shunchiの極楽旅行記


第2日目 AM 7:20〜

しゅんちはテレビから流れるニュースの音で目を覚ます。
どうやら、親二人は既に起きているようだ。

しゅんち「ん・・・おはよう・・・。」

母「あら?しゅんち起きたわね。おはよう。あなた達昨日は何時まで起きてたの?」

母はニュースをみながら化粧をしているようだ。

しゅんち「ん〜・・・昨日は兄ちゃんとビール呑んでて・・・2時くらいかな。」

兄も母としゅんちの会話が聞こえたかむっくりと起きあがり、ベットの上で目をぱちくりとしていた。

しゅんち「そうそう、昨日の夜、散歩行ったんよ。そしたらミヤーゴミヤーゴってすんげぇ鳴き声がしてさ。ねぇ兄ちゃん。」

兄「ん・・・。ああ、すごい声だったな・・・。」

母「ふむ。なんの鳴き声かしらねぇ。」

しゅんち「めっちゃ怖かったん。」

しゅんちは話をしながらベットから起きあがる。
すると、窓から見える景色の良さにびっくりし、慌ててデジカメを持ちベランダに出てみる。

「ベランダからの眺め」

しゅんち「ひゃぁ〜今日もすんげ〜晴れてる!」

その時・・・

ミヤーゴ ミヤーゴ ミヤーゴ

しゅんち「ん・・・!?この声は・・・」

しゅんちは声の聞こえる方向をよく見る。

しゅんち「・・・そうか、こいつらの声だったのか・・・。」

母「あら本当にいい天気ねぇ〜。」

化粧を終えた母がしゅんちに習ってベランダにやってくる。

しゅんち「母ちゃん。これだわ。俺達が聞いた鳴き声って孔雀だった(笑)」

母「孔雀・・・?あの派手な羽の鳥?」

どうやらミヤーゴの主は孔雀。
はいむるぶしでは庭で孔雀を放し飼いにしているようだ。

母「あらぁ・・・?羽開いてないじゃない。」

しゅんち「羽はねぇ、相手を求愛するときにしか開かないんだよ。」

昔読んだ動物図鑑に書いてあることを思い出したしゅんち。

このメンツ相手じゃ開きませんぜ。
フェロモン不足の二人であった・・・。


AM 8:00〜

一行は朝食を食べる為、レストランに歩いて向かう。
朝は気温もまだ高くなく、すがすがしかった。
朝日に照らされたはいむるぶしの芝生がとても綺麗だった。後ろを振り返ると真っ青な海が見え爽快。
こんな環境だったら毎日もっと起きれるのになぁと思うしゅんち。
実際なら、3日で起きれなくなると思うが。

レストランに到着。
朝食はバイキングになっていた。

一行は席を確保した後、各々がトレーを持って朝食を取りに行く。
料理は和洋取り揃えてあった。
しゅんちは和食をメインにチョイス。

席に戻ると皆もそれぞれに好きな物を取り、席に戻ってきた。
やはりそれぞれ性格が伺える。

兄、和洋めちゃくちゃ。

全員席に戻り、食べはじめる。

父「う〜〜ん。なんかチャンプルチャンプルってよく言うけど、結局ただの野菜炒めだよなこれ。」

父はタマゴチャンプルを食べながらしゅんちに話しかける。

しゅんち「ああ。タクシーのおばちゃんが言ってたけどさ「チャンプル」って混ぜるって意味らしいよ。」

父「あっ そうなのか。」

しゅんち「そうそう。ミックスジュースはチャンプルジュース。それから「あっちょっとトランプをチャンプルしといて」でもいいんだろかね。へっへへ」

しゅんちは軽く冗談。

父「なるほどっ!じゃあこれは・・・
昨日さぁ〜飲み会でチャンプルしちゃって二日酔いだよ。」

しゅんち「それはチャンポンだろ。」

その時、母の目が光った。・・・かのように見えた。

しゅんち「ふむ・・・なんだこの納豆?豆がずいぶんとやらかいぞ・・・。」

納豆を食べていたしゅんち。
いつも食べてる納豆よりも随分やわらかい豆にびっくりする。
沖縄の納豆は豆がやらかいのだろうか・・・?

