shunchi四国漫遊記


第3日目 AM 10:00〜

ホテルをチェックアウトした一行は高知市内の朝市「日曜市」へ向かう。


「朝からなんでこんなに混んでるの?」

食器や野菜や食器などの雑貨の露店が並び、まだ朝早いというのに人だかりでごった返していた。


「文丹乱れ売りのおばちゃん」

なかでも文丹や小夏などの柑橘系が目立つ。
さすがは柑橘王国四国
これだけ柑橘系を食べてれば四国地方の人は全員手の平が真黄色なのだろうか。
ビタミンC摂取量も世界一だったりして・・・。

一行も迷わず大袋に入った文丹を一袋購入。


「神の絵が足元に」

歩いていると道路にこんな案内図が。
幼児に超絶人気アンパンマンの作者やなせたかしさんの故郷でもあるらしい。


「雄大ですな」

小高い山の上には高知城が見える。
近年ヒットしたNHK大河ドラマ「功名が辻」の山内一豊が築城されたという城である。
悠々と構える城を遠くから眺める一行であった。

・・こうして一行は高知を後にしたのだった。


PM12:00〜

本日の予定としてはこの後、愛媛の道後温泉に向かうのである。
そこへはドライブを楽しみながら向かおう!という母の思いつきで、高速道路を使わず一般道で山道を巡りながら向かう事にした。

運転手はしゅんち。
天気が良く、渓谷を眺めながらのドライブは快適であった。
横に座るタカコが先ほど買った文丹を剥いてくれ、しゅんちの口に運んでくれた。

・・実のところ、しゅんちは柑橘系が苦手である。
酸っぱい果物が苦手で、昔からミカンすらあまり食べなかったのである。

しかし、折角剥いてくれたのでしぶしぶ食べてみる。


・・・こ、これはうまい!


さすがは柑橘王国の逸品。
グレープフルーツの爽やかさにはっさくの甘さに近いさっぱり感。
さほど酸っぱくもなく、極上のシトラスジュースでも飲んでいるかのよう。

「文丹」は柑橘嫌いさえも魅了する魅惑の果物であった。
しゅんちは一口と言わず1個食べきるほど剥いて剥いてとアンコールを繰り返したのだった。


・・ドライブは快調に進み、そろそろ飽きてきたのでCDをかけることにした。
母の往年のCDコレクションの中から古(いにしえ)のアーティストをチョイス。

今日のブームは「大塚博堂」。
母が30代の頃どっぷりはまったシンガーソングライターである。
野太い甘い声が主婦の心をがっちりキャッチ、母は当時それはもう狂ったようにハマり、泣きながら聞いたという。
さっきまでウトウトしていた母だったが、曲がかかるやいなや飛び起き、まるで昔の恋人の話をするように思い出話をトクトクと語ってくれた。


「美川といえば・・・」

・・昼過ぎになり、道の駅「みかわ」に到着。
ここで昼食を食べる事にした。


「そうめんですね〜」

美川そうめんを食す。
そうめんを外食で食べる事は少なく、なんだか贅沢な気分である。

こうして腹ごしらえをし、再び愛媛に向けて出発。
到着はもうすぐである。


PM 3:00〜

愛媛県松山市に到着。
これで徳島−香川−高知−愛媛と四国全域制覇である。

それにしても・・・


香川の県庁所在地が高松


高知の県庁所在地が高知


愛媛の県庁所在地が松山



かなりややこしい。



高と松が多く、地名をすぐ間違えそうなしゅんちであった。

松山市は松山城の城下町で、夏目漱石の「坊ちゃん」の舞台になっている街である。
街のいたるところに「坊ちゃん○○」というネーミングが付いている。
更に有名な名湯「道後温泉」ある。
この温泉はジブリアニメ「千と千尋の神隠し」のモデルとなったといわれている。
千好きのしゅんちは否応がなしにテンションが上がる。


「時刻が中途半端なのでカラクリ見れず」

街のシンボル「坊ちゃんカラクリ時計」前に到着。
道後温泉100周年を記念して建てられたらしい。


「呼んでいる〜♪胸のどこか奥で〜♪(裏声で)」

そして道後温泉本館に到着。
日本最古の風呂と呼ばれ、国の重要文化財に指定されている。
古く独特の佇まいが千と千尋の世界のそれであった。
ブームなのか相当混んでいた。

