AM 9:00〜
今回訪れる場所は「トマムアルファリゾート」。
トマムスキー場を囲むようにして3つの高層ホテルがそびえ立ち、和洋中と各種取りそろえたレストランをはじめとしたレストランモールや他にもレジャー施設が充実している。
まさにスキーをしながら快適に過ごせるリゾートスキー場ということだ。
トマムアルファリゾートへはJR電車「スーパーあおぞら」に乗り1時間程度で到着する。
一行は早速電車に乗り込むのだった。
しゅんちは窓の外を流れる雪景色を見ながら、先ほど駅で買ってきた北海道ご当地ビールの「サッポロクラシック」と駅弁を取り出した。
父「おいしゅんち。そんなもん大してうまいもんじゃないぞ。」
駅弁をわざわざ買ったしゅんちに口出しをする父。
しゅんち「いやいや、父ちゃん。こういうのはうまいから買うんじゃなくて、楽しいから買うんだよ。」
父「ふ〜む。なるほどな。」
しゅんちが目を付けたのは「北海弁当」北海道の具材がたくさん乗った弁当であった。
しゅんち「ほれ父ちゃんみてみ。具がすげーんだわこれ。」
イクラ、ウニ、カニ、ホタテ、ホッキ貝、ニシン、コーン。
かなりベタ。
しゅんち「この弁当で北海道を丸飲みってわけだ。むふふ」
父「ほうほう。北海道を丸飲みってか。」
楽しそうな顔でしゅんちの弁当を眺める父であった。
しゅんち「そんじゃウニからいただきま〜す。」
パクパク・・・
ウニってこんな味だったっけ?
父「ははは、やっぱりうまいもんじゃねーだろ?」
お世辞にも美味しい弁当とは言えなかったが、なかなか楽しめた。
こうして電車は雪の中をトマムアルファリゾート目指し走り続けるのだった。
AM 11:00〜
一行を乗せた電車はようやくトマムアルファリゾートに到着した。
さすがに皆、睡眠不足と旅の疲れで寝ていたようで、それぞれに眠い体を起こし、荷物を抱え電車を降りる。
電車から降りると、早速冷たい風と雪が出迎える。寝起きの体はなぜだか普段以上に寒い。あまりの寒さに目が覚めるのだった。
そして一行はホテル直属の車幅が普通の車の3台分はあろうかと思われるバスに乗り込む。
「別に横に伸ばした画像ではないッス」
バスは15分程走り、今回泊まるホテル「タワーホテル」に到着。
超高層ビルのようなそのホテルに今日から2日間泊まるのである。
なんとなく収容所に監禁される囚人のような気分になったしゅんちであった。
「タワー」
一行はホテルに到着すると、チェックインをしたり先に送ってあったスキーを受け取ったりした。
そして、スキー専用のロッカールームで荷物整理などをした。
・・というかほとんどの作業を父が一人でやってしまい、しゅんちと母はバカ話に花を咲かせていた。
父「よっしと。これでOKだな。」
一仕事終えて満足げな父。
母「それじゃお部屋に行って荷物を置いたら早速探索に出掛けましょう!」
しゅんち「おおっ!いいねーいいねー!」
そういう時だけ元気な二人。
一行は部屋に行き、衣類などが入ったバックを放り込むとジャンパー代わりにスキーウェアを羽織りホテル探索に出発するのだった。
PM 12:30〜
それぞれの施設はガラス張りになった渡り廊下を歩いて行く。
まず向かった先は夕食を取る場所の下見である。