父「しゅんち・・・その納豆じゃナットク(納豆食う)しないってのか?」

・・とその時突然。

母「ちょっとあなた!ひどすぎるわ!」

父「・・・え。」

急にいきり立つ母。

母「もうちょっとセンスのいいこと言えないの!?この間も寒くてずいぶんと恥を・・・」

どうやら、父の極寒ギャグについに母の堪忍袋の緒が切れたらしい。

母「テンポが悪いのよ!テンポが!」

その時、無言で朝食を食べていた兄が・・・

兄「いや。父ちゃんのギャグは面白いと思うよ
あのさ・・・一瞬つまらねーーって思うけど、よくよく考えるとじわーっとこう・・くどくどくど

父「おお。そうか!おまえそう思うか!」

母・しゅんち「・・・・・・。」

このバカ親子ほっとこう。
・・・と目で合図をする母としゅんちであった。


AM 9:00〜

今日の予定は、午前中はレンタカーで小浜島を探索し、午後はビーチで遊ぼうということになった。
父は早速、レンタカーを手配しに出掛けていった。

母はなにやら準備がしたいということで部屋に戻り、兄としゅんちはロビーのソファーでのんびりしていた。

兄「あっ そうだ。しゅんちゃんしゅんちゃんデジカメ撮らせてよ〜。」

今日も朝からちゃん付けで気味が悪い。

しゅんち「んー ちゃんと撮れるん?分かった!今日のカメラマンは兄ちゃんに任したぞ!しっかり撮ってくれ!」

おもちゃを与えた時の子供の顔でデジカメをうれしそうに受け取る兄。
すると、なにかを撮ろうとデジカメを胸に抱え、外へテクテクと歩いていったようだ。

しばらくした後、しゅんちも兄を追いかけようと玄関に出ていってみる。
すると何かを取り終えた兄が小走りでニヤニヤしながらやってくる。

しゅんち「なんか撮った?」

兄「おう。牛撮って来た。」

しゅんち「どれどれ・・・」

「水牛 ※兄撮影」

本当に牛だけだな。
動物園に来てるんじゃないんだからと突っ込みたいしゅんち。

しゅんち「・・・他には?」

兄「おう。ちょっとみてくれ。」

しゅんち「ふむ・・・。」

「アヒル ※兄撮影」

動物しか撮らんのんかい。

発想が小学生レベルの兄。
しゅんちは兄のかわいい一面を知ってしまうのだった・・・。

そんな風にして玄関で兄弟が戯れていると、オンボロの車が玄関にやってくる。

父「よう!おまたせ兄弟!」

オンボロ車のドライバーは父。
どうやら、そのオンボロ車は父が借りてきたレンタカーらしい。

「レンタカー」

所々ぶつけてあって右のボディなど凹んでいる。
こんな自然のあふれる場所だからそんな細かいことは気にしないのだろうか?

一行はオンボロ車に乗り込み出発。運転手はしゅんち。
とりあえずクーラーは使えそうなのでよしとする。

さあ、小浜島探索に出発だ!


AM 9:30〜

「小浜島探索 車窓から ※兄撮影」

しゅんち「とりあえずどこ行きましょうか?」

タクシーの運転手気取りのしゅんち。行き先を父に聞く。

父「まずは大岳に行ってみよう。どうやら展望台があるらしいんだわ。」

しゅんち「了解〜。」

しゅんちは小浜島の自然あふれる道をぐんぐんと走らせて行った。

しゅんち「あ!兄ちゃん!ちゃんと撮ってる?」

兄「おう!ちゃんと撮ってるぜ!おっ チャンス!パシャ よし。」

「馬 ※兄撮影」

また動物かよ。

どうやら、彼のシャッターチャンスは動物にあるらしい。

15分くらい運転して一行は大岳に到着。
車を路駐し、展望台に行くために階段を登るのだった。

どうやら地元の小学生がちょうど遠足に来ているらしく、ちょこまかと駆け上がっていく小学生にまみれて一緒に階段を登る一行。
階段はかなりの段数があった。頂上までは10分程度かかった。

しゅんち「ひゃ〜〜綺麗だね!」

頂上につくと小屋風の展望台があった。
360°景色が一望できるようになっていた。かなりの絶景。
しゅんちはベンチの背もたれの上に腰掛け景色を眺めた。

しゅんち「あっ!兄ちゃんカメラ貸して!」

やはり大事な場面だと感じたしゅんちはこの場所は自分で撮影することにした。

「展望台からの眺め」

その展望台からは小浜島が全望できた。赤い屋根のペンション風の建物は別荘地かなにかだろう。
遠くに見える山のない島はどうやら無人島らしい。
本当に小浜島全体が見渡せ、素晴らしい景色だった。

