shunchiの極楽旅行記


PM 3:00〜

USJを後にした一行。
運転は父に任せ、しゅんちと兄は車に戻るとぐったり倒れるように眠りについていた。

どうやら車は2時間ほど走り時刻はPM3:00になっていた。
しゅんちはむっくりと起きあがり、目の開かぬ「ひな鳥」のような顔で窓の外を眺めてみた。
すると、立派なお城が目に入る。

しゅんち「おはよぅ・・・さっきのって何城?」

父「おう。和歌山城だ。えっと・・・この辺だったと思うんだけどなぁ・・・。」

ようやく和歌山市内に入ったらしい。
どうやら父はチェック済みだと言っていた和歌山ラーメンのお店を探しているようだった。
しゅんちは「ふうん」と言った後、またゴロンと横になった。

しゅんちは寝ながら通り過ぎていく町並みを眺めていた。
やっぱ他県はなんとなく雰囲気が違うなと思っていた。

父「お!発見!発見!おい、おまえら起きろよ!」

広いバイパスに面したかなりボロ目のお店に到着。

外からみたらとても有名店には見えない。せいぜい近所のかき氷屋さんといったところだろう。
お店の名前は「井出商店」
まるで雑貨屋のような名前である。

車を裏手の駐車場に止めお店に向かう。
玄関でまずは撮影・・・。

「井出商店正面」

ガラガラと扉を開けるしゅんち。
すると、店内を見て驚く。

狭い店内はお客がぎっしりで、更に驚いたことに店員の数がお客の数くらいいるのだ。

「いらっしゃいませ!只今、満席ですので10分くらいお待ちいただけますか!?」

手ぬぐいを頭に巻いた威勢のいいお兄さんが対応してくれた。

しゅんち達は店の外で話をして時間を潰すことにした。
このラーメン屋は和歌山のラーメン通なら誰でも知ってるお店で、和歌山一位と名高いらしい。
グルメ雑誌でラーメン特集があろうものなら真っ先にトップページを飾る程のお店とのこと。
しゅんちの期待は高まっていった・・・!

(後から知ったことなのだが、実はこの旅行の後、セブンイレブンで井出商店のラーメンが全国発売されたらしい。
旅行の直後だったのでかなり驚かされた。)

「おまたせしました!」

ようやく店内に入る。
店内は狭いので7人座りの席に相席をして座る。
目の前では学生らしき3人組が夢中になってラーメンをすすっている。うまそうだ!

店員を呼び、瓶ビールとラーメンを4つ注文。
まずは冷たいビールで目をさまさなきゃね。小さいコップに冷たいビールもかなりうまい。

小さいコップにつがれたビールをごきゅごきゅと一気に飲み干すと、あっとゆうまにラーメンが運ばれてくる。

スープは茶色の豚骨しょうゆ。麺は極細のストレート。まるでソーメンのような細さだ。
具はチャーシューにネギ。それからちょっとかわいらしい花の形のかまぼこがのっている。

早速箸を割り、レンゲを使ってスープを飲んでみる。
スープは少しトロッとしていて粘性のあるスープだった。
熱いのでフーフーいいながら口にレンゲを運ぶしゅんち。

じゅるじゅる・・・

「ふむ・・・うまい!というか飲みやすい!」

ラーメンの好みは色々だが、印象としては変なクセもなく純粋においしいと思った。
安定した味だと納得。

その後は、夢中になって、ずるずるずるずるずるとまくしたてるように食べまくった。

そして、スープを最後の一滴まで飲み干すしゅんち。
ふぅぅーーっと満足そうにどんぶりを置き、体をのけぞらせる。
フト、隣に座っていた父と、かなり近距離で目が合うしゅんち。

二人は声を発することもなく、お互いのどんぶりを見比べる。
どうやら、父のどんぶりもからっぽであった。
そして、ニヤリと笑う父
言葉はなくてもお互いの感想を確かめ合ったのだった・・・。

井出商店・・・色々な意味も含めてすごい店であった。
店内には「麺堅めでもう一杯!」という熱狂的なファンもいたようだった。

そして、お客がまだまだ待っていたので食べ終わり、店を出た。
やはり、このくらい回転が速くないと追いつかないのだろう。

和歌山一のラーメンを食べ、大満足の4人だった・・・。
和歌山ラーメン万歳!


