ある日の夕食時。
テレビで柳原加奈子が出ていた。
彼女は今飛ぶ鳥を落とす勢いのある女芸人である。
世間によくいそうな人を形態模写したリアルな芸が持ち味である。
完成度の高いネタは安定感があり、かなり面白い。
柳「あたしの彼さ、ゴマ油いれときゃなんでもうめーうめーって言う男なわけ。」
しゅ「ぎゃはははは!!」
タカ「あはははは!」
しゅ「確かに居そうだね!こういう奴!」
タカ「そうなの?」
しゅ「男なんて味なんかよくわからんからさ。」
タカ「ふうん。」
しゅ「サラダ油くらいしか知らないで、たまにゴマ油入ってるとうまいと思っちゃうんだよな。」
タカ「そうなんだ。」
しゅ「単純な奴がよくいるんだよ。ぎゃはは」
おもむろにおかずに手を伸ばすしゅんち。
しゅ「おっ!この野菜炒めうまいね!」
タカ「え?あっそう?ありがとう。」
しゅ「これはなかなか・・・」
モグモグ・・・
数日後・・・
ある日の夕食にて。
しゅ「おっ!このおかずなかなか良い味してるな!」
タカ「あ、ありがとう。」
しゅ「これはなかなか・・・」
モグモグ・・・
タカ「・・・・。」
そして更に数日後・・・
家族でバーミヤンに行った。
安い料金で本格中華が食べられるお得なファミレスである。
桃のマークが目印である。
しゅ「何頼む?」
たか「私はこれ。」
タカコが選んだのは「牛肉のオイスターソース炒め」。
しゅ「珍しい物を頼むねぇ。」
タカ「そう?」
ウスターソースは良く知っているが、オイスターソースはあまり馴染みがない。
しゅ「オイスターってなんだったっけ?」
タカ「牡蠣(カキ)だよ。」
しゅ「あーそうか。」
牡蠣を使ったソースなんてなんてマニアックなんだと思うしゅんち。
・・そして他にチャーハンや餃子、野菜タンメンなどを頼み、豪華な中華ランチとなった。
注文すると次々に料理が運ばれてくる。
さすがは中華の火力。出てくるのが早い。
しゅ「いただきまーす。」
チャーハンを口にした後、タカコの頼んだ料理に箸を伸ばす。
馴染みのないオイスター料理に疑いつつも口に運ぶ。
パクッ モグモグ・・・
・・・・
しゅ「おおっ♪これはなかなかうまいね!」
タカ「・・・・。」
しゅ「この味付けがなんともいい!」
タカ「・・・・。」
しゅ「こりゃうまい!」
しゅ「どした?」
タカ「しゅんちゃんってさ・・・
オイスターソース入ってると必ずうまいって言うんだよね。」
しゅ「・・・・!!」
どうやら、しゅんちが何気にうまいと思った料理にはオイスターソースを使っていたらしい。
しゅんちはオイスターソース入れときゃなんでもうめーうめーと言う男であった。
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