shunchiの極楽旅行記


PM 1:30〜

戸をガラガラと開け店内に入る一行。
店内は田舎の定食屋というイメージで、作りは古いが、小綺麗で好感がもてた。

一行は4人掛けのテーブル席に座る。テーブルもイスも木造。
壁に貼ってある手書きで書かれたメニューを眺める。

メニューを眺めていると店員の色黒の女の子が注文をとりにくる。
条件反射的に皆は口を揃えてまずは注文。

「生中4つ大至急。」

「オリオンビール」

乾杯をしたあと物もいわずにビールを呑む一同。
ぐびぐびっと一口呑んだ後にフト気付く。

「オリオンビール」。

見たことのない銘柄である。

父曰く、沖縄限定のビールメーカーで現地の人はこのビールを主に呑んでいるらしい。
非常に口当たりが軽く、ぐいぐいといける。コクのある発泡酒という感じ。
熱い南国の人はこのビールを水のようにガンガン呑むのだろう。
しゅんちはこのビールが気に入った。

そして、ビールを呑みながら注文をしはじめる。
店員さんを呼び、メニューの説明をしてもらった。
色々食べてみたかったので、ソーキそば、八重山そば、ゴーヤチャンプル、ソーメンチャンプルを各一つずつ頼んでみる。

喉が乾いていたせいか、妙にビールがうまい。
これからでてくるであろう沖縄料理に胸が高まる一行。

しばらくして最初にゴーヤチャンプルが運ばれてきた。
本場沖縄料理初対面である。

しゅんちはこの感動を写真に残すと皆に告げる。

しゅんち「ちょっと写真撮るからまだ食べないでね。」

そういうとしゅんちはカメラを構える。

はい。チーズ。

パシャ。





おい。
撮影を阻止する母。

しゅんち「なんで手出すんだよ!!]

しかもかなりナイスタイミング。

母「い・・いや、お箸をとって上げようとおもって・・・あはは・・」

写真を撮るという話を聞き流していた母。
人の話を少しは聞け。

撮影を終え、皆はがっつくようにゴーヤチャンプルに箸をのばす。

・・・実はゴーヤは初体験のしゅんち。
緑のキュウリのようなゴーヤを一つ口に運んでみる。

ぱく・・・

・・・・


苦ぇ。
すげーー苦ぇ。

顔をしかめるしゅんち。どうも苦いというより渋いといったほうが言いのだろうか。
しかし、父と母は感動の声を上げている。

父「このゴーヤはうまいな。家で作るゴーヤとは全然違うぞ。」

母「うん!本当においしい!どうやってるのかしら・・・家でも作りたいわぁ。」

しゅんちとは全く逆の評価を下す親二人。

しゅんち「あのさ・・・これのどこがおいしいわけ?苦いじゃん。」

母「あらら、本当っあなたってお子ちゃまねぇ。この味が分からないわけ?」

完全に子供扱いのしゅんち。

しゅんち「いいもんべっつにーお子ちゃまでも。ぐびぐび・・・」

お子ちゃまならビールをガンガン呑むな。

そして、次にソーキそば、八重山そば、ソーメンチャンプルが運ばれてくる。
今度は母に厳重警告をし、撮影をする。

「手前から、八重山そば、ソーメンチャンプル、ソーキそば」

豚からダシをとってると聞いていたのでとんこつラーメンのようにこってりしているのかと思いきや、意外にあっさりとした見た目。
どちらかというと関西風うどんの薄いダシのようなイメージ。
八重山そばとソーキそばは見た目はほとんど一緒。
まずは一番手前にあった八重山そばから食してみることに。

ず・・ずるっずるる・・・

スープは見た目通りあっさり系。薄味ながらも豚味のコクのあるスープ。
麺は細く丸い。ちょうど極細のうどんのような感じ。うどんよりもコシがある。
上に乗ってるのが豚を甘辛く煮込んだような、角煮を刻んだような物がのっている。
かなりうまい。

元々、うどん等のダシ物が好きなしゅんちは夢中になって八重山そばをすする。

そしてしばらくして料理をローテーションした。

お次はソーメンチャンプルを食す。
色々な野菜とさつま揚げを刻んだような物がのっている。

ソーメンは意外にコシがあり、ちょうど焼きビーフンのようなイメージ。
これもうまい。

感激で体をのけぞらせるしゅんち。

しゅんち「うはー こりゃうまいね!ん・・・あれ何だ?」

その時、フト気になる物が目に入った。

「泡盛・・・?」

瓶はどうやら泡盛のようだが、中に唐辛子のような物がたくさん入っている。
しゅんちは店員のおばちゃんを呼び止めこの瓶の正体を聞いてみることにした。

しゅんち「あのーすみません。これってなんですかねぇ?」

おばちゃん「あっはい。えーっとですね。これは泡盛に唐辛子を漬けた調味料なんです。」

どうやら、現地の人はこの調味料をソーキそばやソーメンチャンプルなどにかけて食べているらしい。

父「よし。早速かけてみようか。」

しゅんち「あーーっと、ちょっちょっ ソーキそばノーマルバージョン食べてないからちょっと待って。」

そういうとしゅんちはソーキそばを手元に引き寄せ慌てて食べ始める。

・・味は八重山そばとほぼ一緒。若干こってりしているという感じか。
さらにのってる豚肉が骨付き。まさに骨付きチャーシュー。
それにしても豚肉が柔らかくて非常にうまい。

