しゅんちの仕事に「納品」という仕事がある。 注文した物品をお客さんに届けるという営業マンにとってもっとも基本的な仕事である。
ある日、客先へ納品に行った時の事である。
しゅんち「こんにちわ〜!納品に来ました〜!」
お客「ああ〜どうもお世話様です。」
しゅんちは伝票を渡し、受け取りのサインをもらう。
お客「ところでしゅんちさん。」
しゅんち「え?なんでしょうか?」
お客「この間注文した・・・」
ピリリリリ・・・
その時お客さんの携帯が鳴り出す。
お客「あっ。ちょっとすみません。」
そういうとお客は事務所の奥の方に行ってしまった。
しゅんちは玄関の横にあるイスに座り、電話が終わるのを待つことにした。
お客さんが言いかけた質問・・・
恐らく内容はこうであろう。
「先日注文した物の納期はいつになりますか?」
確か注文をもらった時に結構急いでいると聞いていた。 しかし、思いのほか納期がかかってしまっていたのだった。
一応、今週中にはギリギリ間に合うと思うけど・・・
今の様子だと緊急的ではなさそうだ・・・
よし、安全を見て来週早々と答えておくか・・・
そんなことを考えるしゅんち。 すると隣の部屋からなにやら怒鳴り声が聞こえてきた。
お客「一体、いつになるの!!?ええぇ!?」
な、なんだ・・・?
お客「だから!何回も言うけどこっちは全然待てないんだよ!!」
どうやら納期の事で揉めてるらしい。
お客「はぁ!?明後日になるだって!?本当にこっちの話聞いてるの!?」
お客さんの怒号が静かな事務所にこだましていた。 徐々に心拍数が上がるしゅんち。
お客「明日発送するって!?ダメダメ!!今から東京に取りに行って下さいよ!!」
い、今から東京・・・?
と、そこで電話が終わるお客さん。 そして、しゅんちのいる部屋へと戻ってきた。
お客「いやいや、すみませんね。お待たせしちゃって。」
しゅんち「い、いや、ぜ、全然平気です!」
お客「ところで、しゅんちさん?この間の・・・」
しゅんち「こ、この前注文いただいた納期ですよね!?」
お客「ああ、そうですそうです。で、いつになります?」
しゅんち「こ、今週中には何とかします!」
お客「おお!そりゃ助かります。」
しゅんち「は、はい!」
お客「でも・・・
来週でも良かったけどね。わはは」
しゅんち「・・・。」
ビビりは損である。
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