shunchi極楽日記


act 204「胃カメラを飲む」

胃痛に悩まされ病院に行き、ついに胃カメラを飲むことが決定してしまった。
不安になったしゅんちは最近人間ドックの話題で盛り上がっているおじさん連中にまたも相談するのだった。

しゅんち「あのぉ・・・来週胃カメラ飲むんですがどんなもんですかね?」

おじさんM「胃カメラぁ!?ああ、ありゃ案外気持ちいいもんだぞ。」

しゅんち「ほ・・・本当ですかぁ!?」

おじさんM「おう!」

しゅんち「そうかぁ〜心配して損したー。ホッ・・」

おじさんS「ぎゃははは 何言ってんのMさん!「ありゃ無理だ!」って一番音をあげてたじゃん!」

しゅんち「え・・・・。」

おじさんM「バレたか!がははは!ありゃ無理だ!二度と飲みたくねえ。

おじさんO「私もあれは勘弁ですね〜。死ぬかと思いましたよ。

しゅんち「ま、マジですか・・・。」

おじさんS「まあ、アドバイスとしては、素直に飲み込む感じだよ。」

おじさんT「そうそう。変に抵抗しようとすると苦しいんだよな。」

おじさんO「麻酔のうがいをじっくりやるんだよ。しつこいくらいに。」

おじさんS「まずい!もう一杯!とか言ってな。わははは」

おじさんM「おまえ苦しいからっつって引っこ抜くなよ!がはは」

おじさんS「初めてです。って言えよ?わはは」

おじさんM「やさしくして下さい。て言えよ?ぎゃははは」








最悪だ。




相談などするんじゃなかったと後悔先に立たず、更に不安を募らせるしゅんちであった。


・・当日、前日の夜から水以外何も口にせず空腹で病院に向かう。
病院に着き、先に採血と超音波検査をした後いよいよ胃カメラの時間である。

看護師「しゅんちさ〜んどうぞ〜。」

しゅんち「は・・・はい。」

看護師「先にこれ飲んで下さいね。」

胃の空気を沈める薬を渡され、その後のどの麻酔用のうがいを渡される。
先日のおじさん達のアドバイス



「しつこいくらいに麻酔のうがいをしろ」



このうがい薬が唯一の頼みの綱なのである。
丁寧に、そして入念に合唱団の発声練習のごとく音程を変えながらうがいをするのであった。

うがいを済ませ、診察室に連れて行かれる。

医者「どうもこんにちわ。」

しゅんち「よ・・・よろしくお願いします。」

医者「じゃあ、じゃあそこに横になって下さいね。」

服をいそいそと脱ぎ・・・

医者「ああ!服はそのままでいいから。診察台に横向きになってくれるかな?」

しゅんち「は、はい。」

全てを覚悟していたしゅんち。




いっそ全てを脱がせて欲しかった・・・。




医者「それじゃあ、このマウスピースを付けてね。」

ちくわのように真ん中に穴の開いたマウスピースをくわえさせられる。
そして後ろからは看護師二人がかりで体を固定し始めた。

医者「じゃあ、いくよー。」

医者がおもむろに取り出したそのカメラは





親指の太さ。






無理。


次の瞬間、異物が容赦なく喉の奥に滑り込んでくる。




しゅんち「おうぇえ”え”え”ぇぇぇえええ〜〜〜」



無理無理無理。


医者「はい!リラックスして!」

看護師「大丈夫よ!深呼吸して!」

先ほどの麻酔は本当に効いてる・・・の・・おうえ”えええ””えええ〜〜〜〜(言葉にならず)

おじさん達の数々のアドバイスを走馬灯のように思い出す。



引っこ抜けばよかったんだっけ?



医者「はい!喉を通過したからもう楽になるよ!」

看護師「大丈夫ですよ!体の力を抜いて〜。」

モニタを見つめる医者。
どうやらカメラは胃に達したらしい。

医者「むむ・・・こりゃあ・・・」

看護師「あら〜・・・。」

喉は通過したものの、明らかに胃には異物感。気持ち悪さも最高潮である。
例えるなら「二日酔いの朝、吐く1分前」の気持ち悪さである。

しゅんちも胃の中を見せられ更に気持ち悪さに拍車をかけられた後、ようやく押さえ込みに入っていた看護師の力が緩んだ。

医者「はい!お疲れ様!じゃあ抜きますね。」

そう言われようやく解放されるしゅんち。
もうぐったりである。

しゅんち「あ・・・ありがとふございまひた・・・。」

そこには口からはよだれを流し、目からは涙を溢れさせ見るも無残なしゅんちの姿があった。

医者「じゃあ、そこに座って下さい。」

・・いよいよ診断結果である。

医者「いやぁ・・・しゅんちさん。」

しゅんち「は、はあ・・・。」

医者「本当困りましたよ・・・。」

しゅんち「え・・・。」

医者「先にやった血液検査も超音波検査も





完璧です。」



しゅんち「か、完璧!?」

医者「胃も心配していた十二指腸も大丈夫。全く問題ないどころか





とても素晴らしい!」




人生これほど褒められる事があっただろうか?


しゅんち「じゃ、じゃあ何が原因でしょうか?」

医者「いやぁ、そこが困ったんだよね。神経性か・・・心因性か」




つまり気のせい?



医者「胃っていうのは気持ちによって胃酸が出過ぎたりするものなんだよね。だから、今回もそんな感じなのかもしれないね。まあ、また痛くなったら来てください。いやぁ!本当良いものみせてもらいましたよ。わはは」

そう診断されなんとなく拭い切れない感を残しつつ病院を後にした。
そして、普段どおりに会社に行き凝りもせず再び最近人間ドックの話題で盛り上がっているおじさん連中に相談するのだった。

おじさんM「で、どうだったのよ?」

しゅんち「い、いやぁ・・・なんともないって言われちゃって・・・。」

おじさんO「おお!そりゃよかったじゃないか!」

おじさんS「何にもないって事が一番だよ!がはは」

次々におじさん連中に祝福される。

しゅんち「いやぁ・・・でもなんだったんでしょうかね?」

おじさんT「そういえば、俺もみぞおち辺りが急にグーッと痛くなることがあってさ。」

しゅんち「お。俺もそんな感じですよ!」

おじさんT「胃がつったって言うか・・・痙攣したってか・・・」

しゅんち「ああ!はいはい。そんな感じ!」

おじさんT「そんな時は何か炭酸飲料でもゴクゴクって飲んでゲップすりゃ直るけどな。」

と、その時フト思い出す・・・。


飲み会の1時間前に急にこの胃痛に襲われ


しかし、飲み会を辞退するわけにも行かずそのまま飲み会に参加し、


ビールを飲んでいる内に治ってしまった事。




しゅんち「そ、それかも。」



万事解決。


今回の診断の結果・・・











想像妊娠。






何もないに越したことは無いとつくづく健康のありがたみを噛み締めるしゅんちであった。


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