Shunchiの極楽旅行記


2000年10月。
しゅんち実家にて家族会議が開かれる。
家族旅行法の法案についてである。

「家族旅行法」とは・・・
現在H家は(しゅんち家)父、母、兄、しゅんちの4人家族である。
しゅんち、兄、親二人は違う地に住み、別々の生活を送っている。
そこで、この先、家族疎遠を防ぐため、毎年盆暮れ正月以外の家族が集まる毎年恒例行事を作ろうというのがこの法律(家訓)の意図である。
全員収入のある社会人なので、会費制にし、幹事は毎年ローテーションさせていくということも決めたのだった。

こうして「家族旅行法」が制定したのであった・・・。


2001年10月。

家族旅行法に基づく記念すべき第一回家族旅行である。
今回の幹事は「母」である。

今回の目的地は母のこんな一言から決まった。

「和歌山ラーメンが食べたい」

こうして、今回の目的地は「2泊3日和歌山の旅」に決定したのだった。

しゅんちは目的地を聞いていただけで、当日になるまで詳細は確認していなかった。
果たしてどんな旅になるのだろうか・・・。


第1日目 PM10:30〜

今回の移動手段は親の車7人乗りの「オデッセイ」である。
計画としては、東京に住む兄は新幹線で実家に向かい、そこで兄と共に3人でしゅんちアパートに来るという。

・・・当日、予定通りしゅんちアパートに到着。
そこで荷物を積み、車に乗り込み今回の旅の計画を聞くことにした。

しゅんち「おっす!久しぶり!今回はどんな旅行なん?」

幹事は母であるが、旅を仕切るのが大概父なので、父に聞くしゅんち。

父「うむ、まあ、しゅんちとりあえず腹減ってるだろう?どこかお店に入って話そうか。」

晩飯は一緒に食べようと言われていた為、ご飯抜き状態だったのだ。

しゅんち「おうおう!腹減ったよ〜・・・。でもさー今の時間やってる店少ないんだよな〜。」

しゅんちの住む町は田舎なので閉店も早いのだ。

しゅんち「やってるといえば・・・ファミレスか居酒屋か(笑)

冗談交じりに話すしゅんち・・・すると・・・

母「居酒屋にしよう!」

急に身を乗り出す母。

しゅんち「え・・・酒のむんか?誰が運転するん?」

母「あんたに決まってるじゃない」

母なんの躊躇もなく恐ろしい発言。

しゅんち「おいおい・・・居酒屋に入ってこの酒好きの俺に一人だけウーロン茶飲めってのか!?

家族にとってみればしゅんちは一番下っ端である。
しかし、今となっては学生でもなければましてや今回は会費制でお金も払っている。
もっと自己主張していいはずである。

しゅんちは食い下がった!

しゅんち「兄ちゃんに運転させればいいじゃねーかよー!」

兄「俺はもう運転した。」

しゅんち「は?いつ?」

兄「おまえのアパートまで」

しゅんち「おいおい・・・そんなのせいぜい1時間くらじゃんかよー!」

兄「いいかしゅんち・・・。俺は東京暮らしでほとんど運転しないんだ。おまえと比べたら恐らく、おまえは俺の10倍・・・いや100倍は運転経験はあるわけだ。要するに俺の1時間はおまえの100時間分に・・・くどくどくどくどくど」

能書きをたれるのが得意な兄である。

しゅんち「・・・くっ」

しかし言いくるめられ納得してしまうしゅんち。
そして、母が決定的な一言を・・・

母「あんたさ・・・お酒の呑むとトイレ近いでしょ?

しゅんち「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

しゅんちKO。
たしかにハワイ旅行の時はバスを止めた経歴がある。なにも言い返せないしゅんち。

こうして居酒屋後の運転手が決まりお店に入る一行であった・・・。


PM10:45〜

ここで、軽く家族紹介をしておこう。

父・・・
計画と実行の男。リーダー肌。
とてもしゅんちの父とは思えない程の仕事ぶりで、親戚一同が集まり大人数でスキーに行くときなど、全員分の朝食を作り、全員分の荷物を車に積み込み、現地までの運転を全て一人でこなすという逸話を持つ実にパワフルなおじさん。
本人としてはみんなが喜んでくれることに生き甲斐を感じているため、みんなまったく気負いなくすべてを任せきってしまうのである。
結構物静かでたまに言うギャグは極寒である。

母・・・
おきらく極楽な母。間違いなくしゅんちは母の血が濃い。
直感力、感受性は多少優れているが、かなり適当。
陽気な性格で、騒いだりするのはいつも母としゅんちである。

