shunchiの極楽旅行記


AM 11:45〜

しゅんち「ありがと〜〜う ありがと〜〜う ベェェェストフレェェェン♪」

しゅんちの歌はまだ続いていた。
いい加減誰か止めろ。

父「おかしいな。この辺にあるはずなんだけどなぁ。」

しゅんちは和也の木を目指して車をうろうろとさせていた。

しゅんち「その木ってなんか、目印とかあるの?」

父「わからん。」

よくよく考えてみたら、和也の木と言っても、日立のCMの「気になる木」くらい特徴があればいいが、どうも普通の木らしい。
どれが和也の木なのかなんて本当にわかるのだろうか?

母「う〜〜ん。この辺、ドラマで見たような景色なんだけどな・・・。あっ!」

突然、何かを発見したかのように母が声を上げる。

母「あれ!あれそうじゃない!?」

父「おお?ああ そうかもしれないなぁ!」

「和也の木?」

しゅんち「おおおお〜 あれか!」

知らずに感動のしゅんち。
おまえ見たことないだろ。

一方、「ただの木じゃん」と言いたそうな兄。
対照的な兄弟である。

どうやら、その場所は私有地の牧場らしく、立ち入り禁止。
とりあえず一行はたぶん和也の木を遠くから眺めるのだった。


PM 0:00〜

たぶん和也の木を見学した後、このまま島を一回りしてみようということで、しゅんちは車を適当に走らせるのだった。
窓から見える景色はほとんど畑。島の端まで一面に広がっていた。

道を走る車はほとんどみかけず、しゅんちの走らせる車の音だけが辺り一面に響き渡っていた。

「畑が広がる風景」

のどか。


この言葉がよく似合う場所であった。

母「あっ みてみて あそこの家の庭にヤギがいるわ!」

民家の庭で飼われているであろうヤギがこちらに乗りだし見ていた。
その時カメラを持っているのは兄。


・・・ということは





「ヤギ ※兄撮影」






やっぱり撮るか兄。

動物撮影は兄に任せて安心。
今度、動物園に行くことがあればカメラは兄に持たせようと誓うしゅんちであった・・・。


PM 0:05〜

しゅんちはその後も思うまま、自由気ままに車を走らせていた。

しゅんち「おっ あれはなんだ?」

しゅんちはフト遠くに白い建物を発見した。
早速、そちらに向かうことにした。

「何かの神殿のような建物 ※兄撮影」

母「あら・・・閉鎖してるわね・・・。ロープが張ってあるわ。」

どうやら、その建物は元リゾートホテルらしい。今は人影も見えない廃墟と化していた。
歴史及び、経済的な事に興味のある兄はキョロキョロと興味深そうにホテル敷地内を見回していた。

「誰もいないコテージ ※兄撮影」

敷地内の草はボーボーと覆い茂り、誰も手入れをしていない様子。
ゾンビでも出てきそうな雰囲気。

兄は相変わらず興味深そうに建物を眺めていた。
どうやら、沖縄の経済の動向などを分析しはじめているのだろう。
そしてゆっくりと口を開く・・・。

兄「ふむ・・・どうやら、半年前のテロ事件で観光客が激減し、このホテルの経営の悪化を促したんだろう・・・。」

経済学者のようにしゃべりだす兄。

兄「いやまてよ・・・バブルの好景気に便乗してオープンしたはいいが、バブルがはじけて・・・くどくどくど」

それにしても・・・
兄はこの観光で一番と生き生きしているように見えたのは気のせいだろうか・・・。


PM 0:15〜

そろそろ、レンタカーの返却時間がせまっていた。
しゅんちはある提案をする。

しゅんち「あのさぁ。ホテルのビールってすんごい高かったんだよね。だからどっかお店で買いだめしてかない?」

母「あらっ!あなたたまにはいいこと言うわね!じゃあ、お昼ご飯もそこで何か買って部屋で食べましょうよ。」

こうして、商店のありそうな場所を目指して車を走らせることに。
ところが・・・

しゅんち「しっかし・・・コンビニなんてのも一つもないねここは・・・。」

運転すれども、すれどもコンビニどころか、お店らしきものは見つからなかった。
とりあえず、民家のある場所を目指して走らせる。
人が集まる所にはなんらかのお店があるはずと思ったからである。