父「んとな。ここは海鮮物が食べ放題のとこがあるらしいんだな。」
しゅんち「海鮮物食べ放題?」
焼き肉食べ放題は良く聞くが海鮮物の食べ放題は聞いたことがない。
一行は15分ほど歩きようやく海鮮物食べ放題レストラン「海鮮市場」に到着。
母「昼はやってないみたいねぇ?」
しゅんち「でもこれでいくらなの?・・・ん?5000円かぁ・・・。」
父「5000円ねぇ・・・。」
実はしゅんちは海鮮物は嫌いではないが大好物ではなかった。
カニは食べるが、隣にあまりにもうまそうに食べる人がいればあげてしまう人なのである。
兄が横に座った時などはほとんど献上してしまうのである。
しゅんち「カニとか食べ放題で俺どんだけ食えるかな・・・?」
母「私もあまり食べれないと思うなぁ。」
父「5000円で酒とか呑むなら一人7000円くらいかな?」
三人「う〜〜〜〜ん」
7000円の元が取れない気がした三人。
しゅんち「食べ放題じゃなくて、海鮮専門店でそれなりに食べた方がよくない?」
・・というわけで、夕食は海鮮専門店にする事に決まった。
そして一行は昼食を食べるためレストランモールに移動。
母「じゃあさ、お昼はなににする?レストランいっぱいあるわよ!」
しゅんち「おうおう!こりゃ迷うねぇ〜。」
そしてレストランモールに到着。
一旦外に出るような格好になり、広い中庭のようなスペースにコテージ風の店舗が建っている。
海鮮居酒屋、パスタ屋、海鮮食堂、中華料理、ジンギスカン屋と色々揃っていて、他にもコンビニやパン屋、ゲームセンター、おみやげ屋と様々な店が並んでいた。
恐らく、アルファリゾートのレストランショッピング街といったところだろう。
母「なんか中華料理がおいしいらしいわよ。さっきエレベーターでおばさん達が話してた。」
しゅんち「ふむ。中華か!いいねぇ!」
すると、ずっと押し黙ってた父がぼそりと呟いた。
父「北海道にまで来てなにが中華だ・・・。」
しゅんち「え?」
父「北海道つったら決まってるだろ?」
しゅんち「もしや・・・海鮮物・・・?だって夜も食べるんでしょ?連続だよ?」
父「俺は構わないけどな。」
やばい。彼はやる気だ。
・・というわけで父は二人をその一言で黙らせ、海鮮丼が食べれるお店に入るのだった。
店内は木造で北海道の炉端焼き屋をイメージさせた。
三人は早速注文。しゅんちはウニイクラの二色丼を頼んだ。
注文した後しばらく待っていると、先ほどまでスキーをやっていた若者が数名入店してきた。
男「いや〜すげ〜雪だね〜。こりゃ今日はもう終わりかな?」
女「うん。超寒かったねー。今日は終わりにする?」
そんな会話を繰り広げていた。
やはり外の雪は弱まることなく降り続いているらしい。
今日スキーをするのはちょっと厳しいだろう。しかし、スキー狂の父の事である。構わずやると言いかねない。
しゅんちはこれからの予定を遠回しに聞いてみることにした。
しゅんち「外は大雪みたいだね父ちゃん。」
父「そうだなー。」
しゅんち「それにしても疲れたねぇ〜やっぱあんま寝てないからな〜。」
父「うむ。少し疲れたな。」
さすがの父も疲れたか。ということは・・・
しゅんち「いやー部屋でちょっと眠りたい気分だよね〜」
父「そうか?そうでもないな。」
え?