やっぱり撮影は兄にまかせなくてよかった。


AM 10:30〜

大岳展望台を後にした一行は再び車に乗り込み次なる場所へ。

母「次はアレ見に行きましょう!「和也の木」!」

父「おお!そうだな。よしっ しゅんち、この道を左に行ってみてくれ。」

突然、父と母が「和也の木」に行きたいと騒ぎ出す。
しゅんちと兄はなんの事だかさっぱりわからなかった。

しゅんち「あのさ・・・行くのはいいけど、和也の木ってなんなん?」

母「あのねぇ。「ちゅらさん」で出てきた木なのよ。」

しゅんち「ああ。ちゅらさんね。でも俺なんて全然見てないから感動もなにもないぜ。」

確かにその通りである。

しゅんち「じゃあさ・・・ちゅらさんのあらすじを教えてくれよ。」

母「うん。わかったわ。」

母は話を大げさに話す傾向がある。
あることないこと大げさにしてしまうという点は欠点だが、逆に話をドラマチックに話してくれるという利点でもあった。
感情豊かに話しはじめる母。

母「舞台はこの小浜島なの。和也と文也って言う小学生の兄弟がいてね、兄の和也が不治の病の冒されちゃうの。
んで入院生活なんだけど、そんなある日、和也にフト、チラシが空から舞い込むのよ。」

どうやら、それは沖縄小浜島の民宿のチラシだったらしい。

母「和也はねそのチラシを見て「この島に行きたい!」って熱望するのよ・・・。残りの自分の人生を小浜島で暮らしたいって思ったのかね。」

こうしてその兄弟は小浜島に移り住んだという。
昨日のタクシーのおばちゃんの話しになんとなく似ている。

母「そしてそこでえりぃと出会うのよっ!あっ 主人公の女の子ね。三人はまるで兄弟のように仲良くなって毎日遊ぶの。」

まるで、本当にあった出来事のように話す母。

母「和也は少しだけ元気になるんだけど、やっぱりダメだったのね・・・。死期が近づくの・・・。」

しゅんち「ふむ・・・だめなんか。」

母「そこで三人は一つの木の苗を植えるのよ。そこである約束をするの。」

しゅんち「どんな?」

母「和也がね「将来文也とえりぃは結婚してくれ」って、文也がえりぃを幸せにしてくれってその木の下で願うのよ。」

しゅんち「なんかベタな恋愛ドラマの展開だな・・・。」

母「いいの!それがいいのよー!役者も本当に家族みたいでいい演技だったのっ本当におもしろいドラマだったわ!」

しゅんち「じゃぁ その約束の木が「和也の木」ってわけだ。よし!分かった行こう!和也の木に!」

こうしてしゅんちは和也の木を目指して車を走らせた。


AM 11:00〜

「さとうきび畑が見える ※兄撮影」
結構ましな写真撮ってるじゃん(笑) しゅんち

車はさとうきび畑に囲まれた細い道を走っていく。
走ってる車はほとんどいなく、道路の真ん中をずんずんと走る。

先ほど聞いた「ちゅらさん」は既に放送は終わっていて、お話としては完結をしている。
しゅんちはその後の展開が気になり、最後まで母にストーリーを聞くことにした。

しゅんち「そんで?えりぃと文也は結婚するん?」

母「うんとね、和也が死んじゃった後、えりぃと10年後会う約束をして文也は東京に帰るのよ。」

しゅんち「東京に帰っちゃうのか?あらら・・」

母「そんで月日は流れて10年後、えりぃは東京に行くわけなのよね。もちろん文也に会いにね。」

しゅんち「マジで・・・?文也に女とかいたらどうするん?約束守ってるとは思えないけど・・・。」

母「そうなのよっ!文也にはちゃんとした彼女がいたのよ。」

しゅんち「やっぱりな・・(笑)」

母「文也は和也みたいな病人を直すんだ!って思って医者になったのよね。んで、彼女も女医なの。」

しゅんち「なるほど・・・なんかいやらしいな。」

母「え?あなたなにを想像してるの?
まぁ・・それでね文也はえりぃとの約束なんて忘れちゃってるの。というかしょうがないわよね、子供の時の約束なんだしね。」

しゅんち「男ってひでぇもんだな・・・。ま、医者だしモテモテだろうな。しょうがないっちゃしょうがない。」

母「それで、えりぃも看護婦を目指して勉強するわけよ。その下宿先が舞台となってるわけなのね。」

しゅんち「ああ、あのゴリとか管野美穂とか出てたのね。」

母「んまーその役者さん達が本当に撮影を楽しんでるって感じで、楽しさがこちらにまで伝わってくるのよ。話としてはたいしたことないんだろうけどね。」

しゅんち「そんで、文也とえりぃはどうなるん?」

母「えりぃは文也に近づくために一生懸命勉強して看護婦になるのよね。」

しゅんち「健気やなぁ・・・てか、文也の事本当に好きなん?」

母「うーん、やっぱり昔の面影からすごく気の合う人だって分かってたんでしょ?でね、文也も徐々にやっぱりえりぃと一緒に居た方が楽しいって事に気がついて、彼女と別れるのよ。」