「民家を撮影」

車は、民家の集まる住宅街に差し掛かった。

母「ああ!みてみて!赤い屋根!ちゅらさんに出てきた家ってこんな感じよ。」

赤い瓦の独特な雰囲気。この様式は沖縄式かなにかなのだろう。

母「ほら見て。ちゃんと屋根にソーサがいるわっ!」

へ・・・ソーサ?
屋根の上にソーサ?

たしかソーサって・・・


兄「それは大リーグだろう。」

☆兄豆知識
サミー・ソーサ (シカゴ・カブス 背番号21)
’98年、マグワイヤ選手とのホームラン競争で一躍有名となる。
’99年にはホームラン66本を放ち、ナ・リーグでMVP。
もはや、シカゴ・カブスの顔。大リーグでもっとも有名な選手の一人である。


野球好きの兄、いつになく鋭い突っ込み。

母「あら・・・(笑)」

シーサーとソーサを勘違い。
屋根の上で野球でもするつもりだったのか母。

やっぱり適当。(今回の旅2回目)

母「なによっ!ちょっと言い間違えただけじゃない!」

逆ギレの母。

父「・・・というかおまえさ、こういう間違いって最近特に多くないか?」

母「・・・・・・・・・。」

父、痛恨の一撃。
多少心当たりがあったのだろう、相当凹む母。
無言のまま、しょんぼりとうなだれるのであった。


父「おっ あれお店じゃないのか?よし!しゅんちそのまま真っ直ぐ行け!」

ようやく、それらしいところを発見する。
そして、一行はついに商店にたどり着くのだった。

「前本商店到着」

車を商店の前に横付けし、店内へ。
店内はこじんまりとしていてなんだか懐かしい雰囲気が漂っていた。

陳列された商品は・・・
ジュース、お酒、お菓子、缶詰、調味料、お弁当、アイスキャンディー、日用雑貨。
一応、一通り揃っているようだった。

しゅんちはまずはオリオンビールをカゴに入れる。
そして、つまみとなるお菓子をどんどんとカゴに入れてった。

フト、昨日の夜にバンバンやっていたローカルのCMを思い出し、「金ちゃんラーメン」と「泡盛 菊の露」もカゴに放り込む。
地元の人がよく呑むお酒とカップ麺を食べてみたかったからだ。

しゅんちは買う物が決まると店内をぐるっと眺めてみた。
どうも全体的に値段が高めであった。
恐らく、島まで運ぶ為の運送費などがかかっているからだろう。
売ってる物も、どうも見慣れないメーカーがあり、興味をひいた。

こうして、それぞれに買い物を済ませ、店を出る一行。

レンタカーの返却時間が迫っていたので急いでレンタカー屋に向かうのだった。


PM 0:30〜

一行はレンタカー屋で車を返した後、レンタカー屋のおばちゃんにホテルまで送ってもらうことに。
おばちゃんのワゴン車に乗り込むのだった。

おばちゃん「いや〜 どちらからいらっしゃったんですか?」

母「はい。長野から来たんですよ〜。」

おばちゃん「へぇ〜 えらい 遠い所から来なさったんですねぇ〜。」

どうやら、レンタカー屋のおばちゃんは気さくな感じ。

しゅんち「そういえば、この島にはお店ってほとんどないんですかね?」

おばちゃん「あぁ〜 こっちにはお店はほとんどないねぇ〜。地元の人は大体の人が石垣島まで買い出しに行くんですよ。」

やはり、小浜島にはお店らしいお店はほとんど無く、フェリーで石垣島まで買い出しにいくのが普通らしい。
ちょうど、電車かなんかで街に買い物にいく感覚で海を渡るのだろう。