ソーキそばの試食を終え、さっそく先ほどの泡盛をかけてみる事に。
酸味の強い匂いが鼻をつく。ちょうどタバスコのようなイメージ。

泡盛をかけた後、早速スープをすする。
かなり辛い。
すぐさま、どんぶりを横に座っている父に奪われる。

父「どれどれ・・・。じゅるる・・・ほぅ!こりゃ辛いなっ!じゅるじゅる・・・」

辛いと言いながらうまそうにどんどん食べる父。

しゅんち「おいおい!父ちゃん全部食う気じゃねえだろうな!返してよ!」

父「まてまてっ俺だって全然これ食べてないんだからさ!」

かなり気に入ったらしく、どんぶりを返してくれない父。

しゅんち「あーーっ!麺が終わりそうじゃんかよ!ちょっちょっちょ残しといてよ!あーーーっ今肉食ったろぉ?」

どんぶりを引っ張り争う二人。
かなり幼稚。

そして、全ての料理を完食。沖縄料理を堪能する一行であった。
少し食べ足りない感じもあったが、腹は常に空けといた方が旅が楽しくなるということで腹八分目にしといた。
大満足で店を出る


食後にウーロン茶でも飲もうと店の外に設置されている自動販売機に近づくしゅんち。
すると、いつも見慣れてるはずのコカ・コーラの自動販売機に見慣れない缶が3ヶ所ほど占領している。
その名は「さんぴん茶」
どうやら、沖縄ではウーロン茶よりもこのお茶の方が扱いが上のようだ。
しゅんちは早速さんぴん茶を買い飲んでみる。

香りの強いジャスミンティーという感じ。
豚料理を食べた後にこのお茶ですっきりさせるのだろう。

沖縄人常食料理を食べ、常飲お茶を飲み沖縄食体験を満喫するしゅんちであった。


PM 2:10〜

一行はタクシーに再び乗り込み、次なる場所へ。
タクシーは海沿いを走る。
母は先ほど食べたゴーヤチャンプルの作り方についてタクシーのおばちゃんにしきりに聞いていた。
どうやら、つぶつぶが大きい物があまり苦くないらしい。

しゅんちは満腹感からか、少し眠くなり母とおばちゃんとの会話をぼんやり聞きながらうつらうつらと外を眺めていた。
フト横を見ていると面白い植物を見かけた。

「マングローブの木」

海に木が生えている・・・?
どうやらマングローブという木らしく、遠浅の海に根付き、生えているらしい。
その風景はとても幻想的だった。


・・本当に寝てしまいそうになったしゅんちは眠気さましにおばちゃんに話し掛けてみた。

しゅんち「あのー。ヤシ花粉ってのはあるんですかね?」

ハワイに行ったときに、ヤシの木が杉の木並に生えていた事から「ヤシ花粉はあるのか?」という疑問を抱いていたしゅんち。
ここですっきりさせようと思ったのだった。

おばちゃん「はい?沖縄はですねぇ。花粉症の人はいませんよ。」

しゅんち「ほえ?ヤシに花粉がないとかじゃなくて?」

おばちゃん「はい。花粉というより花粉症の人自体、一人もいないんですよ。」

どうやら、沖縄には花粉症という病気は皆無らしい。
よほど空気が綺麗なのだろうか?

おばちゃん「えっとねぇ・・・昔、私のアパートの隣に母と子2人の親子が住んでいたんですけど、どうも話を聞くと東京から来たらしいんですね。」

しゅんち「ふむ。」

・・話を聞いていくと、その子供達は重度のぜん息になってしまい、旦那さんを東京に残し親子三人で環境の良い場所で療養する為、、沖縄に移り住んだらしいのだ。
まさに逆単身赴任。

おばちゃん「その子達は中学校3年間こちらに住んでたんですけど、卒業する頃にはピンピンになってて、二人ともスキューバの選手になったらしいですね。かなり肺活量の必要なスポーツなのにね。あはは」

