shunchi極楽日記


act 330「ネタバレ」

しゅんちはネタバレが特に嫌いである。
映画は原作を最初に読まないタイプなのである。

ある日、しゅんちがゲームをしていると横で本を読んでいたタカコが急に叫びだした。


タカ「えぇええ!!本当にぃ!?」


ビクッ

しゅ「ど、ど、どうした・・・?」

あまりの叫びっぷりに驚くしゅんち。

タカ「いやいやいや・・・この本ありえないオチだったんだよ。」

しゅ「どんな?」

タカ「まあ、よくありそうな話だなーと思ってたら・・・」

しゅ「思ってたら?」

タカ「主人公がね・・・」

しゅ「主人公が?」

タカ「老人だったの!!」

・・・

しゅ「ふうん・・・」


もうふうんとしか言いようがない。


タカ「本当にだまされたよ!だってさ、まるで青年のような行動するんだよ!?」

しゅ「へ、へえ・・・。」

タカ「確かに「あれ?」っていう伏線はあったんだけどね・・・まさか老人だったとは!」

しゅ「ど、どんな話なのよ。」

タカ「あのね・・・」

タカコは身振り手振りであらすじを話してくれた。
普段は冷静沈着で勘の鋭いタカコである。
しかし、その人さえも気付かない巧妙なお話しだったらしい。
タカコは興奮気味で展開を説明してくれた。

タカ「というわけ・・・。」

しゅ「なーるほどね・・・。」



タカ「だから今度読んで!!」


しゅ「読めるかーっ!」


一番おいしいネタを最初にバラされてしゅんちとしては読めるわけがない。
最後にどんでん返しが待っている話ほど相手に勧めたいけど勧められないものである。


更にある日・・・

近所のツタヤがレンタルコミックを始めた。
深夜の人気番組「アメトーーク」の影響で「ジョジョの奇妙な冒険」という漫画を読みたくなってしまった。
※このあと「ジョジョ」のネタバレ内容が含まれますので未読の方はご注意!

しゅんちも高校生の頃にチラチラと読んではいたが、しっかり読んだことがなかったのでこれを機に夫婦で読んでみようと思うのだった
タカコは家にいる機会が多いのでしゅんちよりも先読みすることになるのだった。

しゅ「タカコは今何巻?」

タカ「今、3部の中盤くらいかな?」


夕飯時の食卓での夫婦の会話に


「ハイエロファントグリーンは意外と使える」


「シルバーチャリオットは特徴が薄くてポルナレフは弱い」


「ツェッペリさんの矛盾ってどこの部分?」


などという会話が飛び交うのはしゅんちにとって理想的な家庭環境になってきたと言えるだろう。(?)


しゅ「・・俺は今3部の前半だよ。」

タカ「あー・・・アブドゥルが死ぬ辺りかな?」

しゅ「え!!?アブドゥルって死ぬの!?」

タカ「え・・・あ・・・」


タカコ目測誤る。


タカ「いや・・・」

しゅ「うわー・・・ネタバレだぁ〜。」

タカ「いや死なない死なない!」


この場合「死なない」という発言自体もネタバレである。


しゅ「うわぁ・・・どっちにしてもどっちかなんだ・・・。」

こういう場合、直接ネタバレしなくとも推理できてしまえばネタバレ同然である。


例えば・・・


「多分最後のオチは予想できないと思うよ。」


「犯人は意外な人物だよ。」


「まさかあんな展開が待ってるとは。」


こんなのは全てネタバレである。
大ドンデンな推理小説ほど、意味深な発言は禁物である。
むしろ内容を全く伝えずポンと渡すのが思いやりである。
予期せぬ方向から意外な事実が発覚した時ほど驚きは大きいものである。
殴られるとわかって殴られるのと、ボケーッとしていた時に不意に殴られるのとではダメージが違うのと一緒である。

しゅ「うわー・・・アブドゥル死ぬのかー・・・。」

タカ「し、死なないよ!あーえーと、えーと死ぬ死ぬ!」

ネタバレを必死にごまかそうとするタカコ。

タカ「あ!・・・本当に死なないよ。うん!死なない!大丈夫!」

何か思い出したのか微妙な言い方をするタカコ。

しゅ「え?死なないの?」

タカ「い、いやいや、死ぬけど・・・死なない。」

しゅ「死ぬけど・・・死なない・・・。」

タカ「うん・・。」


しゅ「・・・・。」


タカ「・・・。」


しゅ「ということは・・・」

タカ「ギクッ」



しゅ「死んだと思ったけど実は生きているというパターンかぁぁあぁ!!」



ネタバレは嫌いと言っていたのに

ジョジョの奇妙な冒険を極楽日記でモロにネタバレするしゅんちであった・・・。


NEXT≫
≪BACK
INDEX

アクセス解析

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送