おばちゃん「ところで・・・そこのお兄さん二人はおいくつですか?」

しゅんち「えっと・・・俺が25で、こっちが一個上の26ですね。」

おばちゃん「あらっ ちょうどいいわ〜 婿なんかに来てくれないかしら〜うふふ」

母「あら〜(笑) こっちは婚約者がいるんでダメですけど、向こうのは独身なんですよ。うふふ」

母はまるで三流ゴシップ雑誌の記者のように色恋沙汰の話が大好き。
男と女が一緒に歩けば「熱愛発覚」と報道する程の危険人物なのである。

よって、この手の話しは得意分野である。

母「ちょっとさえないけど、向こうのを置いてくわっ。」

おみやげのごとく置いて行くな。

おばちゃん「あらあら!いいわねっ。是非、婿に来て下さい!でも家の子供は二人とも・・・
男なんですけどね。」

おい。

一体どこに来いというのだ。

まさかおばちゃんの所に来いとでも・・・。
軽くめまいのしゅんち。

おばちゃん「たしか・・・ちょうどいい年頃の女の子があの家にいますよぉ〜。婿に来て下さい〜。」

・・・どうやら、おばちゃんは自分の家に婿に来いと言ったわけではなかったらしい。

人口500人の小浜島。恐らく、島民全員が家族みたいなものなんだろう。
島に他から人が来ることは島全体の喜び。

しゅんちはこの島民達の家族の絆のようなものを感じるのだった。


PM 0:45〜

部屋に戻った一行は早速さっき買ったオリオンビールを呑む。
そして、お昼ご飯として買ってきたパンやおつまみをむしゃむしゃと食べはじめた。

母「あっ そうそう。これも買ったのよ。」

母が自慢げに取り出したのは缶詰。
どことなくアメリカ的なデザインのその缶詰は「ポークランチョンミート」と言うらしい。
缶の形はコンビーフのようになっていてクリクリと巻き取って缶を開けていった。

中身はハムとソーセージの中間のような豚肉のミンチの固まり。
大きいスプーンで缶を抱えほじくって食べた。
まるで戦場の兵士が食糧補給しているような雰囲気である。

しゅんち「なんなのこれ?モグモグ・・・」

母「あのねぇ 沖縄の人達はねぇ このポークってのを使って色々料理するらしいのよ。沖縄独特の食材みたいになってるらしいのよね。」

しゅんち「ふーん なるほどねぇ。でもさ・・・これってデザインって沖縄ってより、外国っぽくない?」

缶詰の文字は全て、英語。沖縄独自で作られたのではなく外国からの輸入品だと思われた。

兄「あのさ、沖縄ってのは終戦後ずっとアメリカの領地だっただろ?その時の配給物資が定着したんじゃねえのか?」

しゅんち「ほうほう。なるほどね・・・グビグビ・・・」

父「恐らく、その時食べたコレが妙においしいと思ったんだろうな。この缶詰がごちそうだったのかもしれんな。」

しゅんち「ふむふむ。モグモグ・・・」

しゅんち食うだけ。
知識無し。

母「あ、そうだお父さんにはこれこれ。」

すると母は丸いドーナツのような物を父に渡す。
父は極度の甘党である。

母「あのね。これはサーターアンダギーって言って沖縄の独特のお菓子らしいのね。」

どうやら小麦粉を揚げた物に砂糖をまぶしたお菓子らしい。

父「おお!これか!!ちゅらさんでうまそうに食べてたの!」

どうやら、これはちゅらさんで出演者の人がすごくおいしそうに食べていたお菓子ということだ。

母「このお菓子をねぇ。ほんとみんなうれしそうに食べるのよ。あれはたぶん演技じゃないね。」

父はサーターアンダギーを受け取ると、まるで子供のようにニコニコしながらむしゃむしゃ食べていた。
甘い物を食べているときの顔は本当にいい顔である。

父「あっはははは まずいな〜コレ。」

いや、とてもまずそうには見えませんが。

甘い物をうまいとは言わない男の見栄なのだろうか・・・。


こうして、一行はまるでおやつのような昼食を済ませるのだった。

午後からはビーチにて遊ぶ予定である。
一行はそれぞれに準備をし、ビーチに向かうのだった。


ビーチで遊ぶぞ〜!

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