shunchi極楽日記


act 364「仕事が終わる頃に」 

夕方も過ぎ、会社はその日の仕事を終えようとしていた。
電話もあまりかかってこなくなってきた事務所は静かである。
キーボードを叩く音だけが鳴り響いていた。



カチャカチャカチャ・・・



カチャカチャカチャ・・・



と、その時・・・



チャララ〜〜ララ〜♪



課長の個人携帯が鳴る。
こんな時間に鳴る電話とはたぶん家族からだろうか。


課長「もしもし・・・」



カチャカチャカチャ・・・



課長「うん。今は平気だよ。」



カチャカチャカチャ・・・



課長「うん。どした?」



会話が事務所に響き渡る。



課長「え?どこで?」


カチャカチャ・・・


課長「そんなところで大丈夫か・・・?」



カチャカチャ・・・



課長「許可取ったのか?え?あっそう・・・」



カチャカチャカチャ・・・



課長「何人で?6人?ふうん。」



・・どうも会話の内容からすると電話の主は息子のようだ。
確か大学生で東京に1人暮らししていたはずだ。
夏休みで帰ってきていて地元の仲間と遊んでいるのだろう。


課長「火の始末だけはちゃんとやれよ。」


仲間とバーベキューでもやるんだろうか。
今夜は遅くなるの連絡だろうか。


課長「に食われるんじゃねえぞ。」



カチャカチャカチャ・・・



課長「ところで・・・」



カチャカチャカチャ・・・




課長「女はいるんか?」





カチャ・・・・・・・・





・・・・。






・・・・。





何を聞いてるんだこの親父は。


皆の手がにわかに止まる。



課長「あっそう・・・。じゃあ気をつけてな。ピッ」




・・・・。




・・・・。




・・・・。




・・・・。




・・・・。





で、







とりあえず気になるんですが。



しゅ「で・・・どうだったんです?」

課長「え?」

しゅ「い、いや、さっき・・・。」

課長「ん?ああ?」

しゅ「女がどーとか・・・?」

課長「ああ〜!いねえって。野郎だけ。

後輩「本当かな〜?いるんじゃないですか?」

Mさん「居たって内緒にするんじゃないですかー?」

課長「いや〜 そういうことは自慢げに言う奴だからな。」

Mさん「まー俺が親父ならでかしたって思うかな。」

後輩「いやいやいや〜色々ありそうなら内緒でしょー。」

課長「そうかな〜。」



かなり盛り上がる。


しゅ「・・で、課長はそんなこと聞いてどうするんですか?」


課長「いやー・・・女の子いるんならこの後に飛び入り参加しようと思ってさ。」




どんな親子関係やねーん。



ほほえましい課長親子であった。


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