shunchi極楽日記



act 309
「気の使うコンビニ」

しゅんちの仕事は車で外回りをする営業マンである。
仕事のほとんどが外出である。
外出時間が長いので、困るのがトイレである。
こんな時に便利なのがコンビニなのである。
公衆トイレを使うという手もあるが、公衆トイレは寒い上に衛生面もよくない。
そこでついついコンビニに頼ってしまうのだ。


うー漏れそう〜


今日も尿意をもよおしたしゅんちは駐車場に車を停めてコンビニへ入る。

しかし、コンビニというのは当然公共施設ではない。
トイレだけをタダ借りるというのはちょっと気が引ける。


まあ・・・こっそり用を足してスッと出ちゃえばいいか・・・。


しゅんちは店員の目を盗みながら忍者のように横歩きで足早にトイレに向かう。
すると、トイレのドアに張り紙が



「トイレをお借りのお客様は必ず店員にお声をお掛け下さい。」



ちぃ・・・。(舌打ち)


こういう事は割と律儀なしゅんちは店員に声を掛け、トイレへ駆け込んだ。
トイレが間に合いほっとしたのも束の間、フト気付いた。



完全に店員に存在をアピールしてしまったなぁ・・・。



用を足しながらこの後の行動を考えるしゅんち。

こうみえてもしゅんちは30代サラリーマン。
若かりし頃ならそんなの関係ねえとばかりに店を飛び出すところだ。
しかし、今は良識のある大人を意識しなくてはならない年頃である。
存在をアピールしてしまった今、何も買わずして店を出ることはちょっと気まずい。


なんか・・・買ってくか・・・


トイレから出て、軽く立ち読みをした後、なんとなくドリンクコーナーへと向かうしゅんち。


なんか買うっていってもなぁ〜・・・


まだ一口しか飲んでない伊右衛門が車にあるもんなぁ〜・・・。


ドリンクコーナーに買うものは無いと通り過ぎ、弁当コーナーへと向かう。
昼過ぎだというのにまだいろんな弁当が並んでいた。


うまそうなのはわかるんだけどなぁ〜


昼飯もさっき食べたばっかだし・・・。


あ!シュークリームでも・・・


・・・。


い、いやいやこんなに腹いっぱいなのにこんなの食べちゃったらメタボっちゃうよなぁ〜


もうちょっと軽いものでも・・・


そう思いお菓子コーナーへと向かう。
新作のじゃがりこなんかを眺めてみる。


じゃがりこじゃちょっと重すぎだよなぁ〜。


なんか簡単につまめそうな・・・


一口で食べれそうな・・・


あっ!


そうか!うまい棒にするか!


・・・。


い、いやいやいやちょっとまて。


30代サラリーマンが



うまい棒一本だけ買うのはどうかと。



小学生ならともかく駄菓子を1個だけ買う大人がいていいものだろうか。
それならむしろ買わないほうがマシレベルである。


むぅ〜・・・


かといってアイスは今寒いしなぁ・・・。


夏はアイスを買うのが定番であった。
安くてうまくて涼しくてこういうときにはぴったりなのである。
しかし今は冬。
こんなの食べたらまたすぐにコンビニのトイレにお世話になってしまいそうである。


食べ物はダメか・・・?


店内をウロウロする不信感たっぷりのしゅんち。
いっそ電話がかかってきたフリでもして外にでるか?

いやいや、既に意味も無く店内をウロウロしてしまっている状況なのである。
そろそろ店側にとってしゅんちは要注意人物になってりゃしないだろうか?
この状況ではますます何も買わずに出るわけにはいかなくなってしまった。


今欲しい物ってなんだろうなぁ〜・・・


しゅんちは自分自身の需要をじっくりと探ってみる。


今、欲しているもの・・・



欲してるもの・・・



・・そういえばさっきから



奥歯に挟まってる野沢菜が気になる。



店員「いらっしゃいませ〜。ピッ 1点お買い上げです。」





爪楊枝(320本入)購入。




店員「このままでよろしいでしょうか?」

しゅ「あ、はい。」



・・・。



なんとなく・・・



かえって恥ずかしかったのは気のせいだろうか。

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