shunchi極楽日記


act 215「ダイレクトメール」

会社でダイレクトメールを送ることになった。
しゅんちの会社ではあまりこういうことはしないので珍しい事なのである。

普通ダイレクトメールというと一括で業者に委託するものである。
しかし、しゅんちの会社では





全て手作業。


そんなに経費もかけられないということで営業マンの手で作る事になったのだった。

課長「それじゃ、手の空いてる人から会議室に集まってね。」

課長の一言で会議室にしぶしぶと集まる営業マン。
みんな慣れない事務仕事をやらされるとあってかかなりめんどくさそうである。
もちろんしゅんちもそのめんどくさそうな人の1人である。

課長「それじゃあ手順を言うからみんな手分けしてがんばりましょう。」

一同「はーい。」

課長「じゃあ、しゅんち君。まずはこれを300部コピー取ってくれ。」

しゅんちは課長に命じられ渡された用紙をコピーし始める。
途中何度か紙づまりを起こしながらもなんとかコピー完了。

しゅんち「はい。300部コピーしました。」

課長「はい。ご苦労さん。」

しゅんちがコピーを取っている間他の人たちは封筒を用意したり、住所の印刷されたラベルを確認していた。

課長「それじゃ次にそのコピーした用紙に会社のハンコを押してくれ。」

しゅんち「え・・・えーっと、こんな感じですか?」

M「おいおい何やってんだよ。」

しゅんち「・・・え?」

M「そんな風に一枚一枚取り出して押してたら日が暮れちまうよ。」

S「一枚づつ丁寧にじゃなくて、重なった上からどんどん押してけばいいんだよ。」

M「こんなもん押してありゃいいんだよ。」

口うるさいおじ様達にダメ出しされるしゅんち。

しゅんち「えーっと・・・こうですか?」

M「そうそう!いいじゃん!」

S「それだ!俺もそうやれば良いと思ってたんだよ。」

課長「おお!しゅんち君レベルが上がって来たね!あはは」

しゅんち「いや〜〜あはは・・・でもまてよ」

一同「ん?」

しゅんち「このハンコって黒ですよね。」

課長「ふむ?」



しゅんち「最初の一枚にハンコ押してコピーすればよかったですねぇ〜!あはは」


課長「・・・・。」

M「・・・・。」

S「・・・・。」

しゅんち「あ・・・いや、な、なんでもないです。」

課長「・・・じゃ、じゃあ次にハンコを押したものを折りたたんでいこうか。」

そういうとぎこちなく折りたたみはじめる一同。
ハンコ押しを終えたしゅんちも折りたたみ作業に参加する。

M「お!Sさんおしゃれな折り方してるね!」

S「え?そうですか?」

課長「おお!なるほど。Sさん頭良い!」

Sさんは効率よく三つ折していた。

しゅんち「おおお!俺なんて普通に四つ折にしてましたよ!」

S「いやいやこれにはちょっとしたコツがあるんですよ。あはは」

課長「さっすがSさん!」

M「なかなかやるねえ。」

事務員「なにがすごいんですかー?」

にぎやかに作業している声を聞きつけて様子を見に来た事務員さん。

しゅんち「Sさんが綺麗に三つ折してたんですよ!」


事務員「そんなの常識ですよ。」


一同「・・・・。」


事務員「じゃあがんばって下さいねー。」


一同「・・・・。」


課長「じゃ、じゃあ引き続きがんばりしょか・・・。」

事務員さんのプロの一言にもめげずに仕事をこなしていく営業マン。
数をこなし慣れたのか徐々に手際が良くなっていた。

課長「いや〜それにしてもさ、こういう仕事ばっかりやってる人もいるってことだよね。」

M「そうだね。内職ってやつだね。」

S「大体どのくらい稼げる仕事なんだろう?」

M「一枚何銭っていう世界じゃねえか?」

課長「そういえば、昔うちの嫁さんも内職やっててさ、何百個と部品をコツコツ組み立てても月に2〜3万円くらいにしかならなかったな。」

S「それだけお金を稼ぐって事は大変ってことですね。」

M「主婦がスーパーで何十円安く買うかってことに躍起になってる気持ちもわかるね。」

確かにこの単純作業を何百何千とこなさなくてはいけないのである。
お金を稼ぐという大変さを肌で感じるのだった。

しゅんち「はい!最後の一枚です!」

課長「おお〜最後かー。」

M「やっと終わったか。」

S「いやいやせっかく慣れて楽しくなってきたのにな〜あはは」


課長「おお?じゃあもう300部くらいやります?」


一同「二度とやりたくないね。」


ダイレクトメール製作。
営業マンには向かない仕事である。


NEXT≫
≪BACK
INDEX

アクセス解析

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送