PM4:00〜

「タウンホテル正面玄関」

今夜泊まるホテル玄関にて撮影。
正直いってかなりボロい。
父の計画ではこうだ・・・

父「一泊目ははっきり言って値段で選んだ。俺もどんなホテルかはしらん。寝るだけの所だと思っていてくれ」

・・・ということらしい。
ホテルはまさに田舎のビジネスホテルといった感じ。一泊5000円くらい。

部屋は二部屋とってあり、しゅんちは兄と同じ部屋である。
部屋に入ると・・・

「う・・・・たばこくさい!!」

恐らく、前の宿泊客がかなりのヘビースモーカーで特に換気もせずに吸いまくったのだろう。
しゅんちと兄は喫煙家ではないので特にその匂いはたまらなかった。

しかし、兄は特にそれ以上の文句は漏らさず、いそいそと荷物を運び込んでいた。
非常にマイペースである。

匂いを気にしているしゅんち、フトあることを思いつく。
頭の電球がピコリーンとひらめいたのである。

洗面所に向かうしゅんち。
そこに設置されてある手ぬぐいを水道で絞りはじめた。

昔、あるテレビ番組で濡れた手ぬぐいを振り回すと、匂いの粒子が手ぬぐいが吸収されるということを思い出したのだった。
手ぬぐいをよくしぼり持ちやすいように長細くして持つ。

しゅんち「お〜おお〜♪ お〜おお〜♪ お〜おお〜おおお〜♪」

昔、兄と一緒に見に行ったプロ野球チームの応援歌を思いだし、手ぬぐいを頭の上でブンブンと振り回すしゅんち。

いそいそとコンタクトレンズをいじっていた兄だったが・・・
野球好きの兄。その歌にぴくりと反応する。

しゅんち「ちゃちゃちゃ! ちゃちゃちゃ! ちゃちゃちゃ!」

しゅんちが手を叩くと兄もそれに習って手を叩く。

しゅんち&「お〜おお〜♪ お〜おお〜♪ お〜おお〜おお〜♪」

兄もノリノリで手元にあったシャツを振り回しはじめた。
アホな兄弟の図である。

しゅんち「ちゃちゃちゃ!ちゃちゃちゃ!ちゃちゃちゃ!ロッテ!」
  兄  「ちゃちゃちゃ!ちゃちゃちゃ!ちゃちゃちゃ!ロッテ!

別に二人ともロッテファンではない。

そして・・・空気清浄作業終了。

しゅんち「どう・・・?少しは匂い消えたかな・・・?」

空気洗浄の感想を兄に聞いてみるしゅんち。
兄はさっきの応援のノリが抜けないらしく小声でロッテロッテと言っている

兄「え?匂い?んーーー・・・・なんとなく消えたか?」

・・・どうやら空気清浄作戦は成功に終わったようだ。


この後の計画としては夜7時くらいに夜の和歌山市内に繰り出すらしい。
しゅんちたちはそれに合わせて体力回復するために寝ることにしたのだった・・・。
なんだかんだ言って、昨日から3時間くらいしか寝てないのだ。

