本社の後輩の宮田君と飲みに行った。 たまにこうやって本社と支店の情報交換・・いや愚痴大会が行われるのである。
しゅんち「新しい後輩どうよ?」
宮田「いや〜・・・大変っすよ。」
宮田君は6年間ずっと後輩がいなかった。 しかし、この度新人が入社したのだ。 9年間後輩がいなかったしゅんちと境遇が似ているのだ。
しゅんち「何が大変なの?」
しゅんちはビールをぐいっと一口飲みながら質問する。
宮田「とにかく・・・」
しゅんち「とにかく?」
宮田「かわいくないんですよぉぉ!」
しゅんち「ぶはははは!」
どうも話しによると相当ふてぶてしい態度らしく、挨拶もろくに出来ず、言うこともでかい事ばかりで、隙を見計らっては仕事をサボりまくってるらしいのだ。 思わずライフカードのオダギリジョーのCMを思い出す。
宮田「彼の武勇伝を聞かされるんす!」
しゅんち「武勇伝?どんな?」
宮田「もうね、デンデンデデンデン♪ってやつですよ。ほんとに!」
しゅんち「オリラジかよ!!」
宮田「こんな感じっすよ!」
<新人の武勇伝>
俺って・・・
かなり色んな女と付き合いましたよ。
武勇伝♪武勇伝♪武勇デンデンデデンデン♪
所詮・・・
女なんてどうにでもなりますよ。
武勇伝♪ 武勇伝♪ 武勇デンデンデデンデン♪
俺ってこう見えて昔は・・・
結構ワルでしたよ。
武勇伝 武勇伝 武勇デンデンデデンデン♪
宮田「聞いてるこっちが恥ずかしいってのぉ!!」
しゅんち「ぶっはははははは!!」
大興奮の宮田君と大爆笑のしゅんち。
宮田「もうね彼のおかげでどれだけストレスか・・・。」
しゅんち「確かに・・・見た感じは貫禄あるってか・・・既にえらそうだね。」
宮田「もうソフトバンク的に言うと予想外(guy)っすよ。規格外の。」
しゅんち「ぶっはははは!」
そういうと野菜スティックを憎らしげにかじる宮田君。
宮田「そっちの新人はどうです?」
しゅんち「ああ?彼ね。」
しゅんちにも9年振りに後輩ができたのだった。
しゅんち「なんていうのかな・・・俺も年をとったのかなぁ・・・感覚ってか、ノリが若いのよ。」
宮田「ノリっすか?」
しゅんち「例えばさ・・・上司に怒られてる時にね。」
宮田「ふんふん。」
生キウイサワーを一口飲む宮田君。
しゅんち「今月こんな成績でどうするんだ!?こんなので給料貰えると思ってるの!?とにかく1台くらい売ってこい!・・・って感じに怒られたとするじゃん。」
宮田「ああ・・・やだっすねそれ。」
しゅんち「すると彼は「ボーナス出たら1台自分で買っちゃおうかなぁ」とか言って切り替えすんだよ。」
宮田「へぇ〜!そりゃすごいっすね。」
しゅんち「あとさ、「もっと自分を売り込め!」って言われても「じゃあ今度体でも売ってこようかな」とかさ。」
宮田「マジッすか?」
しゅんち「俺もこの雰囲気でそんな事普通言えるか?ってビックリしちゃってさ。」
宮田「いや〜やるなぁ・・・。」
しゅんち「こんなことで驚くなんて、俺も感覚が既におじさんなのかなぁ〜って思うよね。」
しゅんちは寂しそうに手羽先をかじる。
宮田「いや〜〜・・・でも、それは彼の才能かもしれないですよね。」
しゅんち「そうか〜。」
宮田「そうですよ。あっ すみませーん!追加お願いします!」
しゅんち「あっ 俺もその生キウイサワー飲んでみたい。うまそう。」
宮田「確かにこれ結構うまいっすよ。」
しゅんち「マジで?生キウイってのも珍しいよね。」
そして生キウイサワーを2つ注文。
しゅんち「あとさ、朝って社内がピリピリした雰囲気じゃん?」
宮田「あーはいはい。月曜の朝とか社内がすごいピリピリしますよね。」
しゅんち「そんな時に、いきなり後ろからカンチョーしてきたりするんだぜ。」
宮田「ま、ま、ま、マジっすか!!」
しゅんち「せんぱ〜〜い って言って近づいてきてさ「飲みすぎちゃだめだよ」とか言いながら腹をつまんできたり。」
宮田「あっはははははは」
しゅんち「俺なんか緊迫した雰囲気の中「お、お、おいぃ!!や、やめろぉ!!」とか言ってさ。もう調子狂うよね。」
宮田「それはかなりなついているって証拠なんじゃないですかね。ぷぷぷ」
しゅんち「まあ、なついているといえばそうかな。かわいい奴だよ本当。」
宮田「いや〜うらやましいっすよ。」
しゅんち「そう?」
宮田「あ〜〜俺もカンチョーとかされたいっすよ。」
ここから聞くと凄い話である。
・・・
しゅんち「あっ・・・残り食べな。」
宮田「え・・・いや、いいっすよいいっすよ。しゅんちさんどうぞ!」
しゅんち「いいよいいよ!遠慮するなって!」
宮田「いやいやいやいや!ここはいいですって。」
しゅんち「いいっていいって!」
宮田「いいですよ!食べて下さい!」
しゅんち「・・・・。」
しゅんち「もう1個頼むか。すみませーん!野菜スティック追加で!」
にんじん一本で遠慮しあう二人であった。
こうして、愚痴大会は5時間続くのであった。
飲みすぎた・・・。
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