道後温泉本館は2種類に分けられる。
1Fの一般来客の銭湯的な「神の湯」と、2Fのお茶とお菓子の接待が付いたお値段高めの「霊(たま)の湯」。
折角来たのだからと、霊の湯に入る事にした。


「こちらで浴衣にお着替え下さ〜い」

この建物は重要文化財である。
入場料を払って見学するような観光施設のお風呂に入るようなもので、いつも思っているような大衆風呂の雰囲気とはちょっと違った。
建物あちこちにショーケースに保存された古い風呂札などの展示物飾られていた。

一行は2Fのカゴの置かれた座敷に案内される。
どうやら一人一人にカゴが用意されているらしく、浴衣やタオルが入っていた。
まずは渡された浴衣に着替える。
そして、順番に呼ばれお風呂へと向かう。

父と共に男湯に向かい、そそくさと脱衣し、風呂へと。
お風呂は大理石のような石造りの浴槽。
こじんまりとしながらも小奇麗で、何か神聖な雰囲気さえ感じられる。
お湯は透明でやわらかい感じであった。
温度が割りと高く、長くは入っていられそうにないので、そこそこで風呂を出た。

お風呂から上がり、先ほどのカゴの部屋に戻るとお茶とお菓子を渡される。


・・神聖なるお風呂に浸かってもらい


・・その後風通しのよい場所で涼んでいただきながら


・・お菓子とお茶を振舞う。


昔の接待というのはこういう感じだったのだろうか。


「夏目漱石接待部屋」

軽く涼んだ後、湯屋の3Fを見学する事にした。
天皇が入ったお風呂や、野口英世が泊まったとされる部屋を見学できた。
歴史に出てくる有名な天皇や偉人達は皆ここで風呂接待を受けたのだろうか。


「おおっベストアングルか!?」

なかなかの雰囲気に大満足のしゅんちであった。


PM 6:00〜

道後温泉を出た一行はホテルへに向かう。
かなり道に迷いながらもようやくホテルへと辿り着く。
今日泊まるホテルは「ホテル三番町」。
ツーリング客が連泊できるような格安のビジネスホテルである。

チェックインを済ませ、部屋に荷物を置いた後、松山市内へと繰り出すのであった。


「松山アーケードを練り歩く」


「ワーイ!ちんちん電車だー」

路面電車で町並みを眺めながら、再び道後温泉付近へと向かう。


「松山市民になりすましました」

一般市民に紛れ、ローカルな雰囲気に酔いしれる。
こういう地元の生活感を味わうのが大好きなのである。


車窓から町並みを撮ろうとした瞬間・・・


しゅ「あ!カメラの電池が少ない!」

母「え?電池切れそうなの?」

母は得意気な顔である。

母「だから充電式は嫌なのよ〜。乾電池が一番だわ〜♪」

しゅ「ぬぬぬ・・・。」

母は充電式だと電池残量が気になるので乾電池派なのである。
乾電池ならばどこでも手に入るからという論法である。
充電池で困っているしゅんちを見て勝ち誇ったような笑みの母。

しゅ「もし電池切れちゃったらさカメラ貸してよ。」

母「あ・・・。」

しゅ「どした?」



母「・・カメラホテルに忘れた。」





電池どころの騒ぎではない。


「名前と形が一致しません」

一行は道後温泉商店街にてお土産物色をする事に。
ここでの銘菓はタルトと坊ちゃん団子である。

「タルト」とはフルーツが山ほど乗ったケーキではなく、ロール上のスポンジにあんこが挟まった和菓子である。
ナルトがなまったのか誰かが勘違いしたのかは定かではない。
色んなメーカーがあり、味も少しずつ違うようだ。


「心踊る大きさ」

特大の坊ちゃん団子発見。
さすがに食べきれないだろうと普通サイズを購入。
三色の団子が心をくすぐる。

他にもゆっくり見たかったところだが買い物嫌いの父の目がキラリと光ったので、そろそろ夕食を食べに行く事にした。
一行は居酒屋へと向かうのであった。


「少量多品種が嬉しいね」

一行は道後温泉そばの「伊予のご馳走おいでん家」に入る。
地元の魚屋の直営店らしく、新鮮な魚介と共に松山の特産を盛り込んだ懐石料理を堪能できる。


「釜揚げシラスが妙にうまいんだな」

こうして酒も進み、松山の夜が更けてゆくのであった。


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