しゅんち「おお。略奪愛ね?」

母「んまー色々あったんだけどね。ま、その辺はいいとして、二人は結婚するのよ。それで子供もできるの。」

しゅんち「なんかトントン拍子だな。」

母「だから、色々あったって言ってるでしょうが(笑)まぁそんなお話なの。」

しゅんち「んー・・・結婚して子供まで出来て、最終回はどんなオチなんよ?」

母「それが納得いかないのよー!えりぃがガンになっちゃうのよ。」

しゅんち「え?死んじゃうの?」

母「ほら、文也がお医者さんでしょ?だから文也が手術をしてえりぃを助けるって設定なの。」

しゅんち「ははん・・・和也を助けられなかったから今度こそはえりぃを助けるってやつか。」

母「文也は本当に怖いのよ手術がね。愛する妻が死ぬかもしれない手術だし。」

しゅんち「そうだよな・・・震えちゃうよな・・・」

母「それでも見事に手術を成功させてハッピーエンドってわけ。」

しゅんち「なるほどーーっ 見てみたかったなあ・・・ちゅらさん。」

母「ねえ?お父さん。私の話間違ってなかったわよね?」

父「ん・・まあ だいたい合ってるんじゃないか?」

適当な母の話だけに「だいたい」って所が気になるんですが・・・。

そうこうしてる内にアスファルトの道は途切れ、砂利のあぜ道に差し掛かってくる。

しゅんち「こんな所走るん?」

父「・・・たしか、この辺だったと思うんだがな・・・。」

父は地図を持ってるわけでなく、先ほどロビーで見ただけのようだ。

父「まあいい・・・このまま進んでみよう。」

ガタガタと不安定な道を走る車。
徐々に海岸の方へと近づいていく。

しゅんち「あーー!兄ちゃんちゃんと撮ってる?」

フト、兄がちゃんと撮影をしているのか気になったしゅんち。

兄「ん・・・あっ!?おっと・・・」

やはり撮影を忘れていた兄。
慌てて景色を撮影する。

「草・・・? ※兄撮影」

何撮ってるんだ一体。

撮れば良いってもんじゃない兄。

そのまま車は細いあぜ道をひた進む。
果たしてこんな所を走っていいのだろうか?

ボーボーに覆い茂った草がバシバシと車に当たる。
ボロ車で良かったと痛感。

父「ありゃー 行き止まりだ。」

車は防波堤に辿り着く。どうやらこれ以上は先には進めないらしい。
一応海を眺めようと車を降りる一行。

遠くまで見渡してみるが人っ子一人いない。
まさにプライベート海岸という感じだ。

見えている海はもの凄く透明度が高く、ちらほらと泳ぐ魚が見えた。

しゅんち「う〜〜ん 和也の木見つからないねぇ。」

父「うーん、さっきの道は真っ直ぐじゃなくて右に曲がれば良かったんだな。よし戻ろう。」

狭い場所でのUターンを試みるしゅんち。
父がなんだか心配そうに見守っている。いつまでも子供扱いなのだろう。

しかし、なかなかうまくUターン出来ない。

父が邪魔で。

父はあーしろこーしろと身振り手振りジェスチャーするが、父がどいてくれれば難なくUターンできそうだった。

しゅんちはしっしっとハエを追っ払うジェスチャーを見せるがなかなか気付かぬ父。

早くどけ。

母がしゅんちのジェスチャーに気付き、父を引っ張ってどける。

そして難なくUターン。

息子の頼もしさと自分のおせっかいぶりに苦笑いをする父であった。


AM 11:30〜

先ほど来たあぜ道をガタガタと戻る車。
上り坂の景色がとても綺麗だったので、車を停め、兄からカメラを奪うしゅんち。早速撮影。

「あぜ道」

しゅんち「ふー いい写真になりそうじゃん?兄ちゃんさー こういうの撮ってくれよな。」

兄「おう・・・分かった。」

得意気なしゅんち。
そしてカメラを返すしゅんち。

すると、兄はまた何かカメラを構える。

兄「よし・・・これだ・・・。」

パシャ

「昼顔の花 ※兄撮影」

なんか色々反射しちゃってますけど。

窓ガラスとカメラを離しすぎたのか、反射して色々写っている。
カメラマンとしての自覚に乏しい兄。
ま・・・綺麗な花なので許すとしよう。

そして車は坂を上がり、先ほど右に曲がれば良かったという道へ走っていく。
和也の木を目指して。

しゅんちは雰囲気を出すために「ちゅらさん」の主題歌に使われたKiroroベストフレンドを太い男の声で歌う。
Kiroroも台無し。

さぁ・・・和也の木見つかるのだろうか・・・?


小浜島探検だ!後編

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