shunchi極楽日記


act 349「両親学級」 

出産が近づくと、両親一緒に勉強する「両親学級」がある。
両親学級とは出産についての勉強会なのである。
しゅんち達はそれに参加する事にしたのだった。

当日・・・

しゅんち達が時間通りに到着すると、すでに教室には大勢の夫婦が集まっていた。



気合が違う・・・?



皆真面目そうな人達ばかりで、出産に対してかなり真剣だと思われた。
一方、しゅんちののん気な気持ちが不謹慎に思われるのだった。

そして少しするとがらっぱちの看護師長が教室にやってきた。
この道数十年のベテラン看護師ってな感じであった。
そして教壇に立ち、タメ口でしゃべりはじめた。

師長「じゃあさ、はじめるけど。経産婦の人はいるの?手挙げて。」

経産婦とは出産経験者の人の事である。

師長「あぁ・・・ちょっとしか居ないね。じゃあ、ほとんど初産婦ね。はいわかったー。」

こうして授業が始まった。

師長「じゃあさ、立会い(出産)希望の人、手を挙げて。」

ちなみにしゅんちは立会いしない方向である。
なぜなら、しゅんちの度胸と自信が無いという理由。
そして立ち会われても返って気になるというタカコの意見とが一致したからだった。

しかし、周りを見てみると



ほとんどの人が手を挙げている。




うぇえ!?どうなってんだ!?




は、流行ってんの?


しゅ「タカコタカコ・・・(ひそひそ)

タカ「な、なに?(ひそひそ)

しゅ「これって立会いする人が参加するんじゃないの?(ひそひそ)

タカ「ううん違うよ。これを受けとくと陣痛室とか入れるようになるのよ。(ひそひそ)

しゅ「あ、あっそう・・・。」


陣痛室に入れる事のメリットがイマイチわからないが・・・。
徐々に不安になるしゅんちであった。

師長「これから色々勉強するけどね。ちゃんと憶えて帰ってね。」

すると、師長さんは出産のメカニズムについて説明してくれた。

・・出産というとドラマでよく見るのが、道端でうなされている妊婦である。
そして、声を掛けた主人公がドタバタに巻き込まれ一緒に救急車に運ばれていくというシーンである。

しかし本当のところはどうも違うらしいのだ。

陣痛はずっと痛いわけではなく波があるという。
痛みは1分程度持続した後、すぐに引く。
その痛みが10分程度間隔で規則的に繰り返すというのだ。
そして、その定期的な痛みを数十時間繰り返した後、ようやく出産になるのだ。

稀にドラマのような急転直下の人も居るそうだが、ほとんどが陣痛から数時間の長い戦いになるらしい。
という事なので陣痛が始まってから、出掛ける準備をしてシャワーを浴びて病院に行くような余裕があるらしい。
しゅんちには目からウロコな話であった。

師長「・・というわけだからね、痛くなったからってすぐ病院に来ないでね。」

痛みの間隔が5分以内にならないと自宅待機させられるらしい。

師長「あとね、病院への電話は旦那さんがしないで。」

しゅ「・・・?」

師長「男の人は臆病だからすぐ電話したがって、しかも大げさに言うのよね。」

半笑いでチラッとしゅんちの顔を見るタカコ。

しゅ「・・・。」

師長「男の人が焦って救急車呼んじゃう事もあるからね。まあ、笑い話だけどね。」


聞いといてよかった。


笑い話とは思えないしゅんちであった。


師長「・・じゃあ、次は出産の話ね。」

最初に、しゅんちの持つ出産のイメージを単刀直入に言おう



でっかいう○こを捻り出す作業。



これは大きな間違いである。


力任せに産み落とす・・・のではなく、自然に産まれてくるのを待っているような感じであるらしい。
「ヒーヒーフー」で有名なラマーズ法という呼吸法がある。
これは力む時の掛け声ではなく、痛みをそらすための呼吸法であるという。
生まれるまでじっと痛みに耐え続けるための「痛みを逃す呼吸」なのだ。
「ヒーヒー フンヌゥ〜〜〜(力強く)」ではなかったのだ。

・・というわけで妊婦は永遠に続くと思われる痛みと戦い続けなくてはならいのだ。

師長「・・じゃあこれからね、呼吸法の練習するからね。まずはCD流すから聴いてね。」

ラジカセから楽しげな音楽と共に歌が流れてきた。



チャンラチャンララン♪



吸ぅって〜〜〜 吐ぁいて〜〜〜♪



吸ぅって〜〜〜 吐ぁいて〜〜〜♪




吸ぅって〜〜〜 吐ぁいて〜〜〜♪




吸って吸って吸って吸って〜〜♪
吸って吸って吸って吸って〜〜♪
吸って吸って吸って吸って〜〜♪
吸って吸って吸って吸って〜〜♪



吐ぁ〜いてぇ〜〜♪



ごめん笑いが止められん。



しゅ「ふ、普通には聴いてられないんだけど・・・(ひそひそ)

タカ「が、我慢して。(ひそひそ)


師長「・・はい。というわけですねー。」

周りを見ると誰一人笑いそうな人はいない。
皆、真剣な眼差しで師長さんの話を聞いているのだった。

師長「やっぱりね、夫婦が協力して出産はして欲しいのね。」

師長さん曰く、痛みに耐える長い時間は旦那さんが妊婦を支えて欲しいとあった。
陣痛の痛みがある時は腰や尻をグッと押してやるのがいいらしい。
それで陣痛の痛みを2人で乗り越えて出産を迎えて欲しいと言っていた。

・・こうして、両親学級を終え、家路に着くしゅんち達であった。

今回の両親学級はかなり勉強になった。
今まで思いこんでいた事がぜんぜん違っていた事に驚いた。
そして、出産時に自分の役割は果たすと改めて気合を入れるのだった。

ただ一つ・・・


あの歌である。




本番で思い出し笑いしやしないだろうか。




心配事が一つ増えてしまうしゅんちであった。


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