兄・・・
しゅんちとは一つ違い。かなり勤勉家。
頭脳明晰、スポーツ万能。といった絵に描いたような優等生。
しかし、裏を返せば不器用な男。
つまらぬ所で笑いのツボに入り「うひひひ・・・」と小声でこっそり笑っているようなタイプ。
能書きが得意。

以上が今回の旅のメンバーである。



・・・一行は海鮮系の大型居酒屋に入り、早速注文をした。
もちろんしゅんちはウーロン茶である。

しゅんち「さて今回の旅行の計画を聞かせてもらおーか!」

しゅんちは事情徴収をする刑事のごとく父に詰め寄った。

父「うむ。まずなぁ・・・和歌山ラーメンを食べるってのが今回の旅の主旨だけどな・・・
  大阪まで足をのばそうと思うんだ。」

・・・大阪?大阪でなにを・・・



父「USJを見学しようとなっ!」

ニヤリとほくそ笑みビールを一口飲む父。

・・・USJ。正確に言うと「ユニバーサルスタジオジャパン」。
つい半年ほど前にオープンしたばかりのテーマパークである。
本来、親はこういうテーマパークは嫌いなのだが、しゅんちの趣味を考えての配慮だったらしい。
しゅんちは興奮した!

父「そんでな・・・恐らくもの凄い混むと思うんだよな・・・。だから見学はあくまで午前中だけにしようかと思うんだな。」

・・・なるほど、開園と同時に人気アトラクションをカバーしようってわけだな・・・。
でも待てよ・・・大阪に朝一ってことは・・・

父「それでしゅんち・・・。おまえに徹夜で大阪まで運転してもらうってわけだ。」

・・・!
そんな強行スケジュールなのか・・・?
しゅんちはこの日ちゃんと仕事をしており、徹夜で運転をするのはかなりきついかと思われた。

しゅんち「ちょ、ちょっと・・・それきつくない?」

父「おまえ・・・前もってちょっと寝とけよって言ってあっただろう!?まさか寝てないのか!!?」

計画を狂わされることをもの凄く怒る父。急に怒り口調。
実は言いつけをやぶりゲームをして遊んでいたしゅんち。
言い返せない・・・

父「まあ・・・なんとか運転しろや・・・。んでだな午後は和歌山ラーメンを食べるってわけだ。」

・・・ある統計によると現在の一番人気は「和歌山ラーメン」であると主張する父。

父「もちろん・・・お店は事前調査済みだ。地元一番店と思われる店をピックアップしてある。」

さすが父・・・まかせておいて安心だ・・・と兄に目で合図を送るしゅんち。
兄もその合図に気付き相づちを打つ。

その時、店員が「アスパラベーコン」を持ってきた。
アスパラベーコンは今や定番になったアスパラの周りにベーコンをくるんで串に刺してあるものである。
しかし、なんか不自然にもお皿の真ん中に一本だけである。

母「あら・・・これ誰が頼んだのかしら・・・。一本ってのも変よねえ・・・。」

兄「え・・・さっき自分で「アスパラベーコン一つ」って注文してたぞ・・・。」

母「え・・・?おかしいな・・・」

メニューを見返す母。

母「あらやだ〜!「かぼちゃとアスパラのグラタン」を注文しようとして間違えちゃった〜!
どうりで店員さんが「・・・一つでいいんですか?」って聞いてくると思ったわ〜!ぎゃははははは」


・・・アスパラと見ただけで条件反射的にアスパラベーコンと言い切ったらしい・・・。

さすが適当な母・・・旅の計画をまかせなくて良かった・・・と兄に目で合図を送るしゅんち。
兄もその合図に気付き相づちを打つ。


PM 11:30〜

居酒屋を後にし、車を高速道路に向けて走らせるしゅんち。
後部座席はシートを倒し、足を伸ばせるようにしてあり、親二人は布団をかぶり爆睡モードである。
そして、助手席には兄が座った。