どうやら、沖縄とはとても空気が綺麗で気管支系の療養にはとてもいい場所らしいのだ。
その子供達は持病を完治させ、元気に東京に帰ってたという。

しゅんちの質問からずいぶんと興味深い話を聞けた。
バカ質問たまには役に立つ。

この話の感動を共感しようとフト横を見る。
兄&母、寝てる。


おばちゃん「あっ。ここ綺麗ですからお写真撮りましょうね。」

フト、おばちゃんは高台にある、簡単なパーキングのような場所に車を停める。
目の前には素晴らしい風景が見渡せた。

皆を起こし降りてみる。

「オアシスみたい」

島に囲まれた海のようだ。
ちょうど砂漠にあるオアシスのような雰囲気。
一行はおばちゃんに並ばされ、記念撮影をとってもらう。

しゅんち「いやー綺麗ですね〜。」

しゅんちは柵にもたれかけながら、おばちゃんに感動を伝える。

おばちゃん「はい。景色も綺麗なんですが沖縄人はゴミも捨てません。たばこのポイ捨てもしないんですよ。」

沖縄人は島を汚さないというエチケットを徹底しているらしい。
おばちゃんは誇らしげに語った。

おばちゃん「ささっ 次の場所に行きましょう!」

最初からずっと張り切りっぱなしのおばちゃん。
おばちゃんは心底、この島を愛しているんだなとしゅんちは思ったのだった。

おばちゃん「あっ!!あれは!!?」

一行が車に乗り込もうとすると突然大きな声を出すおばちゃん。
目に手をかざし、まるでUFOでも見つけたかのようなリアクションで空を見上げる。

おばちゃん「あれはカンムリワシですよ!カンムリワシ!天然記念物です!」

興奮して騒ぎ出すおばちゃん。

おばちゃん「なかなかお目にかかれないんですよ!こりゃ・・・この旅はきっと良い旅になりますよ!よかったですね!」

おばちゃんが言うには現地の人でさえ滅多に見れることのないカンムリワシ。
これを見た人は良いことがあるという。
なんともラッキー。

そして、車は次なる場所へ・・・


PM 2:20〜

「米原海岸」

一行は7年前オウム真理教が集団キャンプを行った有名な米原海岸に到着。
当時、自衛隊が大勢この辺一体に集結していたらしい。

一行は波打ち際に歩いて行ってみる。
砂浜は天然の珊瑚のカケラが散らばっており歩くとガラスの上を歩いているような音がした。
たぶん裸足無理。

しばらく波打ち際で海を眺めた後、記念に珊瑚のかけらを拾う。
皆、形がいいのを探すのに熱中した。
白い珊瑚が多く、大きさは10cm前後。
まるで骨。
ちょっと変な想像に身震いするしゅんち。

ビーチには海水浴をしている人もいて、体を焼くために寝ころんでいるビキニの女の子二人もいた。
父&しゅんちそっちに目が釘付け。

しばらく砂浜を歩いたあと、タクシーに戻る一行。

おばちゃん「どうでした?」

おばちゃんが父としゅんちに感想を聞いてくる。

父&しゅんち「いやぁ・・・良かったです。」

別の意味でよかったらしい。

再びタクシーに乗り込み、次なる場所へ。
石垣島観光は時間的に次の場所が最後になると思われた。


PM 2:40〜

「シーサー」

次の観光地に向かう途中、信号待ちでシーサーの石像が目に入る。
しゅんちが興味深そうにシーサーを眺めているとおばちゃんがそれに気づき説明してくれた。

沖縄は魔よけの為にシーサーを家庭に飾る習慣があるらしい。
口を開けてるのがオス。口を閉じているのがメス。
必ず、つがいになっているということ。

おばちゃん「最近はねぇ、創作シーサーというのが流行っていて、みんな自由にシーサーを創作するんですね。
その横に飾ってある派手なのもシーサーですよ。」

しゅんちは創作シーサーを撮影・・・

「創作シーサー」

原型はとどめてない。
特にシーサーの定義は無いのだろうか?


PM 2:50〜

「御岩崎灯台」

そして、一行は御岩崎灯台に到着。
この奥の崖の方に歩いていくと素晴らしい絶景が見れるらしい。
一行は遠足気分で歩いて行ってみる。

「てっぽうユリが咲いている」

崖っぷちの草原には天然のてっぽうユリが咲いていた。
花好きな母は感動して、あれこれとおばちゃんに花の事を聞いていた。

今頃気付いたが、めちゃくちゃ暑い。
考えてみれば、気温19度くらいの場所から28度くらいの場所に来たのだ。
なのに全く同じ格好。

周りを見ると他の観光客は半袖に短パン。
しゅんちは長袖の上にシャツを重ね着しており、こんな天気に変な格好に気付く。
端から見ると相当の寒がり。

服に汗がにじみ気持ちが悪かった。

母「あのー沖縄はいつもこんなに天気がいいんですか?」

母はあまりに天気がいいのでおばちゃんにこんな質問。
たしかに素晴らしい天気である。

おばちゃん「ええっとですねぇ。今日は割と雲があるほうですかね。

どうなってんだ沖縄。
この天気で悪いほうって・・・いい天気だとどうなってしまうのだろうか?


PM 3:10〜

一行は御岩崎灯台を後にし、この後、今日宿泊する小浜島に向けてフェリーに乗る予定。
そして、小浜島行きのフェリー乗り場に到着。

「フェリー乗り場」

すでにフェリーは港に到着しており、乗客はほぼ乗船完了しているという感じだった。

おばちゃん「それじゃ 気をつけて下さいね!」

時間的にギリギリだったので、急いでタクシーを降り、タクシーのおばちゃんに別れを告げる。
そして一行はフェリーに乗り込むのだった。


小浜島に向かう一行

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