しゅんち「さ、さすがに今日は雪だし、ま、まさか到着して直ぐにスキーをする人なんていないだろうね。」
父「いや、そんなことはないと思うぞ。」
やばい。彼はやる気だ。
こうしてしゅんちは疲れていようが吹雪だろうが腹をくくり雪山に突っ込む覚悟を決めた。
・・この時しゅんちはこの旅行は完全に父の趣味であることに気が付いたのだった・・・。
PM 2:00〜
一行は食事を済ませ先ほどスキーを運び込んだロッカールームで着替えをすることに。
強烈な吹雪と言うことなのでフェイスマスクやゴーグルをしっかり着用することにした。
そして、服のつなぎ目から寒気が入らないようにしっかりとベルトなどを締めた。
スキー靴を履きながら先ほど食べた海鮮丼の感想を話すしゅんち。
しゅんち「さっきのさー確かにおいしいんだけどさ、どう思った?」
母「う〜〜ん。そうねぇ〜まぁまぁって感じかしらねぇ・・・。」
確かに海鮮丼はおいしかったのだが正直なところ長野でも食べられるレベルと感じていたのだった。
しゅんち「具の量が普通だよねぇ・・・。俺はもっと大量にウニが乗っていてウニで前が見えませんってくらいのが良かったんだけどなぁ・・・。」
母「ははは そうよねぇ〜。」
父も横で黙ってその会話を聞いていたのだった。
「スキーもしまえるロッカールーム」
一行は支度が出来るとスキーを担ぎスキー場へ移動。
さすがに北海道。この重装備でも寒気がウェアを突き抜けて来た。
しゅんち「ぎょえぇ〜〜さびぃ〜〜〜!!」
しかし、ここで文句ばかり言うと父の睨みが怖いのでそれ以上は言わないことにした。
父「それじゃあまずはこのリフトに乗ってそれからあっちのに乗って・・・」
先ほどまでスキー場の地図をじっくり見ていた父。
早速場所を把握しているらしく、これから滑る予定を教えてくれた。
そしてまずはかなり長めのペアリフトに乗り込む一行。
父と母は二人で乗り、しゅんちは一人で乗った。
このリフトは普通のリフトよりもかなり距離があり、これ一本で山頂近くまで行けるのだった。
リフトに乗ると色々と考え事をしてしまう。
小さい頃は考え事をすることも少なく苦痛でしかたなかったリフトであるが、色々と考え事の多くなった最近ではそれほど苦ではなくなった。
目の前に広がる最高のロケーションを眺めながら思案にふける。
時には人生の事などを考えたりもして。
ちょうどこのリフトも長かったので考え事をするしゅんち。
白銀の世界にそびえ立つ流れる木々を見ていると色々な思いが頭を巡った。
・・そして15分ほど乗りようやく山頂付近に到着。
しゅんちは二人に駆け寄った。
しゅんち「あのさ〜リフトで色々考えたんだけど・・・」
二人「ん・・・?」
しゅんち「夕飯ジンギスカンにしようぜ。」
夕飯の事だけ考えていたしゅんち。
しゅんち「やっぱりここは海鮮物ばかりじゃなくて、北海道らしい食べ物を攻めた方がいいと思ったんだよね。」
母「あ〜〜そうよね〜〜。さっきくらいの海鮮物なら長野でも食べれるしね!」
父「うむ・・・俺もどっちでもいいぞ。」
父折れた。
・・ということで雪が猛烈に降る雪山の山頂で夕食について語り合う三人であった。
PM 5:00〜
極寒の中のスキーは2時間程度で終了。
最初は寒かったものの、やり始めてしまえばそれほどの寒さは感じずに滑れたのだった。
ちょうどプールで「潜ってしまえば寒さを忘れる」といった状態。
雪は降っていたもののスキー場の感じがなんとなく掴めて来た。
スキーを終えた三人は普段着に着替えしばらく休んだ後、夕食を食べるためにジンギスカンのお店に向かったのだった。
「ジンギスカン屋の窓から」
向かったお店は「焼き肉ハウス 楽園」。
厳選されたラム肉やカルビ。他にはサラダやスープなんかが食べ放題なのである。
「焼き肉食べ放題なんて・・・」と渋っていた二人であったが、「ノリが大切」と二人をなだめるしゅんちだった。
一通り肉や野菜を持ってきて、生ビールで乾杯。
一口肉を口にした瞬間それぞれに見合う三人。
しゅんち「うひゃ〜〜!こんなにおいしいラム肉は初めてかも!」
母「うんうん!確かにおいしいわこの肉!」
父「うむ。うまいなこりゃ。」
どうやら、しゅんちの提案は大当たり。
食べ放題の肉でこれほどの物が出れば大したものである。
うまい肉だったのでビールがどんどんすすみ、肉や野菜を食べまくる三人。
こうして酔い酔い気分で一日目の夜が更けてゆくのだった・・・。
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||