、酒の瓶を抱えながら皆の到着を待った。
PM 11:00〜
ここで、今回の旅行のメンバーを紹介しておこう。
父・・・
計画と実行の男。リーダー肌。
前回の旅行の幹事は母でありながら、計画などは全て父が行った。
物事の計画が大好きで、今回の沖縄旅行は正式幹事ということで張り切っていた。
鉛筆で書かれたお手製の計画表は圧巻であった。
なんだかんだで、永遠幹事を務めるのかもしれない。
最近、極寒ギャグがエスカレート気味。
母・・・
おきらく極楽な母。間違いなくしゅんちは母の血が濃い。
前回の旅行では数々の思いこみによる天然ボケが炸裂した。
今回の旅行では果たしてどんな天然ボケを炸裂してくれるのだろうか・・・。
兄・・・
しゅんちとは一つ違い。かなり勤勉家。頭脳明晰、スポーツ万能。といった絵に描いたような優等生。
しかし、裏を返せば不器用な男。
普段は無口なくせに、一度語り出すと「くどくど」と止まらない。
だいぶ笑いのツボがしゅんちとは違い、よくもめる。
最近、6年間連れ添った彼女と「お互いのステップアップをしようと思いまして」と、正座で親に挨拶をしてきたしっかり者。
しかし、その挨拶の日、靴下が左右違う靴下だったという逸話を持つ強者。
以上が今回の旅のメンバーである。
・・・しゅんち携帯に連絡が入る。どうやらオデッセイはしゅんちアパートに到着したようだ。
すでに酔っぱらいのしゅんちはちょっとフラフラしながら荷物を抱えオデッセイに乗り込むのだった。
「ピンキーモンキーも連れてってやることにした」
しゅんち「うぉ〜〜〜いっす!」
勢いよくドアを開け、皆に挨拶をする異常なテンションのしゅんち。
運転席には父。助手席には兄。後ろ座席には母、おつまみを広げていた。
しゅんちは母の隣の宴会席に座る。
こうして、しゅんちアパートを出発。
母「あら・・・あなたすでに出来上がってるわね。ま・・・いいか、はいビール。」
早速、ビールを渡され、父に遠慮もなくぐびぐびと飲み始めるしゅんち。
そして、車は高速道路に入る。
しゅんち「あっ そうそう、今回の旅行もHPに載せるから宜しくね。」
しゅんちは旅行用のメモを取りだし、早速旅のメモを取り始めた。
母「よーし、私今回は変な事しないわっ。私の事良く書いてね!」
すっかり女優気分の母。
兄「あっ そうだ。しゅんちさぁ・・・前回の旅行記読んだけどさ、おまえ俺のキャラをわざわざ作ってないか?
なんだあのくどくどって・・・。
俺はもっと落ち着いてて、深みのある・・・くどくどくど」
そんな深い所別に知りたくない。
父「んー それじゃあ そろそろ 今回の旅行の内容を発表しようか?」
今回の正式幹事の父は得意気にしゃべり始める。
声のトーンがあがる。
彼にとって、この瞬間がたまらなく幸せなのだろう。
父「まず・・・関西空港まで休憩しながらこのまま車で行くんだな。」
しゅんち「ちょっちょっちょ・・・質問。」
父「ん?なんだしゅんち?」
しゅんち「休憩しながらって・・・次の休憩場所はどこ?」
父「・・・おまえ・・・・早速か?」
しゅんちやっぱり尿意。
父「仕方ねえな本当に・・・じゃあ次の小黒川PAで止まってやるよ。それでだな・・・」
父の説明は続くが、しゅんち尿意でそれどころじゃない。
どうやら、関西空港から朝一のフライトで石垣島に行くらしい。
後は聞こえてなかった。
父「・・・というわけだ。しゅんち、おまえちゃんと説明聞いてたか・・・?」
しゅんち「・・・い、いや、小黒川PAで頭一杯で・・・。」
父「通り過ぎてやろうかこの野郎。」
説明を聞いてなかったしゅんちにキレる父。
なんとか小黒川PAに入ってもらい、トイレを済ませ、再び車は出発。
ほろ酔いでウトウトと眠りにつくしゅんちであった。
AM 5:00〜
「立体駐車場PA」
フト目を覚ますと、駐車場らしき場所に到着していた。
どうやら、関西空港近くの立体駐車場付きPAらしい。
ここで仮眠をし、朝7時45分にフライトである。
しゅんちは軽く駐車場を散歩する。
そして撮影。
今回の旅行記の為に、200万画素のオリンパスのデジカメを買ったのである。
前回までの安デジカメとは違い、綺麗ということはもちろんかなりの枚数が撮れる上に削除も可能である。
余計な写真を撮りまくるしゅんち。
軽く仮眠を済ませ、ちょっと早めに空港に到着して、朝食を食べようということで出発。
外は雨が強く降り始めていた。
「関西空港」
助手席で地図を見ながらナビゲーションする兄。
たびたび車酔いに襲われうなっている。
車はループ状の立体道路を走り、徐々に空港に近づく。
外は大雨。沖縄の天気は大丈夫だろうか?
