宝くじを買うと誰もが考えるのが使い道。
まさか当たるわけ無いと考えるのは完全にタブーである。
宝くじを買うという事は「当たったら何に使おう?」と想像を膨らます権利を買うことだと思うのだ。
・・ある日の後輩との会話。
後輩「しゅんちさん。今年の年末ジャンボ買いました?」
しゅ「ん?ああ・・・まだ買ってないよ。」
後輩「前に知り合いに聞いたんですけどー」
しゅ「ふむ?」
後輩「発売日と最後の日に買うと当たりやすいらしいんですよ!知ってました!?」
しゅ「へー・・・そうなんだ。」
そんなオカルト的な話を大真面目に話してくる辺りがかわいい後輩である。
後輩「もし2億円当たっちゃったらどうしよっかなー?」
しゅ「当たったらどうするの?」
後輩「そうっすねー・・・。」
そういうとしばらく空を眺めながら考え出す後輩。
後輩「とりあえず飲み行っちゃうな。」
しゅ「・・ふ、普通だな。」
後輩「いやいや、もうねーブエナビスタを借り切っちゃいますよ!」
ブエナビスタというのは松本で一番グレードの高いホテルである。
後輩「会社のみんなを招待してパーッと派手にやりますね!」
しゅ「そうかー。」
後輩「で、2次会3次会とド派手にドッカンドッカンやりますよ!一晩中!うひひ」
しゅ「んー・・・」
後輩「あれ?どしました?」
しゅ「それくらいだったら1等(2億円)じゃなくてもできそうだよな。」
後輩「・・・んーそうっすか。」
しゅ「じゃあ、他には?」
後輩「そうっすねー・・・。」
そういうと再び空を眺めながら考え出す後輩。
後輩「じゃ、まず会社を辞めますね!」
しゅ「んー・・・で?」
後輩「フェラーリかなんかで会社に乗り付けて、上司のやつらに「じゃあな!」って言って頭をパシッと叩いて辞めますね。ひひひ」
最近こっぴどく上司からの説教地獄に見舞われ、ストレス上昇中の後輩らしい安直な発想である。
しゅ「確か・・・サラリーマンの生涯年収は1億くらいだっけ?2億当たりゃ一生暮らしてけるよなぁ。」
後輩「マジッすか!じゃあ、絶っっ対辞めますわ!」
しゅ「でもなぁ・・・」
後輩「え?なんすか?」
しゅ「会社辞めてなにするん?」
後輩「ん〜・・・何もしないで酒でも飲んで暮らすんじゃね?」
しゅ「じゃあ、幸せな家庭は難しそうだなー。」
後輩「ど、どうしてですか?」
しゅ「例えばさ、おまえに子供ができたとしよう。」
後輩「は、はぁ・・・。」
しゅ「父ちゃん毎日飲んだくれのニートって事だよな。」
後輩「ま、まあ・・・。」
しゅ「まず学校とかで子供はいじめられるだろうな。」
後輩「マジッすか・・・。」
しゅ「たぶん「おまえの父ちゃんニート♪」って・・こりゃ歌われちゃうだろうなー。」
後輩「俺がネタってのもヤダっすね・・・。」
しゅ「もしくは・・・父ちゃんが子供にいじめられちゃったりしてな。」
後輩「・・・それはまずいっスね。」
しゅ「ということは何か職は持ってた方がいいってことかもな。」
後輩「なるほど。金はあるんだけどなー。」
しゅ「だよなぁ〜腐るほどあるんだよな。」
後輩「そうだ!裏金かなんか使ってどこか超ラクな所へ就職しちゃおっかなー。」
しゅ「んー・・・」
後輩「ダメっすか?」
しゅ「金にモノを言わせて就職してもなぁ・・・職場でいじめにあいそうだよな。」
後輩「・・またいじめっすか。」
どうしてもいじめられたくないしゅんち。
後輩「なんかいい仕事ないっすかね?」
しゅ「稼ぎはいらないわけだからなぁ〜。」
後輩「ん〜楽な仕事がいいなー。」
しゅ「あんまり楽でもさ、逆に苦痛かもしれないよ?暇過ぎでさ。」
後輩「ああーそれはありますね。」
しゅ「う〜〜ん・・・」
後輩「ん〜〜・・・」
宝くじの使い道ではなく・・・
当選後の就職先を考える二人。
後輩「なんか思いつきました?」
しゅ「そうねー・・・俺なら」
後輩「俺なら?」
しゅ「・・ゲームショップの店長かな。」
後輩「なんじゃそれ・・・?」
しゅ「毎日最新のゲームに囲まれてのんびり暮らすん。」
後輩「はぁ・・・。」
しゅ「近所の子供達と対戦なんかしてさ。」
後輩「な、なんか・・・じいさんみたいな発想ですね・・・。」
しゅ「そうか・・・?」
<しゅんちの2億円当選の夢>
ゲームショップの店長になる
後輩「・・・。」
しゅ「・・・。」
後輩「なんか・・・それ、今すぐなれそうですね。」
しゅ「そ、そうか。」
後輩「なんか・・・」
しゅ「ん?」
後輩「・・2億いらないっすね。」
しゅ「だな・・・。」
後輩「スクラッチ(1等100万円)でもやりますか?」
しゅ「だな・・・。」
後輩「もし当たったらおごりますわ・・・。」
しゅ「おう・・・。」
宝くじの使い道はなかなか難しいものである・・・。