二人ともさっきの騒ぎからうってかわって速攻で寝るのであった。


PM 7:00〜

夜は地元の飲み屋で大フィーバーの予定であった。

しゅんち達は親に起こされ目を覚ます。
ウィークディのしゅんちなら全然起きない所だが、楽しみが待っている時は別人である。
眠い目をこすりながらも飛び起きた。

そして、一行は夜の和歌山の街へ繰り出すのだった・・・。

しゅんち「さぁて どこに行くの?」

しゅんちは前を歩いている父の肩を叩き聞いてみる。

父「いやいや 特に決まってないんだわ。適当に歩きながら決めればいいかなーっとな。」

母「しゅんちは何がいいの?」

後ろを歩いていた母がしゅんちを呼び止め質問を投げかける。

しゅんち「俺かぁ?ううん〜〜そうだねぇ〜・・・。刺身系はさぁ昨日食べたしさぁ・・・。」

母「そうよねぇ 海産物は明日から一杯食べるだろうし・・・。」

しゅんち「中華ってのもなぁ・・・  あっ ワイン飲みたい!チーズとかそういうの!」

母「あ!いいわねぇ!じゃあ・・・
ナポリタンにしましょうか!?」

ナポリタン・・・・?
たしかナポリタンは料理名である・・・。

しゅんち「・・・もしかしてイタリアンのこと?」

母「あら・・・やだぁ〜 そうそう イタリアン イタリアン

イタリアン料理をナポリタン料理と間違える母。
やっぱり適当。

母のこういう間違いはたびたびあるのだが、何となく雰囲気があってるので突っ込みが入らない時もあるのだ。
気を付けなければ・・・と心がけるしゅんちであった・・・。

「和歌山市内アーケード通り」

一行は「ぶらくり丁」というアーケード街に到着。

母「ぶらくり丁ねぇ〜 もしかしたら「ぶらっと繰り出す横丁」でぶらくり丁なのかもね!」

母は自信満々でそう答える。
ぶらっと繰り出してるのはこの家族くらいなものである。

母「そうよぉ・・・絶対そうよ・・・ぶらっと繰り出すのよ・・・」

自分の推理に酔いしれている母。
真相は分からぬままアーケード内を歩いていく。

母としゅんちの中では既にイタリアンと決定しているのでそれらしき店を探しながら歩く。

父は相変わらず兄と先頭を切ってもくもくと歩いている。

しゅんちはあることを思いつく。

しゅんち「そうだ!本屋さんで、地域情報誌を見てみよう!」

すると前方に本屋を発見。やはりアーケード街、なんでもある。
前を歩いている二人を呼び止め事情を説明。

本屋に入ろうとすると父はなにか店を発見したようだ。
その店は裏路地のかなり遠くにあった。

しゅんちと兄は本屋に入り、地域情報誌を捜す。
案の定「ぶらくり丁お薦めレストラン&居酒屋」の記事を見つける。

トップページにいきなり「地元評判のイタリアンレストラン」という字が目に入る。
場所もこの近くのようだ!
外で待っていた母を呼びつけ記事を見せてみる。

母「あら!この店よさそうじゃない!ここに決まりね!なんか私達の為の記事のようね!」

しゅんちも兄も母もノリノリである。
いい店を発見して得意気なしゅんち。

あれ・・・そういえば父がいない・・・。

父「お〜い!ここだ ここだ!」

小走りでこちらに向かってくる父。

父「いや〜〜いい感じの炉端焼きのお店をみつけ・・・」

母「あなた。行くところ決定したわよ。

父「え・・・・・」

母「さ〜 行きましょう!」

足を使って見つけてきたお店が一瞬のうちに却下になってしまった父。
この後、しばらくふてくされていたことは言うまでもない・・・。


そして、イタリアンレストランに到着。
お店の名前は「5252」
どうやら「ゴニゴニ」と読むらしいが、コツコツやるという意味を込めて名付けたらしい。

店内はなかなかよい雰囲気でおしゃれな感じ。
各所に飾ってある置物や張り紙が店長のセンスが伺え好感がもてた。

一行は2階に案内され、テーブルに座る。
そして、ビールやワインを頼み早速「和歌山の夜」に乾杯をした。

鳥の香草焼きやチーズやパスタなどが運ばれてくる。
なかなかの美味であった。
がつがつと食べ、がぶがぶと呑む一行。
ちょうど食べたかったイタリアンにありつけしゅんちも母も大満足である。

みんな、今日のUSJの話やラーメンの話で盛り上がり、ワインもどんどんすすんでいった。

こうして、和歌山のイタリアンレストランを満喫したのだった・・・。


PM 9:30〜

イタリアンレストランを後にして、一行は酔っぱらった勢いのままカラオケボックスへ・・・。
兄とともにビールをがんがん呑みながら二人で「ゆず」を大熱唱した。

かなり酔っぱらった上に大盛り上がりのしゅんち。

こうしてカラオケボックスを後にし、ホテルに戻ることに・・・。

行きとは違う川沿いの道を歩きながら帰ることにした。
古い建物が建ち並び、なんだか町並みが風流であった。
しゅんちは酔っぱらいのサラリーマンのごとくフラフラと陽気に歩いていった。

いや、しゅんちは酔っぱらいのサラリーマンそのものである。


遠くに和歌山城がライトアップされて見える。
青白く光るお城は幻想的で綺麗だった。
しゅんちは持っていたデジカメを取り出しフラフラしながら撮影・・・

真っ暗。
当たり前である。酔っぱらっていて判断も不能である。

そして、帰り途中にコンビニに入り部屋で飲むためのビールとおつまみを買う。
まだ飲む気か。

そして、ようやくホテルに到着し、しゅんち達の部屋でのむことになる。
しゅんちは自分のベットに寝そべり、ビールを一缶開けた・・・。

こうして・・・和歌山一日目の夜が更けていくのだった・・・。


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