「関西空港内」
車を専門の業者に預け、一行は関西空港内へ。
受付で荷物を預けた後、朝食を食べる為、一行は飲食街を歩く。
カレーの匂いに誘われ、朝っぱらからカレーを食べる事に。
朝からカレーと生中4つ頼む異常な家族。
ようやくありつけた生ビールをうまそうに呑む父。
そして、食事を済ませスターバックスコーヒーで食後のコーヒーを飲んだ後、搭乗待合室に行くことにした。
搭乗待合室に入る時に金属チェックと荷物検査がある。
毎回ながら結構緊張の瞬間である。
しかし、やましい荷物は持ってるはずもなく軽くパス。
兄と共に、今回乗る飛行機を見ようと待合室に足早に向かう。
しかし・・・
後ろを振り返ると母がなかなか通過してこない。
どうも母の赤いハンドバックがチェックされているようだ。
兄「どうしたんだ・・・?もしかして機内で呑もうと思ってたワインボトルが引っかかったかな?」
母はどうやら、機内でワインを呑もうとミニボトルを携帯しているようだ。
しゅんち「ふむ・・・。ワインもひっかかるんかぁ〜。ビンはだめなんかね?兄ちゃん。」
兄「うーむ。俺が思うに、火炎瓶とか爆弾になりえるからじゃねえかな?」
しゅんち「なるほど・・・。」
母の取り調べを遠くから眺めている二人。
しかし、あまりにも長い取り調べで、心配になって近くに駆け寄ってみることに・・・。
近くにいた父に話しかけてみる。
しゅんち「母ちゃんどうしたの?」
父「どうも金属探知器に引っかかったらしい。逮捕されたぞ・・・。」
しゅんち「逮捕?ワインボトルが引っかかったわけじゃないの?」
父「う〜む・・・」
心配そうに母の取り調べを見守る3人。
色々と取り調べを受け、ようやく解放される母。
失態をごまかすように小躍りしながらこちらにやってくる母。
あまりにお気楽なその姿からは反省の色は全く見えない。
母「あっはは〜やだー捕まっちゃったぁ〜。」
しゅんち「んで・・・なにがいけなかったのさ?」
母「果物ナイフ(笑)」
しゅんち「な・・・なんでそんなもんもってんだぁ!!?」
母「いやぁ〜 お兄ちゃん果物好きだから機内でオレンジでも剥いてあげようと思って・・・(笑)」
テロ事件などで特に警護には敏感になってる昨今、ナイフを携帯して飛行機に乗り込もうとした母。
怖い物知らず。そして世間知らず。
母「・・・でもね。肝心な、オレンジは忘れてきちゃったのー あっははは」
もう一回逮捕されてこい。
「飛行機」
今回乗り込む飛行機はかなり小さめ。
搭乗締め切り時間が迫り、一行は飛行機に乗り込む。
ハワイ旅行で結構飛行機には慣れたしゅんちは今回特に緊張は無い。
窓際席を兄に譲ってもらうしゅんち。滑走路を眺める。
激しく雨が窓ガラスに打ちつけていた。
しばらく飛行機は雨の空港を旋回した後、一気に加速、離陸。
ついに、沖縄に向け出発!
「飛行機からの眺め」
飛行機は雲を抜け上昇。
雨はなくなり、綺麗な青空と綿毛のような雲が目の前に広がる。
少し落ち着き、一行は母の持ってきたワインをラッパ飲みし始める。
機内に設置されたヘッドホンで音楽を聴きながら空を眺め、のんだくれたオヤジの様にワインをラッパ呑む。
ワインの酔いが心地よく、再びウトウトとしはじめる。
そしていつの間にか眠りにつく。
・・・飛行機はそのまま順調な運転を続け、予定どおり9時頃奄美諸島上空に差し掛かる。
ヘッドホンの音楽が途切れ、奄美諸島を紹介する機内アナウンスで目を覚ますしゅんち。
「奄美諸島」
現地の気温は27℃。まさに常夏。
最初心配された天気は晴れのようで、一安心。
しゅんちの期待も高まっていく。
この感動を伝えようとフトとなりに座った兄を見ると、もの凄い格好で爆睡中の兄。
首を思いっきり傾げ、ちょうど「なんでだろう?」の時のポーズ。
しゅんち「兄ちゃん!兄ちゃん!外がめっちゃ綺麗だよ!」
兄「・・・ん・・・ん? そ・・・外? あぁ・・本当・・・だ・・・・・・・・・Zzzzz・・・」
再び寝る。相当眠いらしい。
再び首を傾げ眠り始める兄。
恐らく、昨日は徹夜で父と難しい話で盛り上がっていたのだろう。
夢の中でも悩んでいるのだろうか?
・・・そして、飛行機は石垣島に無事着陸を果たす。
ついに沖縄に到着である!
AM 10:00〜
「石垣空港到着」
先ほどの機内アナウンスで聞いたように気温は高く非常に暑い!
しゅんちは長袖を着ていたので腕まくりをする。
空港待合室で預けた荷物を待っていると父がなにやらタクシーを捕まえに出掛けて行った。
どうやら、お昼過ぎまではタクシーで石垣島を観光する予定らしい。
しゅんちは眠そうな顔をしている兄に話に話しかける。
しゅんち「いやーついに到着しちゃったねぇ!どうよ!感想は?」
兄「いやぁ〜 よく寝たよ。」
淡白。
つまらん反応。
父はタクシーを捕まえ、荷物番をしている皆を呼びに来た。
どうやら父は観光案内所で、街案内の出来るタクシーを手配してもらったらしい。
荷物を持ちタクシーに向かう一行。水色のタクシーが待機している。
ドライバーは女性であった。
荷物をトランクに積み込み、早速車に乗り込む。
すると、シートが沖縄らしく水色。壁はオレンジ。度派手な内装。
驚き早速撮影。
「観光タクシー車内。女性ドライバー」
自慢の車内を撮影され、得意気に女性ドライバーはしゅんちに微笑む。
こうして「沖縄、石垣島の観光」がはじまった。
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