shunchi極楽日記


act 221「床屋」

しゅんちは床屋が苦手である。
しゅんちの髪質は結構クセが強く、元からグルグルパーマなのである。
あだ名はラーメン、鳥の巣、かた焼きそば
それゆえに髪は昔からコンプレックスであった。
そんな状況なのに鏡の前に座らされ自分の姿を見せられた後に


「どんな感じにします?」


これは拷問に近い。
それは例えるならオンチな人がプロの前で発声練習をするのに近いことである。(?)

一体どんな髪型になれるというのだこの髪質で。
とにかく苦手なのである。

しかし、髪というのは自然に伸びるので仕方なく床屋に行くしゅんちであった。


理容師「いらっしゃいませ〜。こちらへどうぞ。」

軽く苦笑いをしながら席に座るしゅんち。


理容師「今日はどのようにします?」


まずこの質問が難しい
果たしてこの質問にバッチリ答えられる人が世の中にいるのだろうか。



「角刈りで。」



「丸ぼうずで。」



いるなぁ・・・確かに。

しかし角刈りも丸ぼうずも嫌なのでしゅんちにとっては難しい質問である。
床屋もラーメン屋のように「麺固めでスープはあっさり」と簡単にいけばよいのだが・・・。

しゅんち「えっと・・・普通な感じに・・・」

理容師「長さはこのくらいですか?」

そういうと髪の毛を指に挟みこちらに見せる。
見せられてもよくわからないが

しゅんち「そのくらいでお願いします・・・。」

理容師「前髪は?」

しゅんち「・・ふ、普通で。」

理容師「もみあげはどうします?」

しゅんち「普通な感じで・・・。」

理容師「はい。かしこまりました。」



本当にわかったのだろうか・・・?



それにしても自分で言っておきながらなんだが、普通というのに何か基準があるのだろうか・・・。

店員「刈り上げはします?」

しゅんち「え・・・あ・・・刈り上げは無しで。」

しゅんちは基本的に刈り上げはしないのである。

・・・こうして注文を受けたあと手際よく切っていく理容士さん。

理容師「えっと・・・もみあげはどうするんでしたっけ?」

やはり伝わってなかったか。

しゅんち「え・・・?あ・・・普通に切って下さい。」

理容師「全部?」

しゅんち「ぜ、全部!?いや、いやあの・・・」

理容師「残します?」

しゅんち「じゃあちょっとだけ・・・。」

理容師「横に切らずに?」

しゅんち「よ、横!?・・えっと・・じゃあ、自然な感じに・・・。」

理容師「自然っていうと・・・縦に残します?」

しゅんち「た、縦!?・・・じゃ、じゃあそれで。」

理容師「もみ上げは剃ります?」

しゅんち「普通に剃って下さい・・・。」

理容師「わかりました。」



本当にわかったのだろうか・・・?


自然な感じとは一体どんな感じだろうか?
ルパンのもみあげは自然なうちに入るのだろうか?
もみ上げとはそれほど重要なのだろうか?

・・などとごちゃごちゃ考えている内にどうやら完了したらしい。

理容師「いかがですか?」

そういうと3つに分かれた鏡で後頭部辺りを映す。





短っ!!!!




さ・・・最初に刈り上げは無しって言って





しゅんち「大丈夫です。」

理容師「はいお疲れ様でした〜!」



床屋はやはり苦手である。


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