しゅんち「ちっくしょ・・・散々呑んだあげくに、爆睡しやがって・・・ぶつぶつ・・・」

兄「まあまあ、しゅんちゃん機嫌を直してさ〜。眠くならないように俺が話し相手になってやるからさ〜」

お気に入りの韓国のりをかじり、持ってきた缶ビールを呑みながらしゅんちの機嫌を取る兄。

兄「なんの話をしようか〜・・・そうだ、まずは中東問題について・・・」

しゅんち「おい!余計寝るって!」

経済新聞を毎日読み、政治経済、社会情勢に関する書物を毎日2冊くらい読む兄の話題はこんなのばかりである。

兄「う〜〜〜ん・・・じゃあ、最近の話題で今回のテロ事件の時代背景について・・・」

しゅんち「事故って死にたいのか!?」

しかし、逆にしゅんちはそっち方面の話は全然詳しくないので、兄と話すことにより知識を得る部分が多い。
ということで、結局その話題に付き合うことにしたのだった・・・。

夜の高速道路を走り、通り過ぎる町のネオンを横目に、話はテロ事件の話題から、日本の大衆文化の話になり、挙げ句の果ては日本の教育論に移行していった・・・。

・・・そしてしゅんちは5時間程運転をし、西京都PAまで運転をこなした。
時刻は午前5時である。

さすがに限界である。
後部座席で爆睡している二人を起こした。
しゅんちはやっとビールにありつけ、一缶を一気のみで開けたあと、一気に眠りについた・・・。


AM 6:30〜

しゅんちは尿意の為、目を覚ました。
寝る前のビールがたたったらしい。
起きたとき既に限界点の9割くらいであった。
外は既に明るかった。

運転をしている父のシートに近づき・・・

しゅんち「お、おはよう!やべぇ・・・おしっこ漏れそうだ!どっかトイレに止まってくれ!」

父「おう。というかもう到着だぞ。」

どうやらちょうどUSJに到着したところだったらしい。
そして車はUSJ駐車場へと入っていった。

「むちゃくちゃ広いUSJ駐車場」

車を止めた後、トイレに向かうしゅんち。
トイレはずーーーーーっと先のUSJ入り口付近にあるらしい・・・。

トイレに向かおうとすると、父が下見を兼ねて一緒に行ってくれるという。
こうして、二人でUSJの入り口まで探索にいくのであった。

こういうテーマパークは初体験の父。
作り物の場所は嫌いと言い切っていた父。
そうはいいつつ本当は楽しみなんじゃないのか・・・?


300mくらい歩きようやくトイレにたどり着く。

トイレを済ませ、父と共に入園ゲートまでいってみることに・・・。

「USJ入園ゲート前」

すでに人はまばらに集まっていた。
各照明に設置されたスピーカーからは60年代アメリカの音楽が流れ、ハリウッドのような雰囲気があふれていた。

ふと、横をみると父はその音楽に合わせ鼻歌を歌っていた・・・。
どうも歩きも早足である。

やはり楽しみなんじゃないのか・・・?

下見を済ませ、車に戻る二人。

車内でぐうたらしている母と兄。
父は二人を起こし話し始めた。

父「おい!人がもうすでにいっぱいいる!のんびりしてる場合じゃないぞ!」

へ・・・そうか?そんなにいたかな・・・?

父「できれば・・・今から出発して並びたいくらいだ・・・。」

母「だって開園は8時でしょう?まだ7時すぎじゃん・・・。ちょっと早すぎない?」

父「なにをそんなにのんびりしたことを・・・」

そこでしゅんちは・・・

しゅんち「父ちゃん・・・あれくらいの人だったら全然平気だよ・・・。」

そして追い打ちをかけるように・・・

しゅんち「実はこの中で一番楽しみにしてるの父ちゃんだろ?」

父「う・・・・」

図星をつかれ黙り込む父。

どうやら本当は楽しみでしかたがなかったらしく、走り出したい気持だったようだ。


結局、今すぐに出発はしないまでも開園30分まえ・・・7時半に現地に向かうことにしたのだった・・・。


AM 7:30〜

入場門は2段階になっていて、1段階目の門は開門していた。
1段階目の門をくぐると、チケット売場やおみやげ屋などがあった。

チケットの購入を父にまかせ、ちょっとおみやげ屋などをみることに・・・。
すると、噴水の所にみなれた物が・・・早速撮影。

「見慣れた物」

兄を呼び寄せ、そのオブジェの前でアホなポーズで写真を撮り合う。


そして時刻は7:40くらいになり、開園ゲートには行列が出来始めた。
一行はその行列に並ぶことにした。

すごい人だかりである。

「すごい人だかり」

どうやら・・・早く開園しそうな雰囲気があった・・・。
ゲートの向こうでは「ポパイ」やら「ウッドペッカー」などが踊り始めている。
やはりディズニーに比べるとキャラが弱い・・・
まあ・・・それは仕方がないだろう・・・。

そしていよいよ入園である!


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